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低用量ピルをみなさんはご存知でしょうか。避妊のさいに服用する薬といったイメージが強いかと思われます。
しかし、実は避妊以外にも、女性のみなさん特有のお悩みを解決してくれる万能薬とも言えます。
そこで今回は知っているようで知らない「低用量ピル」について、薬剤師の吉澤先生に解説していただきました。
低用量ピルとは
低用量ピルは経口避妊薬とも呼ばれ、毎日1回服用することで高い避妊効果があり、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が配合されています。
エストステロンとプロゲステロンは、妊娠したときに体内で分泌されるもので、妊娠したときと同じホルモンバランスを作り出すこととなり、脳が妊娠していると勘違いをするため排卵が起きなくなるため避妊効果が得られます。
また、子宮内膜の増殖を抑える作用もあり、PMS(月経前症候群)にも使用されます。
低用量ピルの避妊率
低用量ピルの避妊効果は非常に高く、正しく服用すればその避妊効果は、97%との報告もあります。
低用量ピルの避妊以外のメリット
■規則的月経周期が得られる
■月経前のイライラ(PMS月経前症候群)改善
■子宮内膜症、生理痛、過多月経、月経前症候群等の改善
■子宮内膜症、子宮体がん、卵巣がんの発症頻度が低下
■ニキビ、多毛症の改善
低用量ピルの値段、購入方法、種類
値段
自由診療のため医療機関によって値段に違いがあります。
また、低用量ピルといっても何種類かあるため値段に違いがありますが28日分で2,000円~3,000円前後が一般的な値段です。
購入方法
婦人科を受診し医師による処方が必要です。また、低用量ピルを服用継続する場合は、半年に1度は、血液検査をすることが推奨されていますのでその場合は、別途、血液検査代が必要となります。
種類
プロゲステロンの種類と開発順により4世代に分けられます。
<第1世代ピル>
ピルノルエチステロンというプロゲステロンを含有します。
<第2世代ピル >
レボノルゲストレルというプロゲステロンを含有します。
<第3世代ピル >
デソゲストレルやゲストデンというプロゲステロンを含有します。
<第4世代ピル >
ドロスピレノンというプロゲステロンを含有します。
第1世代、第4世代の低用量ピルは、PMSへの保険適用も認められており治療目的で使用されることが多く、第2世代、第3世代は、避妊・バースコントロールに多く使用されます。
低用量ピルの生理への影響
第1の大きなメリットは、低用量ピルの服用で月経周期がコントロールできることです。女性にとっては仕事やプライベートにおいても予定が立てやすく生活の質が上がるといっても過言ではないでしょう。
また、低用量ピルが子宮内膜の増殖を抑えることで月経量、月経痛ともに軽くなります。
低用量ピルの副作用
■血栓症のリスクが高くなる
■不正出血
■吐き気
■倦怠感
■頭痛
■乳房の張り
低用量ピル服用の注意点
◎副作用の1つである血栓のリスクについては注意が必要です
◎40歳を超えて服用する場合は、医師に相談し定期的に血液凝固検査をするなど十分注意してください
◎低容量ピルを飲むと太るという情報も氾濫しているようですが低用量ピルで太ることはありません
◎妊娠については、低用量ピルの服用を中止すれば、また妊娠できるコンディションに戻ります
◎ピルは性感染症を防止するものではありませんので、性感染症予防には、コンドームの使用が大切です
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吉澤先生からのアドバイス
低用量ピルによって月経をコントロールし月経に伴う体調不良も軽減できることは、女性にとって大きなメリットとなります。
服用をご検討される方は、お近くの婦人科にご相談下さい。
(監修:薬剤師 吉澤 恵理)
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