記事提供:テレビPABLO

『泣き虫先生の7年戦争 スクール・ウォーズ Blu‐ray BOX』‐(C)TBS・大映テレビ

「滝沢賢治が戻ってくる――」

1984年10月の初放送から32年、ドラマ界に燦然と輝く爪痕を残した『スクール☆ウォーズ』が9月にブルーレイ化される。

テレビPABLOでは、ブルーレイ発売を記念した連載コラムを展開する一方、滝沢賢治先生を演じた山下真司に直撃インタビューを敢行。

取材中、涙で目を覆うシーンが何度も見られるほど熱く語ってくれた山下に作品に対する思いのたけを存分に語ってもらった。

『スクール・ウォーズ』山下真司が語る――第2回 気持ちはいつだって32年前の“滝沢先生”と共にある

教師役オファーに「青天の霹靂でした」

――ファンにとっては待望の『スクール・ウォーズ』のブルーレイ化ですが、山下さんはどんな思いですか?

山下真司(以下、山下):本当に『スクール・ウォーズ』のファンって多くて、お笑いの松村(邦洋)くんとかも、家庭用のビデオを録音してセリフを覚えてくれたり、この間もドラマの撮影で、監督が『スクール・ウォーズ』っぽいシーンを入れたいということで「お前ら悔しくないのか!」って殴るシーンをやったんですよ。

そうしたら共演のムロツヨシくんが「ここで賢治は…」ってドラマのナレーションを語りだしたり…。VHSからDVDになった時も思ったのですが、根強い『スクール・ウォーズ』ファンがいてくれるからこそ、ブルーレイになったんだなって実感しますね。

――映像をご覧になっていかがでしたか?

山下:見る前はそれほど変わらないんじゃないかなって思っていたのですが、映像はクリアになっていて、ものすごくリアルでした。

臨場感がダイレクトに伝わってきました。立体感もあり、お金のかかったアンティーク映画のよう。この作品はフィルムで撮っているのですが、髪の毛、表情、汗、涙、選手たちの演技がダイレクトに伝わってきます。

――山下さんは当時、『太陽にほえろ!』や『おしん』などに出演していましたが、次のステップとして教師役というのは想像していたのでしょうか?

山下:青天の霹靂でしたよ。まさか体育教師の役がくるとは…。

大映テレビから「ラグビーのスポコンもので、教師ものをやります」という話は聞いていたのですが、最初は「ラグビーってぶつかり合うし、痛いし、辛いから嫌だな」って頭をよぎったんです。

でもプロデューサーから実話を元に作られるって説明され興味を持ったんです。そして初の主役だし、絶対ものにしないとなって気持ちが沸いてきました。

撮影は何ともいえない緊張感!嫌な言い方をすれば「地獄のような日々」

――ドラマ史上に残る名作となりました。ラグビーシーンなども非常に格好良く、様になっていましたが、ラグビーのご経験はなかったとお聞きしています。

山下:おっしゃる通りで、ラグビーをやったことないので全然知識もありませんし、自信はなかったんです。

カメラマンの喜多崎さんという方が、ラグビー経験者だったので、肩の入れ方やパスの仕方など指導してくれたのですが、見よう見まねでやっていました。

タイトルバックで、僕がプレイスキックを決めるシーンがありますが、あれもなかなか難しかったです。

バレーボールはやっていたのですが、楕円形のボールなんて触ったことなかったですからね。結局入るまで撮影は続いて夜になってしまいましたよ(笑)。

あとは「タックルもしっかりやれ」って言われるのですが、人間の肩と腰にぶつかるのは怖いですよね。でもやるしかないのでやるじゃないですか。

案の定、首とか脱臼しましたし、みんな怪我と寒さとの戦いなんです。嫌な言い方をすると地獄のような日々でした。だからこそ、画面から何ともいえない緊張感が伝わってきたんだと思います。

――生徒たちは試合のシーンもあり、過酷を極めていたと思いますが、山下さんにとって最も印象に残っている生徒は誰ですか?

山下:つまらない回答かもしれませんが、均等に印象に残っているんですよ。

もちろん、松村雄基(大木大助役)くんや小沢仁志(水原亮役)くん、宮田恭男(森田光男役)くんなどは出番が多かったから大変だとは思いましたが、役名はあるけれどそれほどスポットの当たらない子たちも、みんな毎日一緒にいるんですよ。

同じ時間苦楽を共にした仲間として、色々なことも話しました。このドラマは僕が主役である一方、生徒たちが輝かなくては成立しない作品。生徒一人一人がもがき苦しみ戦うことにより、勝利した時に大きな感動を呼ぶんです。

生徒みんなが主役。だから一人一人しっかりコミュニケーションをとって「気を抜くなよ!」って脅していました(笑)。僕の中ではレギュラー陣より、準レギュラーたちの方が、印象に残っていますね…ってこういう話をすると涙出てきちゃうよ!

『泣き虫先生の7年戦争 スクール・ウォーズ Blu‐ray BOX』‐(C)TBS・大映テレビ

『泣き虫先生の7年戦争 スクール・ウォーズ Blu‐ray BOX』‐(C)TBS・大映テレビ

『スクール・ウォーズ』が終わってからの2年ぐらい、酒を飲むと涙が止まらなくなった

――“~泣き虫先生の7年戦争~”というサブタイトルもありますが、山下さん自身も涙もろい印象があります。『スクール・ウォーズ』に出演されたのは影響がありましたか?

山下:それはありますね。なんだろうね。しばらくはひどかったよ(笑)。終わって2年ぐらいかな、今でもそうだけど、酒飲むと涙が止まらなくなってね。

『スクール・ウォーズ』の中でも色々な涙を流しましたが、台本には「賢治、ここで涙する」とか書いてあるんです。最初は泣くのが大変だったんです。

でも俳優だし、目薬とかも嫌だなって思って、悲しいことを想像していたんです。でも、いつしか滝沢賢治になっていって、どちらが現実か分からないぐらいハマっていきましたね。だから役作りの苦労はなくなっていきました。

――とにかく熱いシーンが多い作品ですが、中でも一番緊張感を持って臨んだシーンは?

山下:やっぱり名場面と言われることが多いですが、相模一高に「109対0」で負けたシーンですよね。あのシーンが原点。あそこを契機に生徒たちも一念発起し、自分に打ち勝って、栄光を手に入れるんですから。

気合入りましたよ。生徒たちも含め、1週間前ぐらいから「大変なシーンになるぞ」って話し合っていました。でも、生徒たちにとっては、あの殴られるシーンももちろんですが、試合のシーンが一番大変なんですよね。

ラグビーやったことない子たちが、試合としてしっかり見せなくてはいけない。しかも、その後、あれだけの演技が待っているんですから。

本当に僕らが試されたシーンだと思います。あの場面がダメだったら、こうしてブルーレイ化なんて話もなかったんじゃないかな。もちろん、他にも名シーンたくさんありますが、やっぱりあのシーンは印象に残っていますね。

次回は山下さんがインタビュー中に涙を流してしまった〇〇のシーンや妻役の岡田奈々さんのことなど『スクール☆ウォーズ』についての裏話や、『男女7人秋物語』で演じた高木役についてなど、さらなる熱い話が満載。

『スクール・ウォーズ』山下真司が語る――第2回 気持ちはいつだって32年前の“滝沢先生”と共にある

■作品情報

『泣き虫先生の7年戦争 スクール・ウォーズ Blu‐ray BOX』‐(C)TBS・大映テレビ

<通常版>

【価格】33,600円(税別)

【収録時間】本編総再生時間1234分+特典映像約42分

【商品仕様】DISC7枚組(26作品+前半総集編収録)/トールケース・外箱付き

【映像特典】「山下真司×松村雄基×伊藤かずえ スペシャル座談会」司会進行:松村邦洋

※DVDvol.9に収録されていた映像特典【スペシャル座談会】をHDアップコンバートにてDISC7に再収録。

【封入特典】解説ブックレット

<プロフィール/山下真司(やましたしんじ)>

1951年生まれ。俳優。文学座附属研究所を経て、1979年の刑事ドラマ『太陽にほえろ!』(日本テレビ)でのスニーカー刑事役として映像デビュー。

1984年に代表作とも言える『スクール・ウォーズ』(TBS)で荒れる高校を立て直す熱血教師を演じる。

本作を、大映テレビ作品の金字塔とも呼べる名作に押し上げた。最高視聴率20%を超え。また、料理番組『くいしん坊!万才』(フジテレビ)では9代目の旅人を務め、全国各地に幅広く親しまれている。

インタビューアー

磯部正和

雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。

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