時代の流れはさておき、少なくとも自分や自分の作品に関しては、ハードに合わせてソフトを作るのではなく、ソフトに合わせてハードを作るようにしております。

ソフトに合わせてハードを作るというのは、つまり、「ひな段芸人に向いてねーな。苦手だな」と思ったら、すぐさま降参して、ひな段に出ない芸人の形を模索したり…まぁ、そんなこと。

んでもって、『えんとつ町のプペル』。

この物語を思いついて、2~3ページほど描き進めた時に、「この絵本の作り方は、これじゃねーな」と思い、急ブレーキ。

地球が始まって今まで存在しなかった、まったく新しい絵本の作り方を提案できる作品だと思い、「絵本がこれまで何故、一人ないし二人の作家で作られてきたのか?」という問題提議、そして解決方法まで考え抜いて、クラウドファンディングで制作費を募り、『超分業制』で作品制作を再スタートさせました。

クラウドファンディングで制作費を集め、クラウドソーシングで制作スタッフを集め、そして、またクラウドファンディングで個展『えんとつ町のプペル展』の制作費を集め、全国で個展を巡回させて、個展のお土産として世に出すべき作品(物語)だと思ったのです。

ソフト(作品)に合わせてハード(作り方・売り方)を作るというのは、そういうことッス。

キングコング西野の個展『えんとつ町のプペル展』を入場無料で開催したい

そんな、『えんとつ町のプペル』のことを少し。

10月末の発売に向けて、現在、最終仕上げ真っ只中。

装丁家の名久井直子先生が白地の作品を提案してくださり、作業を進めていたのですが、ここにきて、ちゃぶ台を全部ひっくり返す私。

「いやいや、『子供が手に取りやすい』とか、どうでも良くて、僕が子供の頃…そして今も、手に取るのは、少し恐いモノだ!それを作りましょう!」

と言い放ち(最初から言っとけよ!オマエ、絶対に、名久井さんが出してくださったパターンを見て、それを思いついただろ!)、発売直前に、黒の絵本にゴッソリ変更。

んでもって、絵本の帯。

表紙の絵に力があるし、文章よりも絵の方が遥かに雄弁で、絵が全てを説明してくれているので、もはや、『帯』なんぞは絵が放つメッセージを殺してしまう邪魔者でしかなくて、個人的には帯なんて要らないと思っているのですが、それでも引き下がらないのが、昔から二人三脚で一緒に絵本を作ってきた幻冬舎の袖山さん。

いろんなパターンを出してくださいます。

「何故、『絵』よりもメッセージ力が低い『文章』なんぞで、『絵』を潰してしまうんですか!『帯』は、そもそも販売促進の装置でしょ?これだと《帯を巻くこと》が目的になってしまっていて、販売促進と逆の方向に進んでますよ!」という私からの罵詈雑言を浴び、次に出してくださったのが、コレ。

「いや、だから…『扉を開いてください』も何も、気になったら扉を開くし、そんな文章を書かれても、気にならなかったら扉を開かねーよ。そういうもんなんだから、そんなくだらねー文章で、絵を潰して…つまり、気になる面積(可能性)を下げちゃダメ!なんで分かんねーんだ!もっと頭を使え!考え抜け!タコ壺まみれがっ!」という意味を含んだ「もう少し頑張りましょう」という言葉をかけます。

そこから更に、

…という裏表紙の帯の案が届き、「…スティーブ・ジョブズ、ハロウィン・プペル」のクダリなどは、もはや、おちょくってきてるのかと思いましたが、画像の二つ目にある、『数字』を前に出す案は少しイイと思いました。

それでも、

「あんたの言葉は全部どこかで聞いたことがあるし、とにかく嘘くせー。今の時代に、そんな嘘が通用するわけがない!お客さんをナメるな!あと、ルーティーンが過ぎる!『いっぱい本を出して、どれか売れればいい』が見え隠れしてんだよ!あなたの頭は出版業界そのものだ!つまんねーな!『えんとつ町のプペル』は、作り方の常識や、届け方の常識を壊してきたのに、なんで、装丁だけ、常識通りにやっちゃうんだ!考えろ!挑戦しろ!」

という意味を含んだ、「うーん、もう少し何か方法があるかもしれませんね」という言葉をかけて、ついに出してこられたアイデアが、コレ。

帯をメッセージボード(メッセージ欄?)にするというのです。

これはイイ!!

帯を巻くことには大反対でしたが、この帯を巻けば、ジャンルが『書籍』から『プレゼント(おみやげ)』に変わります。

『えんとつ町のプペル』は個展とセットで届けてやろうと思っていた作品なので、これだと、「そうか!ここにメッセージを書いて、大切なあの人にプレゼントしよう!」と思う人が増えて、おみやげ感が増し増しで、ナイスですよ。

「買う理由がある」というのが大切なポイントだと思います。

すぐさま、「袖山さま。袖山大臣殿!今まで汚い言葉を浴びせてしまって本当に申し訳ございませんでした。どの口が言ったのだ、と今は反省しかございません。お願いですから、あなたの靴を舐めさせてください」という意味を含んだ「うん。いいですね」という言葉をかけ、『えんとつ町のプペル』の題字を担当してくださったハヤシコウさん(イタリア人)に、メッセージボードのデザインを依頼。

そこから、ハヤシコウさんが、いろんなパターンを出してくださり、またもや、

「いや、もう少し柔らかく」

「◯◯を付けてみるのはどうですか?」と意見していく私。

こうして『帯』ができあがってきます。

…ここで、勘の良い方はそろそろお気づきかもしれませんが、そうです。

僕は何もしていないのです。

偉そうにふんぞり返って意見しているだけなのです。

ただ、何もしない方が現場が潤滑に回るということが最近分かってきました。

これが分かってからというもの、お笑いライブでボケてスベった時は、お客さんに対し「頑張れ!」と言うようにしています。

「僕は笑わせようとした。今、ここが、こんな空気になっているのは、笑わなかったオマエらのせいだ。オマエらが全部悪い!もっと頑張れ!楽をするな!いつまでも客でいれると思うなよ!」という正義です。

そんなことを繰り返しているうちに、『何もしない』の境地に達し、ついにナニモシナイ菩薩と化した私が、今度はこんなイベントを企画しました。

【10月30日(日)】

「えんとつ町のプペルオーケストラ~お金を払っているのに設営から出演までやらされる合唱団~」

会場:ヨシモト∞ホール

開場09:30 開演10:00 終演13:00

一般発売:9/23(金)※全席自由

Yコード:999‐060

前売¥3,000 当日¥3,200

小学生以下前売、当日共に500円(限定50席)

お問い合わせ:チケットよしもと0570‐550‐100

学生時代にやった『合唱』が楽しくて、それをやりたくなり、なんとかオーケストラ(演奏者)の方はスタンバイできたのですが、歌い手がいません。

さらには、∞ホールの舞台デザインというのが、地獄的にダサイので、これをなんとかしたいのですが、たった一度のライブなので、美術さんを雇うお金もありません。

どうしよう?

そうだ、客にやらせよう!

というわけで、

『えんとつ町のプペルオーケストラ~お金を払っているのに設営から出演までやらされる合唱団~』

チケット本日発売です。

チケットはコチラ

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス