2016年9月7日(日本時間8日)に、いよいよリオデジャネイロ・パラリンピックが開幕、その開会式で行われたカウントダウン演出が、多くの人の驚かせました。17メートルの高さのスロープを車いすで滑り降りてきたアスリートが空中へ大ジャンプ!

そのまま「0」の輪をくぐり抜けると、空中で1回転するという大迫力の演出に、会場だけでなく世界中でTVの前にいた人たちも大いに盛り上がりました。

大迫力のパフォーマンス、ぜひ動画でご覧ください。

華麗なジャンプを見せたのは、車いすのエクストリーム競技「WCMX」で活躍する唯一のアスリートであるアーロン・ウィールズ・フォザリンハムさん。アクロバットジャンプで人気のパフォーマンス集団「「ナイトロ・サーカス」に所属する、世界初の車椅子プロライダーでもあります。

車いすでこれだけの大技を決めるためには、どれだけの努力と苦悩があったのだろうと私たちは想像します。しかし、アーロンさんは練習について質問された時、こう答えました。

「練習だなんて一度も思ったことはないよ。ただの楽しい生き方さ」

出典 http://uploadmag.com

生まれてすぐに一人ぼっちに

アーロンさんは1991年に米・ネバダ州で生まれました。二分脊椎症という障害を持って生まれた為、下半身を自由に動かすことがでませんでした。両親は生後数週間のアーロンさんを置いて失踪、偶然にそれを知ったケイリーンさんとその夫・スティーブンさんがアーロンさんを引き取り、育てることにします。

愛情いっぱいに育てられたアーロンさんは寂しい思いをすることなく成長しますが、病魔との戦いで入退院を繰り返し、22回もの手術を乗り越えました。

アーロンさんに転機が訪れたのは8歳の時。養父母のスティーブンさん夫婦には、アーロンさんの他にすでに養子として迎え入れた2人の兄妹もいました。そしてお兄さんのブライアンさんが始めたスケートボードの練習で、一緒にスケートパークに行く事になったのです。

それは初めて見る光景でした。そしてブライアンさんに誘われて、一緒にランプと呼ばれる急傾斜から滑りおりてみたのです。しかしアーロンさんの車いすは大きく転倒、頭から投げ出されてしまいました。しかし、恐怖よりもワクワクとした好奇心が勝りました。

「僕も絶対に滑れるようになりたい!いつか空中で回転してみたい!」

アーロンさんは、それかというもの、猛練習に明け暮れます。

しかし母のケイリーンさんは大反対。アーロンさんが望む事なら本当は何でも挑戦させてあげたい、けれど一歩間違えれば大怪我に繋ってしまう…。心配する母を安心させようと、アローンさんはずっと貯めてきたお小遣いをはたいてヘルメットを買いました。そしてこう言ったのです。

「これをかぶれば大丈夫だから、滑りに行かせて」

ケイリーンさんは、アローンさんの強い意志を感じ、絶対にヘルメットをつける事を条件に、スケートパークへ行く事を許してくれました。

上達すればするほど湧き上がる感情

アーロンさんの才能が開花するまで時間はかかりませんでした。14歳の時には、初めて車いすによるバク転も成功!地元の大会にも参加する様になります。しかし、実力がつけばつくほど、今度はもどかしい気持ちが生まれてきます。自分の他に車いすスケートをしている人は誰もいません。

どんなに練習を重ねて、素晴らしい技術を身につけても、アーロンさんが出場できる公式な大会どこにもなかったのです。

TVに映し出された世界に夢中に!

そんな時、あるパフォーマンスがTVで放送され話題を呼んでいました。それは「ナイトロ・サーカス・ライブ」」そのパフォーマンスの中でも、高さ15m・傾斜45度のメガランプ(ジャンプ台)を使って次々と大技が繰り出される様子は、多くの若者を熱狂させていました。

ナイトロ・サーカスでは、バイクだけでなく、自転車、スケボー、更にはショッピングカートまで、車輪さえ付いていれば何でも乗ってジャンプしてしまいます。

「あそこから飛んでみたい!!」それがアーロンさんの夢になっていました。

その夢が叶うチャンスは意外な形でやってきました。なんと「ナイトロ・サーカス」のプロデューサーが、アーロンさんに「トライアウトを受けてみないか」と連絡してきたのです。というのも、アーロンさんが動画サイトに投稿した自分の練習風景を、偶然プロデューサーが見つけてくれたのです。

もちろんアーロンさんに迷いはありませんでした。トライアウトで挑戦するのはあの憧れのメガランプ。とはいえ、いつもは地元のスケートパークで滑っているアーロンさんにとって、それは体験したことのない高さと傾斜でした。「とにかく高く!」「とにかく遠くへ!」ただそれだけに集中して、一気に滑り降りました。

そのたった1度のトライアウトのチャンスで、アーロンさんは空中回転を披露!誰もが予想していなかった大技を見事に決めて見せたのです。もちろん、見事合格!アーロンさんは、憧れの「ナイトロ・サーカス」の正式メンバーの座を自分の力で射止めたのです。

「障がいは、あなたの能力と可能性を抑えることはできないんだ。もしも魔法使いに『君は歩けるようになりたいか?』と聞かれたら『ロールバックすることができるのに、なんで歩く必要があるんだい?』と聞き返すだろう」

現在、アーロンさんは世界初のプロの車いすライダーとして世界中で活躍しています。

私たちはつい、自分で出来ない事の言い訳を探し、自らの可能性を狭めてしまっている事があると、アーロンさんの素晴らしい滑りとジャンプを見ていると気がつかされます。そして頭でっかちになりすぎて、一番大切なはずの「楽しむ」という事を忘れてしまいがちだという事も。

『自分にできることを探して見て欲しい。それが例え誰もやっていないようなことだとしても』

アーロンさんのInstagramでは、数々の動画がアップされています。ぜひ、チェックしてみて下さいね。

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