自閉症の子供の特徴の一つに「同じことを何度も聞く」「同じことを何回も繰り返す」という兆候があるそうです。自閉症の子供が、同じ服を何度も着たりする場合も「その服を着ていると安心する」という気持ちがあるためだと言われています。

公共の場で愚図ったり、叫んだりする子供を見た時に「あの子は自閉症だろうか」とどのぐらいの人が疑問に思うでしょうか。その疑問を自分に投げかける前に「うるさいな」という感情が先立ってしまう人も決して少なくないようです。

それはグローサリーで起こった…

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米ミシガン州在住の母親ブリタニーさんは、その日の出来事をFacebookに綴りました。ある日、自閉症の子供グランダーソン君を連れて買い物に出ました。向かった先はいつも行く近所のグローサリー(八百屋)。その母親によると、最近、6歳のグランダーソン君は火災防止警報器の音を真似するのが好きで、いつでもどこでもアラーム音の真似をしているそう。

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グランダーソン君は、その日もグローサリーで得意げに何度も警報器のものまねをしていました。ブリタニーさんは「息子は、家に入る時よりも大声では言っていませんでした。野菜を指さしてはブザー音のような声を出していただけで、暴れてもいなかったし、泣いてもいませんでした。」と話しました。

でも、普段は自閉症の息子の態度に慣れているブリタニーさんと、公共の場でそれを耳にした他人の受け取り方はもちろん違うでしょう。グランダーソン君のそうした態度を不快に感じた買い物客がいたようで、清算が終わって買い物袋の中をふと見たブリタニーさんはショックを受けました。

「子供に猿ぐつわを付けておけ!」

出典 https://www.facebook.com

グランダーソン君の発する音を不快に感じた見知らぬ誰かが、ブリタニーさんの買い物袋にそっとメモを入れて置いたようで、そのメモには「子供に猿ぐつわを付けておけ!」といった心無い言葉が書かれてありました。

最初はショックと怒りがあったというブリタニーさんでしたが、次第にこのメモを残した見知らぬ人を気の毒に思う気持ちが湧いたと言います。「きっとこの人は、毎日毎日何かに、そして誰かに怒りながら過ごしているのでしょう。誰かを批判せずにはいられない人なんだわ。」

そしてブリタニーさんがしたのは…

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メモを投げ入れた人物が、まだ自分たちのことを見ているかも知れないと思い、ブリタニーさんはわざとそのメモを手で丸めてくちゃくちゃにしました。そして息子に笑顔を向け、ブリタニーさんも一緒に警報器のアラーム音のものまねをしながらグローサリーを後にしたそうです。

ブリタニーさんは、メモを残した人物にこう言いたいと海外サイト「Mighty」で語りました。

「もし、あなたが気に入らない態度をしている人を見かけてもすぐに批判しないでください。もし、あなたが私や息子に直接話しかけてくれたら…それは注意であってもかまいません。きっとその時は息子が真っ先にあなたに笑顔を振りまくことでしょう。息子は、誰かがアラーム音のことを聞いてくれたらとっても嬉しがって、あなたにそのことを話そうとするでしょう。」

「私には息子に自閉症であることを止めなさいとは言えません」

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ブリトニーさんは、自身のFacebookにも「社会には肌の色や国籍、性別など様々な差別が存在します。自閉症だって差別を受けているのと同じように思う時があります。でも、私は息子に自閉症であることを止めなさいとは言えません。もしできるならそうしたいぐらいですが、自閉症は息子が一生向き合っていかなければならないものなのです。」と綴っています。

これは、自閉症の子供を持つブリタニーさんの諦観ではなく、社会にも自閉症の人を理解し受け入れる姿勢を持ってほしいと訴えているのではないでしょうか。メモを残すのではなく、すぐに批判するのではなく、一歩立ち止まって見てみてほしい、と。

自閉症の子供と向き合っていく親は、それが子供の個性として良い部分を引き出してあげるように子育てしていかなければなりません。その葛藤は、批判をする人たちからすれば全く想像もつかない大変なものなのです。

ブリタニーさんがしている子育てとは

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ブリタニーさんは、自閉症のグランダーソン君に「オープンな心を持つこと」と常に言い聞かせているそうです。自閉症の子供はただでさえ自分の殻に閉じこもりがち。社会と大きく隔たりを生んでしまうよりも、少しでも社会にオープンになることが大切だという子育てをしています。

だから、多少グランダーソン君が音を立てても目くじら立てて怒ったりはしないのです。もちろん親は周りにできるだけ迷惑をかけないように普段から気を付けていることでしょう。

自閉症の子供の親はいつも願っている

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難しいことではありますが、公共の場ですぐに批判的にならないでほしいと自閉症の子供を持つ親は願っています。それはきっと往々にして社会で辛い経験をしたことがあるからではないでしょうか。

「受け入れること」「理解すること」「対応すること」というこの3つを常にしなければならない自閉症の子供を持つ親の気持ちを、少しでも理解する人が社会に増えればいいなと思う筆者です。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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