記事提供:幻冬舎plus

人気書道家の武田双雲さんは、ポジティブシンキングについての書籍も数多く著されています。その武田さんが、「書く」ことで疲れを取る方法をお教えする新刊『疲れない!!』の試し読みをお届けします。

第1回は、武田さんが考える「疲れることの意味」について、本文より抜粋します。

現代人は疲れています。あらゆる業界が、疲れを癒す対策を練っていることからも、そのことは明らか。その意味で、本書は出版史上、きわめて画期的な本になるかもしれません。なにしろ、「書く」という実にかんたんな方法で、「すっきり」疲れがとれ、「ばっちり」「元気」になるのですから。

こんなかんたんな方法で疲れがとれてしまったら、医薬品業界や医療業界から苦情がくるかも、というのは冗談ですが(笑)、心にしろ体にしろ、元気でいることがいけないと考える人はいないでしょう。

なぜ書くと疲れないのか?そこには「疲れ」のメカニズムが関係しています。のっけから、誤解を招きそうな話で恐縮ですが、むしろこれ、誤解を解くためにどうしても言っておきたいことなんです。

皆さん、「疲れる」って、そんなに悪いことですか?いや、もちろん僕だって、疲れるのは嫌ですよ。朝、どうしてもベッドから起き上がれない。駅の階段を上るのがつらい。仕事のノルマがきつい。こういうのは、本当にしんどいですよね。

でも、人間が疲れるという感覚を持っていなかったら、どうなるでしょう。きっと、もっと頑張れたとは思います。少なくとも、限界ぎりぎりまで、全力を出して「24時間戦える」はずです。そうでなければ、体力と気力の限界がくる前に、「もう、このへんでやめておこう」と、あきらめてしまうことでしょう。

あきらめなければ、もっともっと頑張れる。しかし、本当にそれでいいのでしょうか?たしかに限界ぎりぎりまでは頑張れるかもしれませんが、頑張り切ったところですべての体力と気力が尽きていますから、それでおしまい。いったんは何かを成就しても、次の段階へ移るには長い時間をかけて回復を待つ必要があります。

下手をすれば過労で病院にかつぎ込まれるか、そのまま過労死です。こういうとき、言葉は私たちにいろんなことを教えてくれます。試しに、「疲」という漢字を書いてみましょう。

「皮がやまう(やまいだれ)」と書いて、「つかれる」という意味の漢字ができていますね。「皮」は表面という意味ですから、つまり、人間の表面=外側に疲れが現われるということを、漢字を生んだ先人たちは意識していたのでしょう。

具体的にいえば、疲れはまず、顔色に出ます。なぜ、疲れがまず顔色に出るかといえば、それがひとつの信号となって、完全にダウンする前に休養したり、栄養をとったり、要するにあらかじめ何らかの対策が立てられるようにしておくためです。

そもそも「疲れ」とは、神経を通して疲労物質が体の中に増える現象です。しかも、このときの物質は、体が疲労の限界に達するよりもかなり前に出ます。そうでないと、回復不能なくらいにまで体が疲れ切ってしまうからです。

体が回復可能なうちに疲労の危険を体そのものが知らせてくれる。これは明らかにメリットですが、逆にマイナス面もあります。疲れてはいるけれど、実際の体はまだ少し頑張れる状態です。ということは、もっと頑張れば頑張れてしまいます。

あともう少し頑張れば、仕事の目標が達成できる。つらいけれど、ここで逃げたら自分に負けてしまう。そんな風に考える真面目な人ほど、疲れの信号を無視して残りの体力が尽きるまで頑張ってしまうのです。これが習慣となってしまえば、回復はきわめて困難です。

武田双雲(たけだ・そううん)

書道家

1975年、熊本市生まれ。東京理科大学理工学部卒業後、NTTに入社。約3年後に書道家として独立。NHK大河ドラマ「天地人」や世界遺産「平泉」、世界一のスパコン「京」など数々の題字を手がける。

2013年度に文化庁から文化交流使に任命され、ベトナム〜インドネシアにて、大使館主宰のさまざまなワークショップやパフォーマンスを行うなど、その活動は国内にとどまらず、海外に向けても日本文化を発信し続けている。

『知識ゼロからの書道入門』『知識ゼロからの写経入門』(ともに幻冬舎)のほか、メッセージ集『たのしか』(ダイヤモンド社)、『人生に幸せ連鎖が起こる! ネガポジ 変換ノート』(SBクリエイティブ)、『武田双雲の墨書七十二候』(朝日新書)、

『武田双雲にダマされろ』『ポジティブの教科書』(ともに主婦の友社)、『いろはにほめ言霊』(KADOKAWA)など著書多数。

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