記事提供:ORICON STYLE

2人組音楽ユニット・ケロポンズの歌う「エビカニクス」が注目を集めている。同曲は、エビとカニという日本人が好きな2大甲殻類について歌い、その特徴的な動きを振りに取り入れた、歌って踊って楽しめる“キッズソング”。

曲が生まれたのは2001年。わずか1000枚の自主プレスによるスタートだった。そこから15年という年月を経てのブレイク。その裏側には何があったのだろうか?

4年前の動画投稿を機に今夏メジャーデビュー、一気にお茶の間に浸透

「エビカニクス」が子どもたちに大人気!ケロポンズのケロちゃん(前)とポンちゃん。

ケロポンズは、ケロちゃん(増田裕子)とポンちゃん(平田明子)による2人組のユニット。

1999年の結成以来、子ども向けの歌の作詞、作曲、振付を手がけ、子どもとのふれあいや遊びの紹介記事の執筆、絵本の創作、親子コンサートや保育士・幼稚園の先生を対象にした保育セミナーなども行ってきた。

ケロちゃんは、国立音楽大学教育科幼児教育専攻を首席で卒業後、4年間の幼稚園勤務を経て音楽活動を開始。ポンちゃんも、5年間の幼稚園勤務の後にこの世界に入っており、2人とも子どもの育成に関する知識は豊富。

作詞・作曲を手がけた歌や考案した遊びは、1000作品を超えるという。ちなみに、2014年にはくまモンに楽曲を提供し、振付も担当。2013年からは4年連続で『フジロックフェスティバル』に出演してもいる。

ケロポンズのメジャーデビューアルバム『おどってあそぼう!!ケロポンズBEST』(7月13日発売)

そんな2人が生み出した「エビカニクス」は、発表当初より子どもたちに親しまれるなど、ケロポンズの代表曲ではあったが、より広く一般へと知れ渡り始めるのは、2012年4月にYouTubeで動画を公開したことがきっかけ。

キャッチーなメロディとダンスがネット発信で人気を拡大させ、その動きに音楽関係者が動きメジャーデビュー(今年7月)が決定。

それに歩調を合わせるように、5月27日に『ミュージックステーション』(テレ朝系)の「Mトピ」コーナー、6月1日に『スッキリ!!』(日テレ系)、21日に『めざましテレビ』(フジ系)、28日に『ノンストップ!』(フジ系)、30日に『ZIP!』(日テレ系)、7月18日に『とくダネ!』(フジ系)といった情報番組で相次いで取り上げられることとなった。

YouTubeの再生回数は1500万回に迫る勢いを見せ(9月18日現在)、7月13日発売の、同曲を含むケロポンズのメジャーデビューアルバム『おどってあそぼう!!ケロポンズBEST』もロングセラー化の気配を見せている。

「エビカニクス」の魅力とヒットした歴代キッズソングとの共通点

「ようかい体操」は人気を受け、昨年6月に第2弾となる「ようかい体操第二」が発売された。

振り返ってみると、これまでにもキッズソングのヒットは定期的に生まれてきた。2000年以降でも「おさかな天国」(2003年)や「おしりかじり虫」(2005年)、「たらこ・たらこ・たらこ」(2006年)、「マル・マル・モリ・モリ!」(2011年)、「ようかい体操第一」(2014年)といったところが、オリコン週間シングルランキングでTOP10入りを果たしている。

さらに言うなら、日本音楽史上最も売れたシングルと言われる「およげ!たいやきくん」も子ども番組から生まれたキッズソングであり、200万枚超えを果たしたメガヒットの「だんご3兄弟」や「黒ネコのタンゴ」もまた子どもの支持を獲得した大ヒット曲である。

では、これらの代表的なキッズソングと「エビカニクス」の共通点とは何だろうか?ひとつ目として「親しみやすさ」が挙げられる。

「~たいやきくん」や「だんご~」「おさかな~」「たらこ~」などに代表される、日ごろからよく目にしている食べ物をほどよく擬人化することで、身近さを増幅させている点。

「だんご~」「おさかな~」「おしり~」「たらこ~」「マル・マル~」「ようかい~」などに見られる、同じワードを繰り返し歌うことで、耳に残りやすい点などは「親しみやすさ」を誘発しやすいポイントとなるだろう。

8月には映画『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』のイベントにケロポンズが登場!子どもたちと共に、この日限定の「エビカニクス タートルズVer」を披露 (C)ORICON NewS inc.

2つ目は「体で覚えてしまう」ということだろう。多くの曲はテレビの子ども向け番組やアニメなどを通し、そのメロディと映像がセットとなって子どもたちの記憶に擦り込まれてきた。

「マル・マル~」や「たらこ~」「ようかい~」などはそこに分かりやすいダンスも加わって、視覚と自らの動きで体中に音楽を染み込ませることに成功した例だ。「エビカニクス」ではそのメディアがテレビからネット(YouTube)へと変化を遂げた点でも新たなキッズソングのアプローチとして捉えていいだろう。

何より、オリジナルの視聴回数増加を受けて、飛躍的に増えている“踊ってみた”動画など、拡散効果が勢いを後押ししそうだ。

そして、3つ目が「親子を巻き込む力」だろう。キッズソングが子どもだけのものにならないこと、それこそが国民的ヒットへとつながる分岐点となる。

「~たいやきくん」「だんご~」「マル・マル~」に代表されるように、子どもが見ていた曲の映像を親が見て一緒になって楽しむことができるのが、ファンの裾野を広げていく上では重要だ。

前述したように、『Mステ』でピックアップされたことで若い音楽ファンにも曲の存在が伝わり、『めざましテレビ』や『スッキリ!!』といった朝のワイドショーで取り上げられことが、主婦層やサラリーマンにまで認知度をアップさせた。

15年前の知る人ぞ知る曲の頃から親しんでいた“元キッズ”にとっては、時空を超えての再会となったことだろう。

あらゆる世代を飲み込んで、「エビカニクス」は今年後半に向けさらなる話題曲へと成長していく可能性も。大みそかの歌の祭典『NHK紅白歌合戦』で披露される――なんてことも夢ではないかもしれない。

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