記事提供:日刊大衆

時空を超えて、あのエースとあの強打者が対決!?「1951年7月4日、ここ阪神甲子園球場で、その第1戦が開催されたセ・パ対抗のオールスターゲーム。あれから××年。今宵、歴代のスター選手が集結。

究極のドリームチームによる史上最大の夢の球宴が、ついに幕を開けます!」こんな実況アナウンスとともに、もし「史上最大の夢の球宴」が開催されるとしたら、はたして両軍のベンチには、どのような顔ぶれが並ぶのか――。

ただ単純に生涯成績の高い順に選手をセレクトするのでは、芸がない。過去のオールスターゲームで名場面を演出したプレーヤーにも目を向けながら、現行の規定に基づき、各28人を選んでみることにしよう。

まずはセ・リーグの投手。なんといっても400勝投手の金田正一は外せない。引退時の所属は巨人だったが、ここはプロ通算353勝をマークした国鉄の一員として、先発のマウンドを飾ってもらいたい。

球界を代表するエースが居並ぶ巨人からは、江川卓と桑田真澄を選出した。

「ピッチャーとしての実績を重視すれば、別所毅彦や堀内恒夫らに落ち着くんでしょうが、8連続奪三振(84年)の江川と、清原和博との一連の『KK対決』が話題を集めた桑田はメンバーに入れたいよね」(スポーツ紙ベテラン記者)

8連続の江川が選ばれるなら、9連続奪三振(71年)の江夏豊ももちろん当確。ザトペック投法の村山実とともにタテ縞のユニフォームに袖を通してもらおう。中日からは「燃える男」星野仙一と「生ける伝説」山本昌。

DeNAは前身の大洋からカミソリシュートの平松政次。そして「大魔神」こと佐々木主浩には最終回を任せたい。こちらも清原との対決に注目だ。広島も好投手が目白押しだが、メジャーで5年連続2ケタ勝利を挙げた黒田博樹の右腕に託したい。

ヤクルトからは90年代に、高速スライダーで一世を風靡した伊藤智仁を選出した。

「1年目の93年に前半戦だけで、7勝4完封と活躍しましたが、7月に右ヒジを痛め、球宴には出られなかった。一度はオールスターで投げさせたかったピッチャーですね」(スポーツライター)

捕手は江夏の女房役・田淵幸一と、92年に球宴史上初のサイクル安打を達成した古田敦也で文句なしだろう。

プロ通算3021試合出場の谷繁元信も選びたかったが、コーチとしてのベンチ入りでご容赦願いたい。もう一人のコーチは阪神の歴史上、唯一の日本一監督である吉田義男。監督はV9指揮官の川上哲治以外には考えられない。

セ・リーグの野手陣は、プロ1年目から引退シーズンまで17年連続でファン投票1位となった「ミスター・プロ野球」こと長嶋茂雄、球宴では歴代2位タイの13本塁打を放っている王貞治、そして、4試合連続本塁打の球宴記録を持つ松井秀喜の巨人勢を中心に選出することにした。

その他の球団からも、75年の球宴で「赤ヘル旋風」の出発点となる2打席連続アベックホームランをマークした山本浩二と衣笠祥雄、さらに78年に球宴史上初の3打席連続本塁打を放った掛布雅之と、豪華な顔ぶれが揃う。

団塊の世代からは、ともに二度の首位打者に輝いた実績を持つ谷沢健一と若松勉。現役組からは「トリプルスリー」の山田哲人、驚異的な守備力を誇る菊池涼介、これからの日本打線を背負う筒香嘉智を推したい。

そして遊撃手は…。「33試合連続安打の日本記録を持つ高橋慶彦で、どうでしょうか。菊池との二遊間コンビを見てみたいですね」(スポーツ紙若手記者)ここに二度の三冠王・バースと、60発男のバレンティンが加わる。

「あと、川藤幸三も代打枠で入れたい。86年の第2戦に代打で登場し、ヒットを打ちながら二塁で、ゆうゆうアウトになった“幻の二塁打”には笑わせてもらいましたわ」(夕刊紙デスク)打順は2番に山本浩二を置く超攻撃的オーダー。

山本は歴代1位の通算14本塁打を球宴で放っている。

続いてパ・リーグ。投手陣には日米を股にかけた男たちが並ぶ。現在へと続く道を切り拓いた「ドクターK」こと野茂英雄を筆頭に、松坂大輔、ダルビッシュ有、田中将大。「日本最速男」の大谷翔平も、やがて、この道を歩くことになるはずだ。

往年の名投手からは球宴通算勝利数が歴代1位(7勝)のアンダースロー・山田久志や「草魂」鈴木啓示、マサカリ投法の村田兆治を選出。

近鉄の監督でもあった鈴木とピッチャー・野茂の確執は有名な話だが、そこは「鉄腕」稲尾和久にキッと目を光らせてもらおう。

ヤクルト・伊藤とのスライダーの投げ合いにも注目が集まる稲尾だが、万が一、「神様、仏様、稲尾様」でもベンチ内のピリピリが収まらないようなら、工藤公康の盛り上げ力に期待しよう。なお、西武出身の工藤だが、バランスを考慮してダイエーでの出場となる。

工藤といえば91年の第2戦。延長12回に外野を守っている。西武・秋山の負傷退場もあり、控えの野手が不在となったために発生したハプニングだった。なお、この試合がきっかけとなって、92年からは延長戦が廃止されている。

さて、ここまで10人の投手は全員が先発タイプ。抑え役もメンバーに加えたいところだが。

「山口高志でしょう。70年代半ばの阪急に黄金時代をもたらしたダイナミックなフォームからの剛速球を、ダルビッシュや大谷の前で披露してもらいたいです」(前出のスポーツライター)

捕手は野村克也が貫録のメンバー入り。球宴通算21回出場、同じく48安打は、ともに歴代1位の数字だ。

元西武の伊東勤や元ソフトバンクの城島健司らも選出に値する捕手だが、もう1枠は嶋基宏に与えたい。楽天代表として、また、ノムさんのボヤキ節の聞き役としても適任だろう。

同様の理由から、コーチにはドン・ブレイザーを呼び寄せたい。野村いわく、「ID野球の源流はブレイザーにある」。選手たちに、どのような策を授けるか。監督は「悲運の名将」として知られる西本幸雄。

8度の日本シリーズで一度も勝てなかった悔しさを、この舞台で晴らせるか。もう一人のコーチには仰木彬を配した。西鉄出身でパ・リーグひと筋。イチローや清原とも浅からぬ縁がある。

その清原は86年の第2戦、大洋の遠藤一彦から大阪球場のレフトスタンド上段に豪快弾。高卒ルーキーとしてはオールスター史上初となる本塁打によって、最年少MVP(18歳11カ月)を獲得。通算7度のMVPは歴代1位だ。

そんな栄光も今となっては遠い昔の話に聞こえるが、希代のお祭り男をラインアップから除外するわけにはいかない。他の野手陣には、パ・リーグの顔とも言える猛者が名を連ねる。

元祖「18歳の4番打者」であり、西武のコーチとして清原の指導に携わった土井正博。80年代に西武黄金時代を築いた石毛宏典。

球宴通算打率0.365が清原と並んで1位(100打席以上)の落合博満は、ロッテ時代の81、82年にベストナインを受賞している二塁手で起用したい。

激戦区の三塁には「怪童」中西太を推したい。「平和台球場のバックスクリーンを越えていった一発が、160メートル弾として伝説になっている。試合前のホームラン競争にも出てほしいね」(前出のデスク)

東京ドームの天井スピーカーに打球を当てたことがあるブライアント、横浜スタジアムの電光掲示板への直撃弾で規格外のパワーを見せつけた柳田悠岐らとの飛距離合戦は見ものだ。

その柳田はおろか、走攻守3拍子兼ね備えた秋山幸二でさえ、スタメンを外れかねない層の厚さを、パ・リーグの外野陣は誇る。

プロ通算1065盗塁の福本豊を中心に、レフトには04年の球宴でホームスチールを決めたSHINJO。そして、ライトにはもちろんイチロー。

通算3085安打のプロ野球記録を保持する張本勲は、指名打者に回ってもらった。「喝!」と言われそうではあるが。

「イチローにはぜひまたマウンドに立ってもらいたい。キャッチャーはノムさんで(笑)」(前出の若手記者)

96年に実現した「投手・イチロー」。だが、このときはセ・リーグの野村監督が松井に代打・高津臣吾(ヤクルト)を送り、やや拍子抜けに。今回はどうなるのか!?

84年に江川の9連続奪三振を阻止した大石大二郎、さらに74年の第1戦でヤクルトの松岡弘から球宴史上唯一の代打逆転サヨナラ本塁打を放った高井保弘は「代打枠」でメンバー入りした。現役組の中田翔にはパ・リーグの伝統を継承させたい。

かくして完成した究極のドリームチーム。決戦の舞台は甲子園球場。

日本全国から野球ファンが殺到することは間違いない。始球式――、一塁側ベンチから姿を現したのは、なんと沢村栄治。三塁側ベンチから打席に向かうは、これまた驚きの大下弘。手に握られているのは青バットだ。

沢村の快速球を大下が豪快に空振りして、いよいよプレーボールの瞬間が近づいてきた。パ・リーグの先頭打者、SHINJOがバットの先端をレフトスタンドに向ける。

「この小僧が!」と、金田が吠える。球審の右手が上がった。史上最大の夢の球宴。勝負の行方や、いかに――。

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