記事提供:CIRCL

幸せの感じ方は、国や文化によって異なる。日本とは宗教や文化も違うイランの若者は、どんな生活に幸せを感じるのだろうか。宗教や気候環境、文化など違いが多いイランの若者の幸福感を知ることで、共通する幸福の要因も見えてくるに違いない。

イランの若者の幸福に影響する要因を特定するための2014年の調査を見てみると、運動習慣の有無、居住地が都会か田舎か、職業が公務員かどうか、の3つの要因が幸福度に関連していることが分かった。

イランでの調査に見る 幸せの概念はどこから来るのか

イランでの幸福の調査は、15歳から29歳の272人の男性と228人の女性を含む合計500人の若者を無作為に抽出して、匿名アンケートを使って調べた。

アンケートは2つあり、最初のアンケートは人口統計の変数についての質問で、余暇の活動、身体活動、興味がある文化的、芸術的な活動、勉強年数、活動の参加への障害、家族環境、倫理など46項目についてだった。

2つ目のアンケートは幸福度を判断するためのもので、性別、年齢、仕事(公務員か否か)、定期的な運動習慣があるか、市街地に住んでいるか農村地帯か、結婚しているかどうか、教育レベルなどについてだった。

イランでは運動習慣、居住地、職業が幸福度に影響

データをソフトウエアを使い分析した結果、以下のような結果になった。

・定期的な運動習慣がある人は、無い人よりも幸福を感じる。
・市街地に住んでいる人は、農村に住んでいるよりも幸福を感じる。
・公務員の仕事に就いている人は、非公務員よりも幸福を感じる。

運動や都会を好むのは、日本の若者でも見られる傾向であり、国を超えて共通しているようだ。公務員の幸福度が高いのは、イランでは収入があると幸せを感じやすいためのようで、他の調査によっても裏付けられている(※1,2)。

イランでの幸福度 性別や結婚、教育レベルでは関連がなし

逆に幸福とのはっきりとした関連が見られなかったのは、性別、結婚しているかどうか、教育レベルの違いについてだった。しかし結婚については、今までの他の研究では、結婚している方が幸せだという結果が、多数出ている。

今回の調査では、参加者が若い人であるため85%の人が独身だった。そのため、結婚している人数自体が少なく、結婚については有効なアンケート結果が出たとはいえないようだ。

あまり日本では知られていないイランの日常

イランは中東にあるイスラム共和制の国だ。イスラム教のシーア派が主流だが、キリスト、ゾロアスター教なども共存し多文化が認められている。国境付近や危険な地域以外では、それほど治安は悪くない。

近年観光国としても注目されており、ペルシャ歴代王朝の宮殿や美しいタイル装飾のモスクがあり、ステンドグラスの光が差し込むモスクは、見る人をとりこにする絶景だ(※3)。

主要産業は石油だが、失業率は10.8%と高いため、公務員の幸福度が高い結果が出ているのかもしれない。

厳しいイスラム戒律の中でも変化してきた女性たち

イランは女性への規制が多い国だ。イスラムの教えに基づき、女性は髪の毛や体の線を出すことを法律で禁じられており、破ればムチ打ちや逮捕もありえるが、この調査では意外にも幸福には男女差が見られなかった

農村や地方では服装も保守的な地域が多い。しかし首都テヘランではおしゃれな女性が多く、肌の露出やファッションでは服装取り締まり警官と女性との攻防が続いているようだ。

校則を巡る学生と先生との攻防に似た駆け引きも、都会ならではのようで、こんな自由さが都会の若者の幸福度が高いことにも関係があるのかもしれない。

※1:JCDR
※2:JCDR http://jcdr.net/articles/PDF/7729/17970_CE(RA1)_F(T)_PF1(RSAK)_PFA(AK)_PF2(PAG).pdf
※3:ユーラシア旅行社
※4:withnews

参考:外務省

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