記事提供:東京都議会議員 おときた駿 公式サイト

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

夕方のニュースで大きく報じられた通り、豊洲新市場の地下水から環境基準値を(わずかではありますが)上回るベンゼン・ヒ素が検出されました。

豊洲新市場の地下水、環境基準上回るベンゼンとヒ素検出(TBS)

都のプレスリリース資料はこちら。

過去7回の検査結果で不検出、または基準値以下だった地点からこのような結果が出たことは、私も非常に驚いています。

環境基準値はあくまで「飲み水」の水準であって、飲料にも清掃にも利用しない地下水から基準値を上回るものが出たとしても、物理的・法的に問題があるわけではありません。

また後述のように検出地点は市場の建物外の場所であり、専門家会議の提言内容から見ても問題がある結果ではありません。

しかしながら、

「敷地内はすべて、これまでずっと環境基準値以下なので、安心してください!」

というロジックをこれまで都は全面に出してきましたから、都民の間では大きな不安が広がる可能性は否めないでしょう。

専門家会議の調査・見解を待つとともに、追加施策が必要であれば速やかに・入念に実施しなければなりません。そして何より、都民感情を納得させることは並大抵のことではないと思います。

…それは重々承知の上で、敢えて以下では事実関係を冷静に整理しておきます。

・地下水モニタリング調査は、義務ではなく追加施策として行われたもの
・環境基準は飲み水の水準であり、地下水は飲料にも清掃にも使うものではない

まず大前提はこの2点です。そして、

・そもそも専門家会議では、建物下以外の地下水浄化は「環境基準の10倍以下(飲料基準ではなく、排出基準)」を目指すと提言していた
環境基準値の10倍以下(排出基準)+地下水管理システム+盛土で、専門家会議は「安全」と結論している
・そして今回、環境基準値を上回った地点は、建物・地下ピットの下ではなく「盛土」の下、つまり排出基準を目指していた地点である

特に重要なのが、今回のベンゼン・ヒ素の検出地点は五街区(青果棟)の「建物外」であった点です。繰り返しになりますが、この地点で専門家会議が求めている基準は「排出基準」です。

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>汚染空気の曝露による影響については、建物建設地で地下水環境基準、建物建設地以外で排水基準(地下水環境基準の10倍)に適合するレベルで地下水管理が行われることにより、人の健康リスク上問題のないレベルでの地上空気環境の維持が可能である。

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(第9回専門会議報告書 要旨より:http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/pdf/pdf/senmonkakaigi/houkokusho/houkokusho_001.pdf)

これまでのモニタリング調査を見ても分かる通り、まったく検出されないということは不可能ですし、そもそも前提とされていません。

地下水から検出されたとしても、盛土や地下ピットが壁になり、また除染するためのシステム(地下水管理システム)も存在します。これらがトータルで安全対策です。

【9/30 0:30追記】

技術者会議では方針が若干変更し、建物の内外問わずいったん環境基準値まで浄化するものとされています。ただこちらも、その後は地下水管理システムによってモニタリングと浄化をされていくことが前提です。

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(3)地下水の浄化

・経費及び工期短縮の観点から、建物建設地と建物建設地以外の区域を区別せず、建物建設前に環境基準まで浄化する。

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(第五回技術者会議 評価・検証に際しての視点より:http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/pdf/pdf/gijutsu/siryo/5-4.pdf)

加えて、以前にもブログで紹介した地下水管理システムは、9月現在は実質未稼働(試運転)状態です。この採水が行われた段階でも、もちろん動いていませんでした。

この地下水管理システムが「うまく機能していない」というコメントがいくつかの番組でコメンテーターから発せられているようですが、少なくとも現時点では根拠薄弱な発言です。その判断は、10月中旬以降の稼働状況を見るべきでしょう。

…ただし。今回、これまでには不検出だった地点から環境基準以上の物質が検出されたことで、他の場所の検査結果も余談を許さない状況になったことは確かです。

やはり「地下水モニタリング調査がすべて出て、安全確認が取れるのを待つ」とした小池百合子知事の政治決断は、極めて正しかったと改めて感じます。

こうなれば、安全面とガバナンス両面の疑惑をすべてクリアにするまで時間をかけて、調査と議論を尽くすしかありません。

そのためにもまずは地下水管理システム稼働後の状況も含め、今後のモニタリング調査結果と専門家会議の結論を冷静に待つ必要があります。

「環境基準値以上のものが出たから、豊洲はもう終わり!!」と拙速で不正確なイメージが流布されては、すでに懸念されている風評被害が加速しかねません。

上記の事実は事実として、冷静な認知が広がることを望むものです。

そして今日はあえて築地市場の方に出向きまして、築地場内の清掃・活魚水槽に使われる「濾過海水(河川水)」の調査に行ってきました。

使用用途からかけ離れて、「基準値の4割のヒ素が!シアンが!」と豊洲新市場の地下水が騒がれる今、同じ「水の安全」という観点から築地の水の調査を行い、数値を可視化して比較することには一定の意味があるだろうという判断です。

「食の安全」がフォーカスされる移転問題ですが、そもそもこの話は築地の安全面・環境面に対する多大な不安からスタートしていることには留意をしておく必要があります。

もちろん豊洲の地下水も築地の濾過水も、決して飲料に使うものではありません。しかしながら築地の濾過水の方が、清掃や水槽に使うという意味では、消費者に触れやすいところにあるものと言えます。

おそらくこの施設内に議員が立ち入るのは初めてで、非常に年季が入った様子を観察することができました。この視察レポはまた、改めて明日にでも…。

こちらでも約5リットルの採水をさせていただき、正式な結果が出るまでには1週間~2週間の時間を要します。先日採取してきた豊洲のたまり水と同じ業者に解析を依頼しておりますので、結果が出ましたらまた詳しくご報告したいと思います。

ただ速報値に関しては、明日のTBS「ビビット」で放映されるかも…?

豊洲の件と合わせて、しっかりと調査を継続していきます。それでは、また明日。

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