ネットやテレビで話題のニュースに関して、編集部が独自の切り口で取材調査をする「ソコ行く!?ソレ聞く!?取材班」のコーナー。

今年に入って、何かと話題になった「不倫」や「浮気」。なぜ、ダメだとわかっていてもこのような行動をとってしまうのでしょうか。そして、そんな欲求を抑えるにはどうすればいいのでしょうか。文筆活動でも活躍する月読寺の僧侶・小池龍之介さんに伺いました。

「心が乱れているとき、浮気心は生まれる」

出典Spotlight編集部撮影

最初に「どうして人は浮気したいという気持ちを持ってしまうのか?」ということについて考えてみましょうか。

人が浮気したい、つまり現在のパートナー以外に惹かれてしまう、関係を持ちたいと考えてしまうときとは、自分自身の心が乱れている状態のときです。心が乱れている状態というのは、パートナーとの関係だけでは埋まらない寂しさを感じていたり、もっと多くの人から認めてもらいたいという欲求を抱えていたりするときですね。その心の乱れを、今の生活にない新しいもので埋め合わせたいと考えてしまうため、パートナー以外の人に対する関心、「浮気心」が生まれるのです。

ちなみに心の乱れの発露は浮気に限りません。人間は心の乱れ、すき間を他の何かで埋めたいとつい考えてしまいがちですから、浮気してしまうケースもあれば、お酒に逃げる人、浪費やギャンブルにはまる人もいますね。

でもそんな状態になったとき、思い返してほしいのが「浮気することで本当に自分は満たされるのか?」ということです。自分が浮気をしたことをパートナーが知ってしまったらどうなるでしょう。ウソをついてごまかすことが必要でしょうし、パートナーを悲しませたり、好きだったはずのパートナーと言い争いになってしまうかもしれません。そうすると結局は、以前より苦しい状況に自分を追い込むことになる。心の乱れを鎮めようとした結果、また別の心の乱れを生むのです。

こうして見ると、全く合理的じゃないですよね。ちょっとバカバカしくさえありませんか?浮気は合理的ではないし、コストパフォーマンスが非常に悪い。衝動的で愚かな行為だ、と自覚することが浮気をしないための第一歩です。

「心を丁寧に分析すれば、浮気心もしらけていく」

最初に挙げた、人間が浮気したくなる気持ちをもう少し分解してみましょう。「浮気をしたい」と感じるための原因は大きく分けて3つあると考えられます。

まずは、パートナーから得られる刺激に満足できなくなったとき。パートナーとの関係も、最初の頃は笑いかけてくれるだけで嬉しかったり、会話をするだけで楽しかったりと、ほんの少しのことでも心が満たされたはずです。しかし、笑いかけてくれる、会話ができる、といった刺激には次第に慣れてしまう。すると別の人から新しい刺激を得たいと考え、浮気につながります。

また、パートナーからだけでなくより多くの異性から承認されることで、「自分は価値ある存在なのだ」と、自信のなさを埋め合わせようとすることもありそうです。“経験人数”の多さをステータスであるかのように語る人がよくいるでしょう。ああいった行動がいい例です。より多くの人に好かれたい、求められたい、いわゆる「承認欲求」のために、際限なく他の人からの愛情を求めていく場合もあります。

あるいは、パートナーへの復讐心から浮気をしてしまうこともあるでしょう。たとえばパートナーが最近冷たいとか、自分に時間を使ってくれなくなったなど。パートナーに傷つけられ自分の価値を下げられたという不満から、浮気することでパートナーの価値を下落させてやろう、と無意識に考えてしまうのでしょう。

人が浮気をしたくなる原因はこの3つのどれかか、複数の組み合わせ。みんなだいたい似たようなもので、そのとき特別素敵な人が現れたから、というようなことはあまり関係がありません。条件がそろえば、誰でも浮気のスイッチが入ってしまうのです。

浮気をしたい、と感じたときはこの条件を思い出しながら自分がなぜ浮気をしたいと感じているのか、ちょっと心を分析してみてください。そうすると「なんだ、本当に好きな人が現れたわけじゃないんだ」「自分はちょっと寂しいと感じていただけなのかも」と気が付くことができるはず。突き詰めて考えていく過程で、きっと燃え上がっていた浮気心もしらけていくのではないでしょうか。

「心と身体のセンサーを敏感に保つのが最良手段」

出典Spotlight編集部撮影

人間は放っておくと刺激に対して鈍感になるものです。パートナーのことを好きだと思っていても、同じ刺激では満足できなくなってしまう。強い刺激を求めて浮気をして、その強い刺激を得ることでさらに感覚はマヒしていきます。刺激に対する感覚がマヒするにつれて、自分の心や他者の心が傷つくことへも鈍感になってしまいます。

そんな状況に陥らないために必要なのは、普段から自分の心と身体のセンサーを敏感に保つことです。

たとえば、ウソをついたときにちょっとお腹のあたりに押さえつけられるような感覚があったり、誠実でない行動をとったときに胸が締め付けられるように感じることはありませんか?それは心の乱れが身体の苦しさとして表れてきているサイン。心と身体って、普段私たちが思っているよりもつながっているんです。その感覚を常に意識して、感じられるようにしましょう。目を閉じて、あれこれと考えず、「今自分の身体はどんなふうに感じているだろうか?」と問いかける時間をつくってみてください。

心と身体のセンサーが正常に機能していれば、浮気をしそうになったときに「今よくないことをしている」ということが、心のみならず身体でも気持ち悪さを感じられるはずです。そうすれば、「ああ、これはやめておいた方がいいことなんだ」と気がつけます。自分の状態を詳細に感じとれるように、心と身体を敏感に保つ努力をしましょう。それが浮気をしないための最良手段です。

(小池龍之介)

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ギリギリ昭和でゆるゆるゆとり世代。「わからないことは人に聞けば大体教えてもらえる」がモットーの、人物取材系の企画が好きなフリーランスのライターです。記事・企画とは全く関係なくとも、取材した人のグッとくる一言を収集する趣味があります。

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