記事提供:テレビPABLO

1987年9月7日のテレビ欄(出典:『テレパル』第18号・東版)

地上デジタル放送化に伴い、テレビ番組表というものから遠ざかってしまった人もきっと数多いだろう。

WEBメディア『テレビPABLO』では、そんな大人のためにかつての番組表を紐解きながらタイムトリップをお届けしたい。

ウン年前の今日、夢中になって観ていたテレビは何だったのか?テレビ情報誌『テレパル』(小学館刊)の番組表と共に、当時の世相を振り返ってみよう――今日は1987年9月7日にタイムスリップ。

そんな19年前の今日、9月7日の『テレパル』番組表からはフジテレビ21時『ラジオびんびん物語』の話題を。

1987年4月、6年半ぶりに月曜21時にドラマ枠を復活させたフジテレビがその第1弾『アナウンサーぷっつん物語』で手ごたえを感じた“ギョーカイもの”の流れで、当時人気絶頂アイドル・田原俊彦を主演に、ラジオ局ニッポン放送を舞台にしたのが『ラジオびんびん物語』。

“びんびん”といえば翌年の『教師びんびん物語』を思い浮かべる人も多いと思うが、「エノモトォ~!」「せんぱぁ~い」の徳川龍之介(田原俊彦)&榎本英樹(野村宏伸)コンビが生まれたのは実はこの作品。

テレビ全盛期にあえてラジオ局を舞台にした理由は、終盤になって初めて気づくことになる。

主題歌は田原俊彦『どうする?』。エンディングでは田原俊彦が徳川のスーツ姿で、地下室にあるコンクリート打ちっぱなしのプールバーでこのこの曲を歌っていた。

1987年9月7日『ラジオびんびん物語』(TBS)/田原俊彦のラブシーンよりも説教のほうが強力?それが『教師びんびん物語』につながる

『テレパル』1987年第18号・東版の表紙

『ラジオびんびん物語』(フジテレビ)/1987年9月7日のテレビ欄(出典:『テレパル』第18号・東版)

舞台はフジテレビと同じフジサンケイグループのラジオ局・ニッポン放送。後にホリエモンによって資本の関係が一般にも知られるが、フジテレビの大株主であった。ただし世間的にはラジオは古いメディアで、主流はテレビの時代。

“斜陽産業”とも呼ばれたラジオ局を舞台に、熱血営業マンである徳川龍之介(田原俊彦)とその後輩の榎本英樹(野村宏伸)凸凹コンビが繰り広げるドタバタコメディだ。

ここは後の熱血を売りにした“びんびんシリーズ”よりも、“軽くてちょっとエッチなギョーカイもの”の色が強かった。

徳川が憧れている美人プロデューサー田島響子(池上季実子)。彼女となにやら関係がありそうな営業部長・沖田(山下真司)。徳川に「処女を捧げるのはこの人」と決めている営業部員の小宮サナエ(小林聡美)。

そのサナエを「童貞を捧げる人!」と慕うのは榎本。徳川の得意先(クライアントという言葉が一般的になったのも、“ギョーカイドラマ”から)である精力剤メーカーの社長令嬢・野田加代子(鈴木保奈美)は徳川にゾッコン…。

複雑に入り組んだ恋の行方も、後の“月9”の匂いを感じさせる。企画に“亀山千広”のクレジットがある、いわゆる液晶ならぬ、テレビ業界トップブランド“亀山モデル”だ。

どこまでもまっすぐな徳川龍之介に、美人プロデューサーも陥落し、当時ファンが悲鳴を上げた伝説的ディープなラブシーンもあった。“童貞”キャラを売り物にする榎本に至っては、「夢精する」という情けない場面も。

熱血で、ストレートな徳川龍之介と、オロオロするばかりのどこまでも情けない榎本英樹のコンビは実に絶妙で、すぐ翌年にこのコンビで『教師びんびん物語』が放送され、大ヒットする。

恋愛要素は極力排除し、二人のキャラはそのままに感動重視へと舵を切ったのは、大正解であった。

『ラジオびんびん物語』は、終盤、シリアスな話になっていく。テレビに対して「古いメディア」という位置づけのラジオというものについて、ラジオを愛する徳川が熱く語る場面がある。

かつてリスナーだった頃、ラジオから流れる響子の言葉に救われたという徳川。時のスーパーアイドル・田原俊彦が熱く語る長めのセリフは、登場人物の心だけでなく視聴者の心も動かした。そういうこともあっての、『教師びんびん物語』の成功なのである。

コラムニスト

ISプレス

1982年、『テレパル』創刊準備のために編成された、テレビ局専門取材チーム。各テレビ局ごとに担当がいて、毎日テレビ局の広報や宣伝部を拠点に局内を徘徊、情報収集。その情報を元にテレパルの特集や番組表や番組紹介記事を制作していた。「その日に仕入れた情報はその日のうちに処理する」ことが宿命だったため事務所は“不夜城”となっていた。名刺に使われている「IS」の緑のロゴは、メタリックでキラキラしていて、テレビ局員の印象に残っている。

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