出典Peach Aviation株式会社

知ってるようで知らない、だけど気になるあのシゴトをSpotlight編集部が深掘り取材するコーナー「シゴトペディア」。今回は航空機パイロットの仕事に迫ります。

みなさんは「パイロット」と聞いて、どのような職場を思い浮かべますか?綺麗な客室乗務員に囲まれ、海外を飛び回るといった華やかな仕事風景を想像するのでは。事実「子どもが将来なりたい職業ランキング」や「女性が結婚したい職業ランキング」でも上位常連の職業です。

ですが、実際にパイロットが普段どんなことをしているのか、意外と知らないもの。そこで今回は、日本初のLCCとして人気を高めている、『Peach』で機長・査察機長をしていらっしゃるAさんに、パイロットの仕事についてお話を伺いました。

航空機のマニュアルの厚さは「1m」!?

出典Peach Aviation株式会社

――まず、普段のお仕事内容について教えてください。

私は、ヨーロッパのエアバス社・A320型機の機長として乗務しています。ほかにも、査察機長という資格も有していて、Peach社内のほかのパイロットの定期的な審査も担当しています」

――素朴な疑問でもあるのですが、コックピットを見ているとボタンが多すぎて、どれだけ覚えなければならないことがあるんだろう…と思ってしまいます。

「そうですね、パイロットはたくさんの訓練や勉強を要する仕事です。私の場合、初期訓練は航空自衛隊で受けました。その後、民間の訓練学校で勉強を重ね、ほかの航空会社を経てから、現職に就きました。パイロットのキャリアを通じて、航空法、気象、工学、英語、さらには会社の規程など、多岐にわたり勉強してきました」

また、「航空機のシステムや操作方法などが書かれた機種別のマニュアルは、紙にすると厚さ1mほどになる」とのこと。さすがは花形職業、求められるハードルは高いのですね。

「ただ座っているだけでしょ」と思われてしまうことも

出典Peach Aviation株式会社

――パイロットは、多くの人から憧れられる花形の職業だと思います。やはりモテモテなのでは…?

「人によると思いますが、実際には、それほどモテるわけではないですよ(笑)。制服姿はカッコよく見えるかもしれませんが、それはいわゆる“制服マジック”というやつでしょうね」

――なるほど(笑)。お仕事について、周囲の人になかなか理解してもらえないことや、もっと理解してほしいと思うことはありますか?

「私たちは航空機の操縦に全力をかけていますが、その一方で、『自動操縦をオンにしてただ座っているだけでしょ』と言われてしまうこともあります。

実際、自動操縦を多用するのは確かです。ですが、より安全を確保した飛行を行うべく、自動操縦装置のモニタリング、管制官との交信、他機および障害物発見のための外部監視、進入および着陸の方法を決定して機上コンピューターへ入力するなど、自動操縦を確実に行うための業務は多岐にわたります。

また、悪天候域の回避の判断や目的地空港の気象情報の入手など、安全な運航のためには気象を先読みする必要もあります。『ただ座っているだけ』ではないことを理解していただけたらと思います」

確かにパイロットの仕事でもっとも大事なのは、乗客の安全を守ること。カッコいい制服を着て、海外を飛び回る…、そんな華々しいイメージは、あくまでパイロットの表面的な認識に過ぎないのでしょう。

強靭な精神力が求められる仕事でもある

出典Peach Aviation株式会社

――パイロットの仕事をしていて、最も印象に残っているエピソードを教えてください。

「Peachのフライトではないのですが、飛行中、エンジンに不具合が発生し、2つあるエンジンのうちの1つを停止させなければならなくなりました。管制機関に緊急事態を宣言し空港に着陸しましたが、「お客様の人生を背負っているのだ」と、職務の重さを心に刻んだ貴重な経験となりました」

パイロットはたくさんの乗客の命を預かる分、精神的にタフでないと務まらないと聞きます。航空会社によっては、パイロットの精神的な負荷やストレスを少しでも減らすために、空港までの「タクシー通勤」を許可しているところもあるとか。

Aさんの場合、常に危険が起こることを想定して、事前にあらゆる準備をして、乗務に挑んでいるそうです。「勤務パターンに合わせて、睡眠時間を調整することもあります。その中で、仕事のオンとオフをしっかり切り替えて、日常的なストレスを溜めないようにすることが大事ですね」とのことです。

パイロットが思う「やりがい」とは

出典Peach Aviation株式会社

パイロットの仕事の中で、もっともやりがいを感じる瞬間について、Aさんは次のように答えてくださいました。

「到着地で、お客様が笑顔で楽しそうに降機されていく姿を見る時ですね。特に関西空港は、お客様とパイロットとの距離が近いんです。中には、操縦室に向かって手を振って下さる方も。そのお客様の笑顔が、パイロットという仕事の大きなやりがいです」

Aさんは「これからも査察機長として、Peachの安全運航の維持に貢献していきたい」と話します。普段、何気なく飛行機を利用している私たちですが、パイロットの方の努力によって安全安心なフライトが実現していることを再認識した取材でした。

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