マイタンブラーをお探しの方、迷ってませんか? 人気商品はどれもデザインが似たり寄ったり、でも価格はそこそこ幅がある。でも気になるのは保冷・保温性能。キンキンに冷えてやがるビールはいつまでキンキンなのか? アツアツのホットコーヒーはいつまでアツアツなのか? ハンダマスターかしま氏にガチ検証してもらいましたよ!

検証したタンブラーについて

今回検証したタンブラーは「Amazon.co.jpの売れセン」「容量450ml前後」「真空構造」を基準に5製品をピックアップ。保冷・保温テストはさらに一般的なビールグラスとマグカップも加えて実施した。価格は購入時のもの。

・① パール金属『真空断熱ジョッキ』450ml / 1,245円
・② ドウシシャ『飲みごろビールタンブラー』420ml / 1,521円
・③ 和平フレイズ『真空断熱タンブラー』480ml / 1,174円
・④ 象印『まほうびんステンレスタンブラー』450ml / 2,279円
・⑤ サーモス『真空断熱タンブラー』420ml / 1,443円

測定方法について

データーロガーにサーミスタ(B=3680,10KΩ)と分圧抵抗を取り付け、割り箸の中央から吊し、上面から5cmの深さの水温を1秒間隔で測定した。校正は別の実験用温度計にセンサーを束ねて適当な温度の水に浸し、同じ数値になるように各chの係数を調整し行ったが、実験用温度計そのものの誤差のほか、計測するすべての温度領域で各chの確度が同一であり得ないことを付け加えておく。なお、オプションとして専用の蓋を持つモデルもあるが、今回はすべて蓋ナシで検証している。

使用した記録ソフト:National Instruments SignalExpress 2013

出典 http://mitok.info

使用したロガー:National Instruments DAQ USB-6008

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使用したサーミスタ:村田製作所 NXFT15XH103FA + プルアップ抵抗 10kΩ(1%)

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※本企画の検証結果はすべての商品で同様の結果を保証するものではありません。個体差等により結果が異なる可能性を踏まえたうえで、購入する際の一材料として参考にしていただければと思います。

というわけで、まずは結果のグラフを並べておこう。

全タンブラー保冷・保温テスト結果まとめ

保冷テスト

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保温テスト

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① パール金属『真空断熱ジョッキ』

【開口径】75φ 【容量】450ml 【Amazon参考価格】1,245円

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エントリー中唯一の取っ手付きモデル。ボディは低めで胴回りが多少大きい。取っ手が無い場合はかなり持ちにくい格好といえる。なお、手で洗う場合は指先が底まで届く程度の深さのため、グラスブラシのような道具を使わずとも洗うことが可能だ。

② ドウシシャ『飲みごろビールタンブラー』

【開口径】61.5φ 【容量】420ml 【Amazon参考価格】1,521円

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エントリーモデル中、開口部の径が最小で、胴回りのくびれがあり、もっとも持ちやすいと感じられた製品だ。 細型の入れ物は持ちやすいかも知れないが、背が高く倒れやすい、洗う時にグラスブラシが必要などのデメリットがある。

③ 和平フレイズ『真空断熱タンブラー』

【開口径】75φ 【容量】480ml 【Amazon参考価格】1,174円

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このタンブラーは横から叩くと響く。だからどうした!? という感じだが、480mlと多少他のエントリー製品より容量大きいためか、胴回りが大きく、大人の男の手でも少々持ちづらい。 開口部も大きく、手を入れても底に指が届くのでブラシ無しでも洗うことができる。

風刺シールははがさない

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すべての真空タンブラー製品の底には、空気抜きのための穴を塞ぐ封印シールがある。和平フレイズ製モデルには「はがさないでください」の警告があるように、他の製品においても封印シールを剥がすのはやめておいたほうが良さそうだ。空気が入って真空でなくなってしまったら、ただの重いコップになってしまうぞ。

④ 象印『まほうびんステンレスタンブラー』

【開口径】76φ 【容量】450ml 【Amazon参考価格】2,279円

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カラーバリエーションがステンレスの素材色のほかにゴールド、青色のラインナップがある。象印マーク付きモデルはタンブラーっぽくなく家電品のようだ。 唇が当たるフチ部分にまで真空層があるので、熱い飲み物を入れた場合でも口当たりが熱くならない設計。製造精度の安定かコストの関係か不明だが、内びんの金属板が底板と側面の筒状に丸めた板を溶接で組立てた構造になっている。

タンク面の接合溶接技術は魔法瓶メーカーならでは?

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他のエントリー製品はすべてインパクトプレス加工(だと思う)の成型方法を採用している。円柱状の金属の塊をコップの形の金型に高圧で押しつけて成型する加工技術だ。開口部は 68mmφとエントリー中、中堅の大きさだが、大人の手でも指が底まで届き、手で洗うことができる。

⑤ サーモス『真空断熱タンブラー』

【開口径】68φ 【容量】420ml 【Amazon参考価格】1,443円

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強度と腐食耐性も売りの製品のようで、エントリー中唯一食洗機とつけ置き洗いがOKとなっている。 形は細手のため、男の手で洗う場合はグラスブラシが必要と思われる。 保温性能の方はエントリー中も秀でる値もなく、いたって平凡な結果。

ベストは象印『まほうびんステンレスタンブラー』 !

【保冷】1時間後温度 5.5 → 9.9℃(+4.4) 【保温】1時間後温度 81.9 → 53.1℃(−28.8)

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総合力で象印『まほうびんステンレスタンブラー』をベストタンブラーに選んだ。魔法瓶と言えば象印、日本人なら知らぬ者はいないほどの知名度と信頼性。飲み口のフチ部分まで二重構造となっており、熱い飲み物でも安心して口につけられる。総じて保冷性能が高い点、胴が細すぎず底まで指が届いて洗いやすい点などを踏まえてのベストだ。 カラーも選べておしゃれ感も併せ持つが、唯一の2,000円超えという価格が難点だろうか。

全タンブラー保冷テスト結果

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入れ物の持つ温度により、特に裸グラスの群では、水を入れた瞬間から温度が違う。1時間までの値は誤差の範囲から逸脱できる値ではないが、以後の温度変化は、ドウシシャ&象印のグループと、パール金属・和平フレイズ・サーモスのグループに別れた。温度の逃げ口である開口部の径の小さいドウシシャ製が良値となった。

全タンブラー保温テスト結果

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ビールグラスは薄いので保温試験は参加棄権。裸グラスのマグカップはお湯を入れた瞬間に7℃以上降下している。保冷の時は冷たい水は底に溜まるため、開口部に近い水が温められても対流しないので保冷は比較的良好だが、保温の場合は温度の高い水が開口部に近い水面に上昇してくるのに加え、水面から逃げる揮発熱により温度が下がり、より悪条件となる。開口部の小さいドウシシャ製の良値が顕著になる。タンブラーでの保温にはフタが必須と言える。

【次点】コスパで選ぶならドウシシャ『飲みごろビールタンブラー』もアリ!

【保冷】1時間後温度 5.6 → 9.9℃(+4.3) 【保温】1時間後温度 82.6 → 56.9℃(−25.7)

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象印製とほぼ変わらない保冷性能を持ちながら、価格が1,000円以上も安く、口径が細いので手で持つのも楽ちん。日ごろ熱いものはあまり飲まない、フチの二重構造とか要りません、という人はコレでまず問題ないだろう。

残念賞……サーモス『真空断熱タンブラー』

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保冷検証では象印&ドウシシャグループ以外のモデルはどんぐりの背比べのため、残念賞とするには少々気の毒な気がするがサーモス製を選んだ。420mlと容量がやや少なく、価格も割高感(1,443円)がある、細身の胴回りのため男の手では洗いにくいのが理由。 ただし、食洗機が使えるのはサーモスだけなので、食洗機ベースで選ぶ場合はサーモス一択となる。また、保温のための専用カバーなどが充実しているのはサーモスならではだ。

タンブラー検証の総括

真空タンブラーの保冷(温)性能は、真空部の断熱性能よりも、開口部の径の大きさにより影響を受けるようだ。 温度グラフでも開口径の小さい製品が良値になっている。

熱が逃げてゆくのは開口部からということだから、あるいは断熱できるフタを付ければ、さらに保冷性能を稼ぐことが可能だろう。 検証した製品の中にはオプションとして、飲み口部のある保温フタを用意したものもある(サーモスなど)。フタは熱い物の保温には揮発熱を防ぐため特に効果があるだろう。

また、フタの無いタンブラーグラスはどんなシチュエーションで使われるか。飲み物を注いでから数十分の間には飲み終わってしまう場面が容易に想像でき、注いでそのまま何時間も置くようなことはあまりないだろう。

すぐ飲み終わる場面を想定して、1時間以内の温度変化のグラフを見てみよう。ビールグラスとマグカップはほとんど温まってしまっているが、真空タンブラー製品はどれも1時間後までの温度上昇は 4~5℃程度で、互いの性能差は 1℃とちょっと程度となっている。

ちなみに、5時間経過するまでの長時間値を含めると、象印・ドウシシャの2製品とそれ以外といったグループに別れた。測定誤差に比べると完全に有意とは言えない差ではあるが、2製品の保冷性能は他より良値だ。

保冷時間が1時間以内という条件下の場合、差は僅かで、実質的には、裸グラスではない真空タンブラーなら、どの製品を使ってもほとんど一緒という感じだ。 裸グラスと真空タンブラーでは保冷性能は雲泥の差があるが、各社の真空タンブラーの保冷性能はどれもそこそこ良い。

つまらない結論ではあるが、最後は形や使いやすさ、価格で選ぶのが実質的な選択方法となるだろう。

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