公共の場でメルトダウンする子供を目撃すると

「私はしばしば、公共の場でメルトダウンしている子供に困り果てている母親を目撃することがあります。その時、私はいつも心の中で思います。‘私の子供でなくてよかった‘と。そして、そのような光景に出くわしてしまったときは、なるべくそっちを見ないようにして、彼らのプライバシーに踏み込まないように努力しています。そして私は自らの3人の子供たちがそのようなメルトダウンを起こすような子供でなかったことに感謝します。そして自分自身が癇癪を起さなくてすむことに対してもありがたいと感じてしまいます。」と‘The Mighty‘の女性記者はこのお話の冒頭で書いています。

出典 https://themighty.com

駐車場での子供のメルトダウン

メルトダウンとは

日本では‘パニック‘と呼ばれている症状で、子供が自分の感情をコントロールできなくなる現象です。日本ではあまり浸透していない言葉ですが、海外では、このような状態を‘パニック‘とは呼ばず‘メルトダウン‘と称しています。

また、自閉症スペクトラムの子供は‘メルトダウン‘を起こしやすいとされています。

メルトダウンで悩まされる親となる

「やがて私は4番目の子供を持つようになりました。その子は2歳の時に、感覚処理障害と自閉症スペクトラム障害と診断されました。そして私はメルトダウンで悩まされる親となりました。」とこのお話は続きます。

息子を連れてウォールマートに

「その息子が4歳の時、私はウォールマートに息子を一緒に連れて行かなければなりませんでした。それは賭けのようなものだということは判っていました。それは息子を歯科に連れて行った帰り道でした。歯科での息子は、まぁまぁOKの範囲でした。だから、ちょっと安心していたのも事実です。後1つだけ、家に戻る前によらなければならない場所がある、そういう気持ちでウォールマートに息子と一緒に立ち寄りました。」とここまでは順調そうですが、この後、何かが起きてしまうようです。

息子が買い物最後のレジの列でメルトダウン

「でも、計画通りに物事は行きませんでした。私の息子は、買い物の最後のレジの列でメルトダウンを起こしてしまいました。通常、そういう状態が起きてしまった場合は、買い物をすぐに諦めて、店から直ちに出て家に帰ります。でも、その日はどうしても買って帰らなければならない物があったため、それができませんでした。

私の夫はこの日、ここから6時間離れた場所でキャンプに参加していた娘を迎えに行ってました。彼女は足を骨折して松葉づえをついてギブスをしていました。でも、そのギブスは防水ではありませんでした。家に戻ったら娘は、まず何よりもシャワーを浴びたいと言っていました。そのため、私はギブスを防水するための必需品の防水用プラスティックとテープ、そして娘がシャワー時に座る専用の椅子を、絶対に購入しておかなければならなかったのです。」

つまり母親が恐れていたことが、最後の最後で起きてしまったというわけです。でも、絶対に今、ここで買わなければならないものがある。。さぁ、どうしたのでしょう?

レジが終わって駐車場の車へ

「私の息子は私とショッピングカートの間の床の上でひっくり返って、腹の底から絞り出したような大きな声で泣いていました。私は少しずつしか動いていないレジの列に並んだまま、周囲の人たちの明らかに歓迎していない視線にジッと耐えるしかありませんでした。そしてやっと私の番がやってきて、なんとか買い物をすませることができました。直ちに私は泣いて暴れる息子を床から抱き上げ、店の外に出ました。

そして、駐車場の車までなんとかたどり着こうとしました。すると途中で、私の腕の中で泣きながら暴れていた息子の靴が脱げて落っこちてしまったのです。道路のど真ん中に息子の靴が落ちたまま、私は息子をとにかく車まで連れて行き、チャイルドシートに息子を置かなければならないと思いました。」

その光景が映像のように目の前に出てきます。子供を育てたことがある母親であれば、これがいかに大変なことなのか想像できることでしょう。

暴れてカーシートに固定できない。。

「私の息子がメルトダウンを起こした時は、ヘラクレスのような力を発揮します。彼の小さな体はアーチ状になったり、ねじれたりするのです。彼を鎮めるためには、チャイルドシートに固定するしかありません。でも、暴れるのでなかなか思うように乗せることができません。息子は大声で泣いていましたし、車の窓は全開だったのでとても人目を引いたと思います。」

そう、たとえ小さな子どもでも思い切り暴れると、物凄い力を発揮するんですよね。。体をくねらせて暴れると余計に。。本当に大変なんです。

1人の女性が向かってきて

「その時でした。一人の女性が私の方に向かって来ることに気がつきました。きっと私が息子を虐待していると警察に通報するか、あるいは酷い母親だと注意しに来たのだと勝手に想像していました。

すると女性は、予想に反してこう言ったのです。‘何か私に手伝えることはありますか?‘と。その瞬間、私は目に涙が浮かぶのがわかりました。そして‘はい、お願いします!‘と答えていました。」

これはとても嬉しかったと思います。普段世間の冷たい目にさらされることに慣れていた彼女にとっては特別な言葉だったと思います。

彼女が理解してくれた理由

「2人で協力して、泣いて暴れまくる息子をチャイルドシートに固定するのに2分半もかかりました。2人で苦労して息子を座らせた後、女性はとても丁寧に私の息子はスペクトラムですか?と尋ねてきました。私は‘はい‘と答えました。そして彼女は2人のスペクトラムの息子を持っていると言いました。

彼女は、店内で別のレジの列にいて、私の息子がメルトダウンしていたことを見ていたそうです。そして彼女の後ろに並んでいた男性が彼女に‘あの子はお尻を叩かなければわからない!‘と言ってきたそうです。彼女は何も事情を知らないでそんなことを言う男性に対して腹が立ち、‘彼らには彼らにしか判らない事情があるんですよ。何も知らないあなたには彼らを勝手に判断する権利はありません‘と言ってくれたそうです。」

全くその通りです。何も事情が分からないのに、他人のことを勝手に判断することは間違っています。

連絡先

「私はその時、彼女がただ私のことを手伝ってくれただけではなく、私を擁護してくれていたことを知りました。彼女は、駐車場の車の中で2人のスペクトラムの息子たちと一緒に待っていたご主人に‘スペクトラムの子供がメルトダウンを起こしているのでちょっと手伝ってくると告げてきたそうです。

私の息子をチャイルドシートに固定し終わった後、彼女は私が購入した荷物を車に積んでくれました。その間に私は道路に落ちたままにしていた息子の靴を取りに行くことができました。

そして、彼女は一度彼女の車に戻って、再び彼女は自分の名前と電話番号を書いた紙をもって私に渡してくれました。もしも、何か話したいことがあったら、いつでも電話してくれと言ってくれました。

私は最後に彼女に感謝の気持ちを伝え、その場を去りました。」


同じ境遇だからこそ、互いに理解しあえることがあります。

ウォールマートのメリッサ

「彼女の連絡先は私の携帯に‘ウォールマートのメリッサ‘と登録しました。

私たちは、その2週間後にプレイグランドで互いの息子たちを一緒に遊ばせました。

その時、私はメリッサにこう言って笑わせました。‘もし、あなたがあの時、助けてくれなかったら、私と息子はまだウォールマートの駐車場にいたかもしれないわ‘

彼女の優しさは、私の良き夏の日の思い出となりました。」

これは、このお母さんにとって、本当に素晴らしい体験だったと思います。メリッサさんとの良い出会いでした。

共感と思いやりの気持ちを持って

「私は長い時間をかけてやっと判りました。その時、その場で目に見えている事だけで人は判断してはいけないのです。その人にはその人にしか判らない事情があるかもしれまっせん。過去の私は、メルトダウンを起こした子供を見ると、なるべく避けるようにしていました。でも、今回の彼女のように、助けの手を差し伸べるべきだったと反省しました。他人には、共感と思いやりの気持ちを持ちましょう。特に、道路の真ん中に子供の靴が落ちていた場合は。。私のようなストーリーがあることも忘れないでください。。」

とても良い言葉ですね。。本当にそう思います。

最後に

自分が同じ立場にならなければわからないことがあります。人に親切にされて、はっとすることもあります。自分はこれまで同じように他人に助けの手を差し伸べていただろうかと?見た目だけで他人をジャッジしては絶対にいけません。他人を勝手に判断する権利は誰にもありません。今回のお話は、スペクトラムのお子さんを持っていなくても、みんなに言えることだと思います。

参考資料

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
日本生まれですが、米国に30年間住んでいた米国籍のライターです。2014年に家族で日本に移住してきました。どうぞよろしくお願いします。

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