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医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
最近「プリン体off!」と書かれたビールが増えてきましたね。

プリン体といえば痛風の原因として知られていますが、「痛風はおじさんの病気だから自分には関係ない」と思っていたら大間違い。筆者の友だちも28歳にして痛風になり、ビールは必ずプリン体オフを選んでいるそう。

実はいま食文化の変化により、20代でも痛風持ちが増えているんです。

さらにビールなどだけではなく、エナジードリンクをよく飲む、運動不足で仕事ではストレスを抱えがち、そんな働き盛りの20代のみなさんの生活習慣には痛風を招く危険性が。

そこで今回は痛風経験者の方に痛風の症状をうかがいつつ、20代からはじめたい痛風予防についてご紹介いたします。

「靴を履くだけで激痛が走る」痛風の激痛エピソード3選

まずは、痛風とはどういった病気なのか、痛風経験者に簡単に電話取材をさせていただいたものが下記になります。

・「まるで骨折でもしたかのような痛さ」1人目:Sさん(26歳)
Sさん:僕は料理人をしているので、仕事柄プリン体を多く含むものをよく食べるんですよね。それでこの若さで痛風になっちゃって。

最初は骨折したかと思いました。歩くことはもちろん、呼吸するだけでも足が痛むんです。
だから移動するだけでも一苦労。靴を履くだけでもピキッと激痛が走るくらいで、まともに歩くことすらできないですからね。ちょっと歩いては痛みで立ち止まる、気持ちが落ち着いたらまた歩く。ぜんぜん進まないですよ。仕事にも支障をきたします。痛風なんてなるもんじゃないですね。


・「足の指を切り落とした方がラク」2人目:Oさん(28歳)
Oさん:痛風になって何が最悪かって、痛みでぜんぜん寝付けないこと。足の親指がもう痛くて痛くて、なんとか寝れたと思っても、また数時間後には痛みで目が覚めちゃう。足の指を切り落としたいくらいです。

痛風って「風が吹いても痛いから痛風」って書くのに、風が吹かなくても痛い。常に痛い。ホント、「うぁぁぁー!」って思わず叫びたくなりますよ。寝不足なのに毎晩痛みがやってくるから、意識がもうろうとして気を失いそうな日々です。


・「痛み止めなんて効かない。まるで拷問かのような激痛」3人目:Tさん(33歳)
Tさん:よく痛風の痛みって「傷口にキリを刺されてグリグリされる痛さ」とか「足の指をペンチではさんで締め付けられる痛さ」とか言いますけど、ウソじゃないですよ。本当にその通り。なにかの拷問かと思うくらい、激痛が走る。痛み止めの薬飲んでも、ぜんぜん効かない。

仕事なんかいけないです。風邪とかならまだ頑張って会社行けますけど、痛風発作でたら動くことすらできないですから。そもそも立てない。車いすを借りたいくらい。トイレも這いつくばって行きましたからね。

プリン体がダメって言うけど…痛風の原因と症状とは

みなさんのエピソードを聞いているだけで、足の指がうずうずしてきてしまいました……。痛風、相当痛そうです。では、痛風にならないためには、どうすればよいのでしょう。痛風の原因と症状について調べてみましょう。

プリン体が分解されて生成される尿酸が結晶化し痛みの原因に

「痛風の原因はプリン体」とよく聞きますが、実際はプリン体が肝臓で尿酸に分解され、その尿酸が結晶化することで痛風は発症します。

尿酸結晶は通常人体に存在しない物質のため、体は異物としてとらえ、白血球が活動。しかし活発化した白血球からは化学物質が発生し、毛細血管を拡張させます。そうすると、毛細血管が多く集まる足などが大きく腫れ上がり、神経を圧迫して痛みを引き起こすのです。

また、先述のエピソードでもありましたが、痛風の痛みは夜にやってきます。一日の疲れが蓄積すること、夕食により尿酸値が高まること、また夜になり副交感神経が活発になることで血管が拡張しやすくなるため、夜に痛風の痛みは起きやすいのです。

ちなみに痛風患者の9割は男性。これは女性ホルモンが尿酸の排泄を促す機能があるため、女性の方が尿酸値が低くなりがちだからです。男性のみなさん、痛風の激痛エピソードは他人ごとではなく、明日は我が身かもしれませんよ。

健康な人よりも寿命が10年縮む?!痛風が本当に怖い理由

痛風が怖いのは、痛風発作による激痛だけではありません。尿酸値が高いことで引き起こされる様々な合併症です。

まず起こりやすいのが、腎臓病。尿を排泄するのに活躍する腎臓ですが、尿酸値が高いと腎臓への負荷が相当かかっている状態になります。その状態が長く続くとしまいには腎不全となり、末期は人工透析か腎臓移植が必要になります。

そして痛風は、その食生活から肥満や高血圧、糖尿病などにかかりやすくなります。こういった生活習慣病は脳卒中や心筋梗塞などを引き起こしますので、痛風患者は「健康な人間よりも寿命が10年縮む」なんて言われることも。

痛みだけではなく、寿命にも影響してくる痛風という病。できることなら予防して、痛風とは一生無縁でいたいものです。

痛風にならないために!20代からの予防法まとめ

それでは、痛風にならないためにどういったことを心がければよいのか、まとめてみました。痛風にかかりたくない!という方だけ、ご覧ください。

1. プリン体を多く含む食べ物は避ける

プリン体は肝臓で尿酸へと分解されます。すなわち、肝臓はプリン体が集まる臓器。レバーなどの肝臓系の食べ物はプリン体を多く含むので要注意です。また魚の干し物にもプリン体は多く含まれています。プリン体は水溶性のため、煮干しラーメンは高プリン体食品。スープまで飲み干す、といった行為は痛風体質の方にとってはもはや自殺行為です。

しかし、実はプリン体は食事からの摂取よりも、体内で生成するほうが多いということがわかっています。8〜9割のプリン体は体内で生成されているのだとか。新しい細胞が生まれるとき、つまり新陳代謝を行っているときにプリン体は生み出されます。

そのため、食事で気をつけるべきは過度なプリン体制限ではなく、次以降にご紹介する生活習慣や尿酸を輩出するための食事です。

2. 一日2リットル以上の水を飲む

尿酸は字の通り、尿として排泄されます。水分不足だと血中の尿酸値は上がる一方ですので、積極的に水分補給を心がけましょう。

特にアルカリイオン水がおすすめ。尿酸はアルカリ性の液体に溶ける性質があるため、尿酸の排泄を促します。コーヒーなどの利尿作用がある飲み物も尿酸を排泄する上では非常に効果的ですが、一方で利尿により水分不足になりがちなため、積極的に水を飲むことも忘れずに。

3. 海藻類などのアルカリ性の食べ物を摂取する

尿酸を効率的に排泄するために、アルカリイオン水だけでなく、普段の食事もなるべくアルカリ性のものを摂取したいところ。現代の肉中心の食生活は酸性に傾いているため、ほうれん草やにんじんなどの緑黄色野菜、海藻類や大豆食品といったアルカリ性食品を積極的に食べましょう。

逆に野菜をほとんど食べない食生活は、痛風への道を確実に歩んでいることになりますので、注意しましょう。

4. アントシアニンを含む食べ物を摂取する

尿酸分解効果のあるアントシアニン。ブルーベリーやアサイーベリー、黒豆やナスに多く含まれており、こちらも積極的に摂取したいですね。

ただブルーベリーなどを日常的に摂取するのが難しければ、サプリで摂取しましょう。

5. アルコールは適量を

ビールにプリン体が含まれている、などと言いますが、プリン体のないアルコールでも尿酸値を上げる作用があるんです。

まずアルコールを分解するときに、プリン体の合成を高めます。アルコール分解によって生まれる乳酸は、尿酸の排泄を妨げる性質も。さらに、利尿作用があるので、お酒の量に見合った水分補給をしていないと血中の尿酸値は上がる一方。
暴飲暴食ほどカラダに害を及ぼすものはありません。痛風予備軍のお酒好きな方は、ぜひ適量で楽しむよう心がけてください。

6. ストレスを溜めない

ストレス自体が尿酸を増やすと言われています。またストレスが溜まるとアルコールを飲んでしまったり、暴飲暴食でプリン体を多く摂取しまったりと、悪循環の引き金に。
リラックスする習慣を身につけましょう。

7. 有酸素運動で肥満を解消する

肥満を解消すると尿酸値が下がるという研究結果があるそう。しかし、激しい運動は尿酸値を高めてしまいます。また、急激な減量は尿酸値を高めて痛風発症の原因となってしまうことも。食事量を少し減らして、ウォーキングやジョギングといった有酸素運動を合わせて行うことでゆっくりと肥満を解消しましょう。

8. 外食するなら和食を!

食の無形文化遺産に登録された和食、実は医学界からも注目が集まっています。ご飯に味噌汁、お魚に野菜やひじきなどの煮物、こういった典型的な和食はプリン体が少ないですし、食物繊維もたくさんあって便秘の予防にもつながります。便秘になるとせっかく排泄された尿酸が再度吸収されることが知られており、尿酸の高い方には食物繊維を多くとることが大切です。

≪あと1杯…ついつい飲み過ぎていませんか?≫
痛風を防ぐにはアルコールの量から見直して!【アルコール依存度】チェック

【おわりに】少しでも痛風かな?と思ったら内科へ相談

以上、痛風エピソードから痛風対策までご紹介してきました。痛風エピソードを読んでいると、本当に「痛風にはなりたくないな」と思いますよね。

しかし、現代の生活には痛風の罠がたくさん。日本では明治時代以前は痛風という病気はなかったとされているくらい、食生活の欧米化に伴っておこった現代病とも言えるでしょう。

健康診断で尿酸値が高いと指摘された方は、痛風対策に気をつけるとともに、要精査・要治療といわれた方は、発作を起こす前に早めに内科を受診して必要に応じて薬物治療を行いましょう。

そして万が一「これ痛風?」と思うことがある場合、何科へ受診すればよいのか。はじめは骨折かもと思われるかもしれませんが、痛風に思い当たる節があれば「内科」で受診してください。少しでも早めの治療が大切ですよ。それでは、また!

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