底なしの社会の落とし穴

Licensed by gettyimages ®

ハッキング、個人情報流出、オレオレ詐欺など、社会には善良な市民を騙して金を巻き上げてのうのうと暮らす人が存在します。日本でも「振り込み詐欺」の件数は増え、そして手口も多種多様になってきました。つまり、それだけ込み入ったやり方で相手を丸め込んでしまう犯罪ケースが増加しているということです。

最近、日本にいる実家の母がイギリスで生活している筆者と全く同じ手口で「詐欺」に引っかかりそうになったことを知って驚きました。数か月前、筆者宅にかかってきた一本の電話は契約しているインターネット会社からのものでした。

相手は、アカウントの詳細まで知っていた

Licensed by gettyimages ®

「Talk Talk」というインターネット会社を偽って電話をかけてきた男は、自分がその会社のスタッフだと名乗り筆者の相方が契約しているアカウント情報を口にしたのです。そしてそれを聞いた相方は、「Talk Talk」のスタッフだと思い込みました。

そして男はいかにもプロのエンジニアのようにパソコンのメモリーうんぬんと話し出し、インターネットがスローなのは、このメモリー量に関係しているという風に言ってきました。

そして「今の契約のままで、もっとインターネットのスピードを上げることができる」と言い、「今から言う通りの操作をしてください」と。相方は最初は言われるままに操作をしていたのですが、時間がやたらかかっていることに疑問を抱き始めました。そしてどのぐらいの時間かかるのか、と聞くと「だいたい45分ほどで終わる」というのです。

そこで、ピンと「なにかおかしい」と気付きました。「Talk Talk」は日本の有名なインターネット会社みたいなもので、利用客も多数。そんな顧客一人当たりに45分もかけてそんなサービスを(しかもイギリスの)ネット会社がするわけがない…そう思った筆者。そこで相方が、電話口の男に「Talk Talkに電話をして確認する」と言いました。

すると男は「どうぞ。待ってますから」と言い自信あり気に答えたので、相方がカスタマーサービスに電話をすると「そんな電話はウチからは一切行っていない。すぐに切ってください」と言うことだったので電話を切りました。

図々しいまでのこの詐欺態度に、恐怖すら感じました。「確認の電話をする」と言っているのにも関わらずしぶとく「待つ」という男。男の目的は、ネット回線を略奪して、Talk Talkから別の回線へと繋げ、インターネット料金を破格の金額にして請求するというものでした。

イギリスで起こったこの詐欺の手口と同じようにネット会社を装い、「こうすれば良くなりますよ」とパソコンの知識があまりない高齢者を言う通りに操作させ、お金を奪おうとする詐欺犯罪が日本でもあるようです。母が同じ手口にあいかけましたが、幸い「私にはわかりませんからもういいです」と言って途中で切ったと言います。

更に悪質な詐欺の手口も…!

Licensed by gettyimages ®

最近、ジワジワと被害が明らかになっている海外のある詐欺手口があります。いつ、これがどんな風に日本に伝わって来るかわかりません。注意喚起の意味で、こちらで実際にあった事件をご紹介しましょう。

海外で現在、一般的なのがわざと不在着信を残し、折り返し連絡させるという手口。これは海外に繋がり相当な電話代を請求させられます。これ以外に今、親の立場である人を脅かしているのが「60秒以内に子供が命の危険に晒される」という巧妙な詐欺手口。

「お前の子供を誘拐した」

Licensed by gettyimages ®

大胆にもその手口は「子供を誘拐した」というもの。それは孫でも親戚でも当てはまります。「あなたの知っている子供」を利用したやり口で、電話口にはクリアでない子供の声と暴力的な発言をしている男の声が聞こえてきます。

「ママ、ママ、助けて!」口を塞がれているかのような状態で助けを請う自分の娘。そしてその手口は、親に疑いを抱かせる隙を与えず「お前の子供を誘拐した。60秒以内に金を振り込まなければ殺す」と発し、電話を切ってしまいます。

親はパニックになる…

Licensed by gettyimages ®

日本の「オレオレ詐欺」でもそうですが、自分の子供から久しく連絡がない場合、似たような声でかける犯罪者をうっかり信じてしまうケースも少なくありません。

海外の場合も、親が子供の声を聞いたと思った瞬間に犯罪に巻き込まれているように思わせ、パニックに陥らせる…そして切った後、親がその電話番号にパニックになって折り返しかけると海外に繋がり、お金を要求されるという悪質な手口でついひっかかってしまうという人も続出しているようです。

「まず500ドル振り込め、さもないと殺す」

Licensed by gettyimages ®

アメリカの手口では、電話でこのように言われるそうです。冷静に落ち着いて考えれば「誘拐してたった500ドル(約5万円)⁉」とすぐに怪しいとわかるのですが、パニックになっていると区別がつきにくいもの。中には「誘拐した」と言っている子供と直接話すこともできないために、この時点でおかしいと気付く人もいるようです。

ただ、電話の口調が非常に緊迫したものであることで、その状況に引きずり込まれてしまい被害に遭うという人が増えているといいます。実際にその電話を受けた女性は、声が震え、足も震えてしまい恐怖に慄いたそう。たまたま友人と一緒にいたために友人が冷静でに「警察へ通報しよう」と言ってくれたと言います。

恐怖に陥ると想像が止まらない

Licensed by gettyimages ®

この女性は2人の娘の母親でした。離れて暮らしているために心配になって2人の娘に電話をかけてみましたが、1人とはなかなか繋がらなかったために余計に不安を煽りました。それでも最終的に子供たちは無事だった、ということが確認できて安堵したそう。

人間の繊細な心理を逆手に取った悪質極まりないこのような詐欺手口。犯罪者はこれでもかと様々な罠をしかけてきます。とにかく被害に遭わないためにも、普段からその手口を知り冷静に対応することが必要といえるでしょう。

この記事を書いたユーザー

Mayo このユーザーの他の記事を見る

公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

得意ジャンル
  • 話題
  • 社会問題
  • 動物
  • 海外旅行
  • 育児
  • テレビ
  • カルチャー
  • 美容、健康
  • ファッション
  • 感動
  • コラム
  • おもしろ

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス