記事提供:AbemaTIMES

人口減に悩む日本でも、移民に関する議論が開始しつつあるが、現状を見ると日本国籍を有さない人に対しては厳しい対応があるのも事実だ。

日本でタイ人の両親から生まれた山梨県甲府市在住の16歳少年、ウォン・ウティナンさんの母が9月15日にタイへ帰国し、2人は離れ離れとなった。ウティナンさんは「悲しい、という言葉以外浮かばない」と母と別れた直後に語った。

これまでの歴史をたどると、1995年に母がブローカーにより日本へ連れてこられた。その後タイ人男性と結婚し、2000年にウティナンさんが生まれた。

しかし、男性とは離婚した。途中から不法滞在をしていたため、二人は日本国籍を持てない。そのため、ウティナンさんは、小学校にも行けなかった。

その間独学を続け、ウティナンさんは2013年に甲府市内の中学に転入。母子は在留特別許可を申請するも、1年後、退去強制処分を言い渡された。2015年に処分の取り消しを求め東京地裁に提訴するも今年6月30日に敗訴。

7月14日にウティナンさんだけ控訴し、そして15日の母だけが帰国という流れだった。こうした決断をしたのは、裁判の結果、世話をする監護者が現れれば、ウティナンさんの在留特別許可について再検討する余地があるとされたためだ。

ウティナンさんは、作文に「どうして僕が日本にいられないの?」「何か悪いことしたなら教えてほしい。僕が生まれたことは悪いことだったのでしょうか」「どうか僕のことを認めてほしいと思います」などと綴っていた。

ウティナンさんは在留特別許可を取り、母親との再会を何よりも求めている。

この件が19日に放送された報道番組『AbemaPrime』(AbemaTV)でピックアップされた。

番組コメンテーターの8bitnews主宰・堀潤氏は「発端がものすごく大事。日本側から、『労働者として来てほしい』というニーズがあって来た。呼んだ側は責任を負うことなく放置されてるのかっていうと、そうだとしたら大きな問題です。今、海外の安い労働者を使っている現場があります。移民を受け入れましょうという議論がありますが、こういう問題をクリアしなくては悲しい親子がどんどん増える」と、当該案件を的確に解決する必要性を述べた。

▪︎少年は日本に残れる可能性もある

番組には外国人労働者の権利等に詳しい弁護士の指宿(いぶすき)昭一氏が出演。母親だけが帰るという決断をした理由についてはこう分析した。

「判決の中で、ウティナン君を観護する人がいて、本人に在留特別許可を出すかもしれないという記述がありました。

前提は、お母さんが帰る。心から従ったのではなく、苦渋の選択で、日本でウティナン君が勉強できるように、という2人の判断だと思います。監護者が現れる可能性は十分あると思います。

支援者の方もいらっしゃるので、誰かが監護者を引き受けてくれれば十分その可能性はある。

日本に残れる可能性も高い。控訴審、東京高裁の裁判で別の判断が出る可能性もあります。裁判で負けても、裁判後の手続きで、入管に再チャレンジでき、在留特別許可をもらえる可能性はあります」

ここで番組MCのウーマンラッシュアワー村本大輔が、母子が日本国内に一緒に住むことのデメリットを指宿氏に聞いたところ、同氏は以下の見解を示した。

「これはあくまでも入管が言ってることですが、不法に滞在した人に甘い処分をすると、どんどんそういう人が増えるのではという懸念があるということ。もちろんこの言い分を私は全面否定しませんが、人道とか、子供の権利とか、そういうことももう一方で考えなくてはいけない。バランスを取ってケースバイケースで考える必要があります。本件は2人を日本に残してあげるべきだと思います」

ブローカーの仲介で国内に入り、その後不法滞在となり、それ以後生まれた少年は日本に産まれる以外の選択肢は選べなかった。それでいて国籍は与えられず母とは離れ離れになることは個別の事案として捉えるべきでは、ということだろう。

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