記事提供:幻冬舎plus

『坐骨神経痛』という言葉を、みなさんも一度は耳にしたことがあるでしょう。「お年寄りになると悩まされる症状」というイメージがあるかもしれませんが、坐骨神経痛は、20代、30代でもなります。なぜなら、その原因は腰にあるからです。

自分でもそれと気づかずに、「腰痛はあるけれど坐骨神経痛は関係ない」と思い込んではいませんか? 足のしびれやだるさ、冷え症、ひんぱんに起こるこむら返りなどは、坐骨神経痛の典型的な症状です。心当たりのある方はぜひ、ここでご紹介するストレッチや対処法をお試しください。

坐骨神経痛の人は硬いイスは避けたほうがいい!?

一般に、坐骨神経痛の人は硬いイスが苦手です。なかでも、お尻や太もも裏、ひざ裏などの症状に悩まされている場合、これらの部位がイスの硬い座面に接触しているだけでつらくなることが少なくありません。

とりわけ、坐骨神経痛の人が嫌がるのが、イスの座面のフチの部分。イスに座るとひざの裏側あたりが“フチの部分”に当たるかたちになり、この部分が硬いとひざ裏を走っている神経が刺激され、しびれや痛みが増してしまうのです。

ですから、坐骨神経痛の方は、なるべく座面のやわらかいイスに座るほうが無難です。もし、硬い座面のイスに座らざるを得ない場合は、フチの部分にやわらかいタオルなどを挟むだけでもだいぶ違います。

私の患者さんのなかには、“マイ・クッション”“マイ・座布団”などを用意して、常に持ち歩いて使用している方もいらっしゃいます。また、女性であれば、少し大きめのひざ掛けなどを持ち歩くようにし、硬いイスに座る際に太ももやひざをくるむようにして座るのもおすすめです。

ひざ掛けであれば、症状を和らげてくれるだけでなく、冷え防止にもなりますし、見た目も行儀悪くないため、いろいろな場面で役に立ってくれること間違いなしです。それと、イス選びに関して注意しておいていただきたいのは、やわらかければいいというわけではない点です。

ふかふかのソファのようなやわらかいイスに座り続けていると、体が沈み、腰が曲がって、腰椎にたいへん大きな負担がかかることになってしまいます。腰椎に負担がかかると神経圧迫が強まって、かえって症状が悪化しかねません。

ぜひみなさん、自分の症状に合わせて“イス対策”をして、いつも心地よく座れる状況を工夫していってください。

デスクワーク中のしびれには『腓骨頭(ひこつとう)マッサージ』を!

ひざ下にしびれや痛みが出て困っているときに、スピーディに問題を解決してくれる、とっておきの対処法があります、それが『腓骨頭マッサージ』です。

おそらく、ほとんどの方は『腓骨頭』という言葉を初めて耳にするのではないでしょうか。腓骨頭とは、ひざ小僧の下のやや外側のところにある小さな出っ張りのことです。実際に手で触ってみれば、大きめのビー玉くらいのサイズの出っ張りがあるのがわかることでしょう。

この出っ張りを指でつまんで力強く揉んだり動かしたりするのが、しびれ解消にたいへん効果的なのです。そもそも、この腓骨頭の出っ張り付近は、ひざ下へ向かう神経の流れが集中するポイントであり、ここを動かしてゆるめると、足の神経圧迫が軽減して、しびれなどの症状が大幅に改善されるのです。

ぜひ、試しにやってみてください。

まず、症状が出ている側の足の腓骨頭の出っ張りを指でつまみます。そして、指にギュッと力を込めて出っ張りを体の後ろ方向へ動かしてください。1~2ミリくらい動かすような感覚で行なうのがコツ。これを数回から10回くらい繰り返すのです。

もし、あまり動かないという場合は、腓骨頭をつまんでぐりぐりと回すように刺激するだけでも構いません。それだけでも、足の神経圧迫をゆるめることにつながるはずです。

実際にやってみるとわかりますが、普段からひざ下のしびれ症状に悩まされている方は、この腓骨頭マッサージを行なうと、びっくりするくらいの解消効果が得られるはずです。きっと、腓骨頭を後ろへ動かしたとたん、しびれ症状がサーッと引いていくように感じられる人もいらっしゃることでしょう。

関節部分の神経圧迫をゆるめたとたん、悩みの症状が引いていくのは、ちょっと仙腸関節の関節包内矯正に似ていますね。このため私は、この腓骨頭マッサージを『足の関節包内矯正』と呼んでいます。

なお、この『足の関節包内矯正=腓骨頭マッサージ』は別に回数制限などはありませんので、足の症状が気になったときにいつでもどこでも行なうといいでしょう。ひざ下の出っ張りを動かすだけなら、どんなシチュエーションでも行なうことができます。

デスクワーク中に机の下で行なうこともできますし、会議中にこっそり行なうこともできそうです。また、朝夕の通勤電車で座席に座りながら行なうこともできるでしょうし、散歩中やウォーキング中、公園のベンチで一息入れながら行なうこともできるでしょう。

それに、トイレの個室の中でなら、人目を気にせずじっくり行なうことができるでしょうね。先にも述べたように、足のしびれや痛みはいつ悪化するかわかりません。

でも、この腓骨頭マッサージの心得があれば、いつどんなときに症状に見舞われても慌てず騒がず対処していけるようになるのではないでしょうか。私は、この対処法は、坐骨神経痛持ちの人には必須のセルフ・マッサージだと思っています。

みなさんも、しびれが来たら反射的にひざ下の出っ張りに手を伸ばすつもりで、習慣づけてみてはいかがでしょう。

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