記事提供:スゴいい保育

一言に保育と言っても保育も色々、関わり方も人それぞれ。読者の方の保育にまつわるエピソードをご紹介する「保育とわたし」。今回はご自身が病児保育に従事する保育者の方のエピソードです。

ご自身のお子さんが病気になった際に辛い思いをした経験から、これからの社会に必要な保育の未来への思いを綴ってくれました。

”娘が2歳になって間もない時の事です。深夜、風邪で寝ていた娘の唇が色を失っているのに気付きました。

熱も無く、その日病院で処方された薬を飲ませてようやくひどい咳が治まって寝付いたなと思った矢先、様子がおかしいと夜間救急に駆け込みました。

娘の状態を見るなり病院の医師から「こんなになるまでなぜ放っておいたの?」という言葉が投げられて呆然としたのを覚えています。娘は重篤な喘息症状を起こしていました。

育児書を読み、かかりつけの医師の指示に従い、月齢によくある子どもの病気についても知っていたはず。なのに娘の病状が悪化するのを見逃してしまったという後悔の念がずっとありました。

またその後の何度かの入院でも、完全看護でひとり家族と離れて残る娘に付き添えなかった思いもあります。点滴を受けながら病院のベッドでひとりぼーっと天井を見て横になっている姿にどうしようもない悲しみを感じました。

子どもの事で迷い途方にくれた時、経験豊かな人が子どもの傍にいてくれたら、どんなに心強いことだろうと思いました。色々なところで、色々な場面で保育を必要としている子どもと親がいます。

私が考える保育は

1. 保護者の就労時、または保護者の都合で預ける保育

2. 保護者の周りで日常的に子どもの様子をみる保育

3. 子どものこと、子育ての色々な知識やスキルを保護者に教える保育です。

これからの社会においては、子ども特に幼児は家庭であっても保育は欠かせないという認識をもち(アメリカでは12歳以下の子どもを一人で家に置くことは非難される)、常に子どもは守られる状況におく。

親が就労しているか否かに関わらず、すべての子どもが「現在を最もよく生きる」ためにこのような支援を受けられるという子どもの視点からの保育が求められます。

近所のおじさんおばさんがあれこれと面倒をみた地域社会が無くなり、子育ては今、個人的なことになっています。また晩婚化や大都市での就労が増え、子育てを祖父母に頼ることもできなくなりました。

家庭で主に母親ひとりが育児を担うようになってから、子育てが難しくなっています。加えて少子化で幼児に接する機会もなく親になる状況下では、子育てに周囲が関わり多くの手助けが必要です。

人は親になることを学び経験して初めて子どもを育てることができます。その学びと経験を与えるのは社会です。

そのために保育施設、病児保育施設、学童施設等で保育士や病児保育スペシャリストが専門家として地域の子育て支援に関わり、社会で子育てする街をつくります。

安心して子育てする環境とは子どもを事故や病気から未然に防ぐとともに、いつでも多くの人がその子どもの成長に関わるシステムを作ることです。その中で病児保育は「病気の間、静かに過ごす家」です。

医師の指示のもとに看護をしながら家庭にいるような保育する。具合の悪い時にそっと子どもに寄り添い、身体が辛い間じっくりと遊び、相手をする場所です。

こうした病児施設を入院施設のある病院、地域の小児科、保育園、小学校に設置し、病気の子ども達が安心して過ごす場所を確保する。それは子どもにも保護者にも大きな安心になります。

子どもが健康な時も、病気の時も同じように受け入れられる場所を増やすこと、子どもを地域の子どもとして常に守られるように、親が責任をすべて負って孤立しないようにすることが子どもを育てる、いわば未来をつくる私達の責務だと思います。”

出典 http://sugoii.florence.or.jp

※登場する場所・名前・所属などは編集部により架空のものに差し替えています。

親御さんのエピソードや声を聞くことはあっても、保育者の生の声を聞くことはあまりないですよね。子どもだけでなく、親御さんのことも考えての保育。保育を通して社会や未来まで考えているんですね。

このエピソードを聞くと、やはり保育が社会を支える重要な仕事であることがわかるのではないでしょうか。

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