ネットやテレビで話題のニュースに関して、編集部が独自の切り口で取材調査をする「ソコ行く!?ソレ聞く!?取材班」のコーナー。今回も興味深いお話を伺ってきました!

出典アース製薬提供

兵庫県赤穂市にあるアース製薬の研究所(室内)

「で…でたー!!」。この夏、家の中で遭遇して、思わず悲鳴を上げてしまった人もいるはず。そう、我ら人類の黒い天敵である「ゴキブリ」です。

そんなゴキブリ退治の強い味方になってくれるのが、害虫駆除グッズたち。困ったときはドラッグストアに駆け込む人も多いと思いますが、これら便利な害虫駆除グッズがあるのは、メーカーの研究者たちの努力があってこそといえるでしょう。

そこで今回は、「ゴキジェットプロ」や「ごきぶりホイホイ」、「ブラックキャップ」などで知られるアース製薬の研究員さんたちに直撃。日々ゴキブリを飼育・研究し、製品開発につなげる研究員の日常について、詳しくお話を伺いました。

アース製薬の研究部を直撃!

出典兵庫県赤穂市にあるアース製薬の研究所(外観)

今回、取材にご協力いただいたのは、アース製薬の研究開発本部・研究部有吉立さん菅野夏基さん。有吉さんはおもに研究で使用するゴキブリの飼育を担当されています。そして菅野さんは、商品開発を担当。誰もが知っている「ごきぶりホイホイ」の開発のため、日々ゴキブリを使った実験を行っています。
 
お二人が勤務するのは、兵庫県赤穂市にあるアース製薬の研究所。まずはその様子について聞いてみましょう。

約100万匹のゴキブリを飼育する、研究所の実態とは…!?

出典アース製薬提供

飼育室の扉の中には…

――ゴキブリを飼育する研究所があるということにまず驚きましたが、どのような種類のゴキブリが飼育されているのでしょうか。

有吉さん(以下有吉)「飼育しているのは20種類ほどのゴキブリで、約100万匹です。その中には、害虫であるゴキブリと、そうでないゴキブリがいます。害虫であるゴキブリは商品開発のために飼育していますが、そうでないゴキブリは、珍しい種類なので観賞用として飼育しています。」

ゴキブリが100万匹も!?家の中に1匹現れただけでパニックになるというのに、100万匹も集まっていたら、心臓が止まってしまいそう…。日本の中にそんな場所があるだなんて、筆者は戸惑いを隠しきれません。

出典アース製薬提供

ゴキブリを飼育するケースが山のように!

――こんなにたくさんのゴキブリがいるとなると、飼育が大変そうです。ゴキブリにはどんなエサをあげているんですか?

有吉「ゴキブリのエサは、マウス・ラット用の『ペレット』と呼ばれる小さな固形飼料です。ゴキブリは基本雑食なので、なんでも食べますが、乾燥した固型の飼料のほうが扱いやすいため、研究所ではこちらを使用しています。」

ゴキブリは体は小さくても、食べるものはマウスやラットと同じなんですね。エサをあげたときに、ワラワラとゴキブリが集まってくる様子を想像しただけでゾッとします…。エサやりだけでなく水やり、また飼育室の温湿度管理は、研究員にとって大事な日課のひとつのようです。

「時間がないときは、ゴキブリを素手で触ることもあります」

出典アース製薬提供

飼育室の中には、大量のゴキブリが飼育されている場所も!

――飼育室では、ゴキブリはどうやって触るのでしょうか?

菅野さん(以下菅野)「基本的にはピンセットで扱います。優しくつまむように意識しています。ゴキブリも生きものなので、乱雑にならないように扱っています。

――優しくつまむとはいえ、ゴキブリをつまむのは勇気が要りますね。でも、素手で触ることもあるのでは…と思っていたので、ちょっと安心しました。

菅野「試験のためにオス・メスを選ぶことがあるのですが、時間がない場合は素手で触るときもありますよ。

なんと!ゴキブリを素手でつかむだなんて、恐るべしアース製薬研究員…!手元でギチギチ鳴き出したら、私は夜も眠れません。

ゴキブリがいる風景が普通になっていく

出典アース製薬提供

おなじみ「ゴキジェットプロ」の製品実験の風景

――たくさんのゴキブリを飼育する研究所で働かれているということは、やはりみなさん虫が好きなのでしょうか?

菅野「案外、虫が好きな人は少ないと思いますね。私もどちらかというと、仕事だと割り切って研究しています。」

有吉「飼育員はそんなに虫が好きじゃない人が多いようです。実験のために飼っている私たちにとっては数のコントロールが重要ですので、愛着を持たないほうが仕事がうまくいくのかもしれません。

菅野さん曰く、虫好きは少ないとはいえ、中には「虫博士」といえるほど虫が好きな人もいるそうです。長くゴキブリと接していると、ゴキブリの見方も変わってくるのでしょうか。

菅野「観察を続けるうちに、その存在に慣れはじめ、いつの間にかゴキブリが平気になってきましたね。

有吉「害虫ではなく、自然界に生息していて、飼育が難しい種類のゴキブリもいます。10頭くらいから飼育をスタートして、何代にも及んで飼育ができたときは喜びを感じました。

ゴキブリがいる風景がいつの間にか普通になり、飼育がうまくいくことが喜びに変わる。日々ゴキブリと接している人でないとでてこない言葉だと思います。

ゴキブリが大量に入ったケースにスマホを落としてしまった

出典アース製薬提供

アース製薬の研究開発本部・研究部の菅野夏基さん

――これだけ大量のゴキブリがいると、逃げてしまうこともあるのでしょうか?

菅野「昔ゴキブリを仕分けするときに、研究所内で逃がしてしまったことがありました。そういうときは、逃げ込む前に素手でつかんで、素早く回収していました。隅に入ってしまった場合は『ごきぶりホイホイ』を出口にそっと設置しておけば、外に逃がすことはありません。

こんなときにも自社製品が活用されてるとは…。今は飼育員の腕もあがり、室内逃亡もほとんどないとか。

――ゴキブリの飼育のならではのハプニングはありますか? 今まで研究所で起きた事件を教えてください。

有吉「ゴキブリの天敵にあたる、ゴキブリコバチが発生したことです。そのときはゴキブリの飼育数が減少してしまい、天敵を全滅させるのに苦労しました。」

菅野ゴキブリが大量に入ったケースの中に、うっかりスマホを落としてしまったことでしょうか。そのスマホは、よく拭いた上で、今でも使っています。

ゴキブリの大群の中に自分のスマホが…と考えただけで、恐ろしくなります。まさにゴキブリと共に過ごさなければ遭遇できない日常かもしれません。

家族からは「家に虫が出た時は任せた!」

出典アース製薬提供

アース製薬の研究開発本部・研究部の有吉立さん

――御家族や周りの方々は、お仕事についてどのような反応ですか?

有吉「私はかつては虫が苦手だったため、多くの友人からは、『まさか虫を飼育する仕事に就くとは思わなかった』と言われます。『ゴキブリ怖くない?』とよく聞かれますが、ゴキブリに襲われることはないので大丈夫です(笑)」

菅野「私も周囲に驚かれますが、家に虫が出たときは任せた!とポジティブに受け取ってもらえています。そのため、家の中では、ゴキブリが出たときはもちろん、それ以前にゴキブリが出ない対策を任命されています。」

――周りの方々もやはり驚かれるんですね。ゴキブリにいつも怯えている筆者としては、研究員のみなさんに頭が上がりません。今日はありがとうございました!


私たちの日常生活において、あの手この手ですき間からやってくるゴキブリ。そんなゴキブリが現れても慌てず対応できるよう、研究員のみなさんはゴキブリの飼育・研究を通じて、私たちの日常生活で役立つ害虫駆除グッズを生み出しています。「ゴキジェットプロ」や「ごきぶりホイホイ」「ブラックキャップ」などを使う機会があれば、それらの製品に込められた、研究員さんの努力をぜひ感じ取ってみてくださいね!

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