記事提供:テレビPABLO

佐久間宣行(テレビ東京プロデューサー)&戸部田誠(てれびのスキマ)/「90s チョベリー」主催「90年代以降のバラエティとこれからのテレビ」トークショー

90年代~00年代の芸能を中心に、懐かしの文化や流行を改めて考察する「90s チョベリー」が、「90年代以降のバラエティとこれからのテレビ」をテーマに阿佐ヶ谷ロフトAにて9月9日(金)、過去と現在のテレビ番組について語るイベントが開催された。

ゲストには、『ゴッドタン』など人気番組を手がけるテレビ東京の佐久間宣行プロデューサー、テレビウォッチャーでライターの戸部田誠(てれびのスキマ)。司会・進行にはライターの井上マサキ、「90s チョベリー」の佐野裕亮編集長が登場した。

内容は、佐久間氏、戸部田氏がそれぞれテーマに沿った番組を挙げ、それについて話して行くというもの。

まずは、「影響を受けたテレビ番組」に、佐久間氏は『やっぱり猫が好き』をピックアップ。テレビの作り手になって入社10年目くらいで、『ウレロ』シリーズというシチュエーションコメディの番組に結実させるほど、ずっと憧れていたという。

「放送作家のオークラさんもこの番組が好きで、2人でDVDを一緒に見るくらい」と。戸部田氏は『リングの魂』がプロレスや格闘技をバラエティ番組で扱う見事さを評価。

「芸能界柔道王決定戦」企画での有吉弘行の活躍ぶりをバラエティ番組の歴史の中でも重要だったと強調した。

続く「すごいと感じたバラエティ番組・人」では、佐久間氏は『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』を挙げる。

NHK『紅白歌合戦』の男女どちらが勝つかを当てる企画で、放送終了後のカラーバーを松本人志(ダウンタウン)自らが扮装して敗者への罰ゲームとして行う生放送の模様を「録画はしてるんだけど、深夜ラジオを聴き終わってからも寝ないで、放送に立ち会って、テレビ見ただけなのに学校でそのことを自分の手柄みたいに話した」と当時からのテレビ好きの片鱗を垣間見せた。

戸部田氏は『電波少年』シリーズを挙げ、「アポなしロケ」や「ヒッチハイク」ではなく、「箱男や懸賞生活、地球防衛軍などの『電波少年的◯◯』と冠した企画に、作り手側の意思や存在を強く意識した」という意味で選定した。

そして、「90年代以降のバラエティ番組の最高作品」と題したテーマでは、佐久間氏は『めちゃ×2イケてるッ!』を選出し、「コントの匂いのするバラエティが作れるのはフジテレビだけ」と断言。

「片岡飛鳥チームが手がける、キャラクターを背負ったロケコントが成立させられる。コント番組からスタートしてるベースあってこそ。他局にはなかなかマネができない」とディレクター視点ならではの深い洞察が飛び出す。

対する戸部田氏は、『内村プロデュース』を「自分のテレビっ子としての青春」と表現。

従来、若手芸人が多数登場する番組では対立関係をクローズアップする見せ方が多かったが、芸人同士の仲の良さを見せてもいい、という側面を出した稀有な存在だった、とのこと。

温泉で「だるまさん転んだ」や大喜利を全裸で行う「自分が味わうことができなかった男子校的な青春」を追体験させてくれたと激賞した。

それぞれ自由に設定して語るパートでは、佐久間氏は「好きだったフジテレビの深夜バラエティ」をテーマに番組をピックアップ。

「福島のいわき出身の僕からすると、フジテレビの深夜番組はオシャレ帝国で総本山」と形容。『カノッサの屈辱』はくまモンの生みの親でもある放送作家・小山薫堂氏が携わった番組。超少人数でスタッフルームに泊まり込んで作っていたという、当時のエピソードを紹介。

ほかにも、『文學ト云フ事』『3番テーブルの客』と同時期の番組も挙げ、「テレビ局って、さほど大きくない会社なんで、たったひとりの編成マンの胆力とか情熱で、ガラッと番組のラインナップが変わる。当時のフジテレビにもそういう編成の方がいたんでしょうね」

と制作と編成の関係性にも言及した。

戸部田氏は「番組を特定できないけど影響を受けた番組」というテーマを掲げ、『ソリトンSIDE‐B』『トップランナー』をピックアップ。

ひとりの人物のこれまでの半生を探る番組が昔から好きだった、とのこと。そのあたりの好みが現在のテレビ全般や芸能人の過去の発言や活動を深掘りして執筆するスタイルにつながった、と熱心に見ていた番組を振り返った。

このほか、後半には最近のテレビの話を中心に、気になったこと芸能ニュースなどについての話が展開。BS・CSの制作環境の移り変わりや、注目すべきテレビの作り手や出演者、果ては制作会社にも話が及び、大いに盛り上がった2時間となった。

<プロフィール/佐久間宣行(さくま・のぶゆき)>

1975年生まれ。福島県いわき市生まれ。1999年にテレビ東京入社。以後、『TVチャンピオン』などで経験を積みながら、入社3年目に異例の早さでプロデューサーに抜擢。

『ゴッドタン』のプロデュース・総合演出を担当。プロデューサーとして『NEO決戦バラエティ キングちゃん』、10月8日からスタートするドラマ『潜入捜査アイドル・刑事(デカ)ダンス』も手がける。

<プロフィール/戸部田誠(とべた・まこと/てれびのスキマ)>

1978年生まれ。福岡県出身、静岡県育ち。テレビっ子。ライター。

著書に『タモリ学 タモリにとって「タモリ」とは何か?』(イースト・プレス)、『有吉弘行のツイッターのフォロワーはなぜ300万人もいるのか』『コントに捧げた内村光良の怒り』(コアマガジン)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)がある。

佐久間宣行(テレビ東京プロデューサー)/「90s チョベリー」主催「90年代以降のバラエティとこれからのテレビ」トークショー

戸部田誠(てれびのスキマ)/「90s チョベリー」主催「90年代以降のバラエティとこれからのテレビ」トークショー

井上マサキ(ライター)/「90s チョベリー」主催「90年代以降のバラエティとこれからのテレビ」トークショー

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