秋葉原で1964年に創業し「唯一無二のとんかつ」が食べられる店として愛されてきた老舗とんかつ屋が、2016年9月28日を最後に閉店することが判明し、グルメ業界とオタク業界に大きな衝撃を与えている。

・あらゆる揚げ物を定食として提供

そのとんかつ屋は「冨貴」(ふき)といい、約50年ほど秋葉原のど真ん中で営業を続けてきた。とんかつ、白身魚フライ、イカ、エビ、カニクリームコロッケ、あらゆる揚げ物を定食として提供し、秋葉原で働く人たちの胃袋を満たしてきた。

・街が変わり過ぎた

その店構えはもちろんのこと、おばあちゃんが数人で切り盛りしている狭い店だったことから、まったく秋葉原の雰囲気にマッチしていない存在ともいわれていた。

しかしながら、秋葉原がオタクシティになる前から秋葉原で営業を続けているとんかつ屋であり、40代のオタクですら生まれていない時代からとんかつを揚げ続けてきた名店。

よって「年季の入ったとんかつ屋がミスマッチ」なのではなく、むしろ「街が変わり過ぎた」といったほうが適切である。

・ラブライブの聖地

ここ最近では、人気作品「ラブライブ」にも登場したとんかつ屋としてオタクたちから熱い注目を集め、まさに「ラブライブの聖地」としてあがめられる存在になっていた。

それゆえ、日本のみならず、海外からもラブライブファンがとんかつを食べに訪れることもあるようだ。

・肉汁を蒸発させずにギュギューッと凝縮

なにより、ここのとんかつには、他店では体験できない極上の美味しさがある。極めて薄切りにスライスされた豚肉を低温でサッと揚げ、肉汁を蒸発させずにギュギューッと内部に凝縮。

極厚のとんかつにも負けない、旨味エキスを堪能できるのである。オススメはロースとんかつや上ロースとんかつ。カニクリームコロッケも人気のメニューである。

・薄切りで美味しさを追求

ここだけの話、「冨貴」は、とんかつ屋としてグルメ業界で一目置かれる存在だった。とんかつ屋が高級路線に走り、高額化が進むなか、「冨貴」だけは薄切りで美味しさを追求し続けた店だからだ。

そしてお忍びでグルメ業界の重鎮たちが訪れることでも有名である。

・混むと困るから

しかし、グルメ業界人はこの店を誰にも教えようとしないし、メディアに出そうとしない。それにはいくつか理由があるが、「この店を褒めると自分が推しているとんかつビジネスやポリシーが崩壊するから」「混むと困るから」というのが大きな理由だ。

・とんかつのひとつのかたち

とにかく、伝説ともいえる「冨貴」のとんかつが食べられなくなるのは悲しいことである。閉店すると知って食べながら泣く客や、おばあちゃんに今までのお礼を手渡す客もいる。

もしあなたがとんかつ好きならば、一度でいいから体験しておくべき「とんかつのひとつのかたち」といえよう。

出典 YouTube

冨貴
住所:東京都千代田区外神田3‐11‐11
時間:11:30~16:00(品切れで14:00あたりに閉まることもあり)
休日:不定休

豚勝二郎(とんかつじろう)

とんかつ評論家の第一人者である豚勝太郎先生に師事し、とんかつジャーナリストやとんかつ研究家として活動。

豚勝太郎先生が1000円以下のとんかつを追求するのに対し、豚勝二郎は美味しいとんかつ全般を追求するスタンス。値段に見合う感動が与えられるなら万単位のとんかつでも良しとする。

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