記事提供:AbemaTIMES

12日、シリアで停戦合意が行われたが、すでに形骸化している。停戦から5日後には有志国連合がシリア東部のイスラム国に空爆し、シリア軍兵士90人が死亡。19日にはアサド政権軍が停戦は終了と発表し、反政府勢力への空爆を再開した。

また、アメリカはロシア軍かアサド政権軍が援助物資を積んだ国連のトラックを空爆したと発表したが、ロシア軍は反政府軍側の車輛が隣から急襲したと反論するなど、泥沼化している。

米ロ、さらにはトルコなどの大国の思惑も絡み合ったシリア情勢だが、22日に放送されたAbemaTV『AbemaPrime』では、軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏が登場。現在両陣営はお互い信じられない状況にあると語った。

「ロシアのプーチン大統領はイケイケなリーダーです。ウクライナとかシリアもそうですが、自分たちのやりたいようにやるという強硬的。オバマ大統領は、なるべくそういうのにかかわらないという姿勢を見せています。

シリアへのかかわり方を見ても、アメリカとロシアが同じようなかかわり方をしているわけではありません。

ロシアはアサドを助けて、反政府軍に対する空爆にも参加。アメリカは、なんとか停戦に持ち込もうとし、根本的に変えるよりは『ちょっと抑えよう』というところに注視しています」

また、国連トラック空爆について、ロシアはすべての情報を出し、「シロ」であることをアピールしている一方、アメリカは実行者がロシア軍かシリア軍しかいないと真っ向から対立。これを黒井氏はどう見るか。

「アメリカは証拠を出してくると思いますが、ロシアは情報を混乱させるようなことをするでしょう。ロシアは過去、シリアについては、戦闘する気がないと言った2日後に空爆を開始したりしています。

過去の言動を見るとロシアは何を言っても信用できません。国連のトラックの件もロシアが怪しいです。今回もロシアの戦闘機・スホーイ24が上空にいたので、ロシアが撃ったのは間違いないと思います。和平協議は難しい。

アメリカもロシアも外交の場で非難しあっている。しばらくはこれが続くでしょう。」

ここで、AAR Japan(難民を助ける会)事務局長の堀江良彰氏が電話で登場。シリア難民支援の現状について解説した。

同団体は、シリア難民に対し、食料支援、不発弾等の被害に遭わないような支援をしている。あとは、トルコ国内に移った難民支援も行っている。コミュニティーセンターを運営してトルコ語講座を開設したり、交流イベントを行っているそうだ。

番組キャスター・テレビ朝日の小松靖アナから「避難民」と「難民」の違いについて聞かれ、堀江氏はこう説明した。

「難民は、その国から出た人です。シリアから出てトルコとかヨルダン、レバノンに出た人。これは450万人ほどいます。一方、難民として外に出られない人もいます。シリア国内で逃げている人が避難民で、これは650万人ほどいます」

人口2200万人のシリアで約半数が難民か避難民になっているという現状があるというのだ。

「今はとにかく停戦にならないことには、私たちの活動も本格的なことはできません。本来は、しっかり停戦が成立し、和平がもたらされ、難民が戻りシリアが復興することを求めたい」(堀江氏)

こうした厳しい状況を語ったが、黒井氏もアメリカが強かった時代は国連安保理経由で停戦や仲裁などがうまくいっていたものの、現在はその役割は期待できないという。

イラク戦争以後世界の警察としての役割を失ったアメリカの状況ではイケイケのロシアを抑えきれず、国際社会で物事を収めるというスキームがなくなっていると悲観的な見通しを示した。

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