4年前にオープンしながら、ほとんど客が来ず、Twitterで悲鳴をあげている居酒屋が存在する。この居酒屋の書き込みによると、ここ最近は約2か月間ひとりも客が訪れず、出稼ぎに出かける日々のようだ。

2か月間一人もこないなんてありえるの?

いや、どんなにマズイ店だとしても、うっかり店に入ってしまう客ぐらいいるのではないだろうか?いくらなんでも、「2か月間客が一人もこない」というのは話を誇張しすぎなのではないか?ウケを狙って店主がジョークを書き込みしているのではないか?

しかしながら、店主の書き込みはジョークというには重すぎる。飲食店を営む者が、ジョークで「客がこない」と書けるものだろうか。以下に、店主のTwitterコメントを一部引用してご紹介したいと思う。

店主のコメント

「日付変更線を過ぎたがなにもおきない」

「外に出ては人通りがあるのに店の中はいつも通り暇では無く誰も来ない」

「うちの店もポケモンがいたらお客さん来るかな」

「もう1ヶ月近くお客さんを見て無い気がする」

「また出稼ぎの日に予約が今日明日は営業するがどうなるかわからないから24日日曜に出稼ぎを入れたのに」

「今日こそお客様と思ったら予約がドタキャンにまた誰も来ない土曜か」

「久しぶりのお客さんと思ったら逃げてった」

「おかしい」

「出稼ぎに行っている時にこれから行ってもいいですかと電話が2件あった自分の商売運の無さを痛感する」

「やっと出稼ぎ終わったこれから自分の店にもどり6時から営業してみるがどうなんだろう」

「営業してます性懲りもなく」

「今日は奇跡的と言うか哀れみと言うか予約が入りとにかく2週間ぶりのお客様がいらっしゃっるありがたい感謝につきます」

「昨日は1ヶ月と2週間ぶりにお客様が二名いらした…もはやここまでくると奇跡をとうり越して神の気まぐれですな…感謝をとうりこして夢か現実かよくわからない感じだった」

「まいった~ドタキャンしたお客さんがキャンセルをキャンセルして来た~」

「予約も入らないしもう10日以上誰も来ない」

「もうあきらめよう」

ビクビクしながら居酒屋へ

そこで今回、どんな居酒屋なのか実際に行って確かめてみることにした。どうして客がこないのか?料理がクソマズイのではないか?そのあたりを調査するべく、単身でビクビクしながら居酒屋に向かった。

居酒屋「味ん輝」(ミンキ)

やってきたのは、東京都板橋区の大山駅から徒歩5分ほどの場所にある、居酒屋「味ん輝」(ミンキ)。なんとも可愛らしい名称である。

池袋からも数分で行ける地域で、活気ある商店街の通り沿いにあり、アーケードになっていることから、天候に左右されない好立地。店舗は2階にあるらしく、1階の入り口にはモニター、照明、看板、メニューを掲げてお客さんにアピールしている。

見た感じ、この状態で客が入らないというのは信じられない。個性や強い魅力を感じる店頭ではないが、店頭はいたって普通であり、客を寄せ付けない要素は皆無。これならば1日に数組の客がきてもおかしくないし、2か月間も客がこないなんてことは信じられない。

店主が客を呼び込むためにTwitterに嘘を書いたのだろうか?しかし、客がこない理由がこの直後、すぐに判明した。

これは入りにくい!

やや急な階段をあがると、そこには細い通路にキャバレー(ナイトクラブやパブ等)が2軒あった。そのキャバレーを通り過ぎて進むと、正面にドハデな「味ん輝」と書かれた暖簾と、壁一面に貼られたドリンクのポスター。

暖簾をくぐると、さらに暖簾があり、2回目の暖簾をくぐると今度はマンションのようなドアが!自動ドアでもなければ、引き戸でもなく、マンションのようなドアノブをひねる形式のドア。なかなかの重みがあり、あたかも一見さん御断りの秘密クラブのようである。これは入りにくい!

ハードル高けぇわ!

ドキドキしながらドアノブを回し、開けてみる。ドアがかなり重く、気分的に「人が入るのを拒んでいるかのよう」に感じる。そして店内に広がっていたのは、今までに見たこともないミステリーゾーン!

何もない広すぎる空間に、カウンター席とテーブルがひとつ!広いスペースには客もテーブルもないので、照明すらついていない。こりゃハードル高けぇわ!

このあと店主とじっくり話して「この人は良い人だ!信頼できる!」と思ったからこそあえてオブラートに包まず言わせてもらうが、この入口では2か月間客がこないのも納得である!

ハードルの数々

急な階段

超細い通路が現れる

キャバレー1を通過

キャバレー2を通過

突き当りにドハデな暖簾とポスター

暖簾1の謎空間を通過

暖簾2の謎空間を通過

マンションのような(秘密クラブのような)ドアが出現

中に入ると広大な何もない空間

広い空間にテーブルなし

店内に入ると、気さくで優しいフレンドリーな店主が出迎えてくれた。店内には「店主のTwitterを見てきた」という男性2組がおり、客は私を含めて3人。カウンター席は2席で、あとは4人ほどが座れるテーブル席。だだっ広い空間にもテーブルを置けるようだが、客がこない時は並べてないようだ。

店主「客が入ろうとするが中を見て逃げる」

店主によると、2か月間客がこなかったのは事実とのこと。今日、記者(私)を含めて3人も客がきたため「こんなに忙しいのは久しぶり」と話していた。店主のためを思って、記者はハッキリと店に入りにくいことを伝えた。

店主自身もある程度はそれを感じていたようで、高いハードルを越えてドアを開けたものの、店を覗いてびっくりして逃げてしまうお客さんがいるそうだ。

逃げる言い訳を考える客

客は広い空間を見て「とんでもない店のドアを開けてしまった!」と感じるのか、「ちょっと友達に聞いてくる!」などと言い訳をして、そのまま逃げて戻ってこないことが多々あるらしい。

また、「じゅ、じゅ、15人でもいいすか?」などとありえない人数を伝えて逃げようとする客もいるらしく「30人でも40人でも大丈夫ですよ」と店主が言うと、「えっ!?じゃあ人数を数えてくる!」と言い、確認をしに戻るふりをして逃げることもあるとのこと。

まあ、客の行為は褒められたものではないが、ドアを開けた瞬間「なんとかして逃げなくては!」と思わせてしまうオーラがこの店には漂っているのかもしれない。ちなみに、広い空間はフカフカした材質の地面をしており、合気道などの柔術ができるとのこと。やんないけど(笑)。

店主「精神と時の部屋にようこそ」

店主は冗談なのか本気なのか、初めての客に「精神と時の部屋にようこそ」と話していた。精神と時の部屋とは、漫画「ドラゴンボール」に登場した、いるだけで気が狂いそうになる異空間の事である。

確かに精神と時の部屋のように何もない店内だが、なぜだか居心地が良い。すごい一体感を感じる。今までにない何か熱い一体感を。穏やかで、家庭のようで、落ち着いていられる店に感じる。まあ、何もないからだろうけど(笑)。とにかく、一度でも入れば居心地が良いのは事実である。

ガチで美味い!プロレベル(プロだけど)

そんな感動と衝撃に包まれつつ記者が注文した料理は、シイラの刺身サラダ(お通し)、野菜天ぷら盛合せ、さんまの一本揚げなど。正直、そこらへんの居酒屋が出せるレベルではない!あまりにも新鮮かつ美味すぎるのだ!しかも今回、客がいつもより多いにも関わらず、「天ぷら屋ごっこをしましょうか」と店主が提案してきた。

まさに職人芸

カウンターごしに一品一品、店主が丁寧に揚げた野菜の天ぷらを出してくれたのだ!確かに、リッチな天ぷら屋はそんな感じで天ぷらを出してくる!しかもガッツリ食べたにも関わらず、まっっっっったくしつこくなく、いくらでも食べられるから不思議だ。カリカリサクサクッ!そして食材はパリッと新鮮。まさに職人芸。

ちなみに、さんまは刺身用としても使えるものを天ぷらに使用しているそうで、食に対するこだわりを強く感じる。天ぷらの腕が凄いのはもちろんの事、細部に対しても妥協しないプロの腕前。2か月間客がこなくても、新鮮な食材を無駄にすることなく自分で食べていたという(笑)。

熟練の腕を持つ職人

この場所で店を開いたのが4年ほど前で、それよりも前から飲食業をしていたそうだ。客は来ないが、熟練の腕を持つ職人がここにいたわけだ。それがついに、世の中に認められようとしているわけである。

入ってしまえばそこは楽園

低価格でハイクオリティ、そのうえ店主のセンスかキラリと光る料理が堪能できる「味ん輝」。さらに食べ放題までやっている。いままで食べてきた居酒屋の料理は何だったんだ。

そう思える妥協なき料理が味わえるこのお店、入るまでのハードルは高いが、入ってしまえばそこは楽園。けっして「精神と時の部屋」ではないことはお約束しよう。ちなみに、客がこないのに店をやめない理由は「やめるのにもお金がかかる」とのこと。なるほど!

【続報】
客がこない居酒屋「味ん輝」がTwitterで拡散 → 大勢の来客 → 材料2人前しか用意せず → 即完売 → 店主泣きそうになる

出典 YouTube

味ん輝

住所:東京都板橋区大山町40-3
時間:17:30~夜中
休日:無休(出稼ぎに行く場合があるため要確認)
電話:080-3028-8608

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス