記事提供:しらべぇ

視聴に年齢制限がある「成人向け映像」は、世界各国でその国の文化や事情に合わせた規制がある。日本では、刑法175条で「わいせつ物頒布等」が規制されており、それをクリアするため日本製AVに欠かせないのが「モザイク処理」だ。

海外にサーバがあることなどを隠れみのにした「無修正サイト」を除き、国内に流通するすべてのAVには「わいせつとされる部分=性器周辺」にモザイクがかけられている。

しかし、ひとつの漏れもなくこのような処理が徹底されているのは、どんな仕組みによるのだろうか。しらべぇ取材班は、こうした倫理審査を行なう国内最大の第三者機関である一般社団法人日本コンテンツ審査センターを訪れた。

約100名の審査員が月25万時間ぶんを確認

日本コンテンツ審査センターの前身は、1997年に発足したメディア倫理協会。それが業務統合などにより2010年に映像倫理機構、2016年からは現在の名称となり、8月現在で158社のAVメーカーが加盟している。

2015年には年間13,503本の映像が審査され、月平均ではおよそ25万時間に及ぶ。

審査員の半数が女性

およそ110名のスタッフのうち、過半数が女性。この日は審査員が95名出勤しており、そのうち43名が女性だ。審査員は20代~60代まで幅広いが、AVという特性上、2、30代が多いという。

静まり返ったオフィスは個別ブースに分けられ、イヤホンをした審査員がパソコン画面をチェックする。

審査は1秒を30コマに分割した1コマ1コマまで、丹念にモザイク処理の甘さや漏れ、ストーリーや演出の過激さなどを確認。1本の作品を2名の審査員がチェックし、さらに別の審査員が最終確認を行なう。

モザイクの薄さやストーリーなどに問題が指摘された作品は加盟メーカーに戻され、再編集などの修正を行わなければ販売することができない。

審査は、たとえばDVDの場合、映像本体・盤面・ジャケットなど、作品にまつわるすべてが対象だ。

「自主規制」が守る表現の自由

成人向け映像の規制は、国によってさまざまだ。たとえば香港や台湾、韓国では国の機関によって審査が行なわれる。

しかしこれは、表現検閲にもつながりかねない危険性をはらむ。「権力による検閲」が仕組み化されれば、その対象は成人向け作品にとどまるとは限らないからだ。

一方で日本の倫理審査システムは、メーカーからも国からも独立。一般社団法人なので、収益目的でもない。

作品のクオリティはもちろん、このような陰ながらの努力もあってか、日本のAVはアジア各国など海外で高く評価され、日本人AV女優が国民的な人気を集めるケースも。

昨今、AV女優の「出演強要問題」が報じられるが、そうした分野においても、弱い立場の人たちを守る「独立性の高い自主的な対応」こそが当事者にとってもっとも有効なのではないだろうか。

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