知ってるようで知らない、だけど気になるあの仕事をSpotlight編集部が深掘り取材するコーナー「シゴトペディア」

今回取り上げるのは、野球場で輝く「ビール売り子さん」!…あの笑顔で注いでもらう一杯は、味ものどごしも通常の3倍増です!

熱い戦いが繰り広げられる野球場において、彼女たちはまさに華とも呼べる存在ですが、その仕事内容については多くを知らない人も多いはず。ということで、ビール売り子さんの仕事に対する疑問の数々を、西武プリンスドームで働くキリンバドワイザー担当の人気売り子・井崎彩さんに答えてもらいました!

出典Spotlight編集部

井崎彩さん/20歳/売り子歴1年目/身長164cm/メーカー:キリン/好きな選手:森友哉選手

――売り子さんの1日のスケジュールを教えてください。

「ナイトゲームの場合は、基本的には18時プレイボールなので、17時前くらいに基地(ビールサーバー交換所)に来て、準備を整えて17時過ぎくらいに売り場に出ます。準備といっても、“チェッカーさん”と呼ばれるバックヤードのサポートスタッフが、商品の準備をしてくれているので、着替えて、サーバーなどを背負うだけ。なので、出勤したらすぐに売り場に出られます」

準備にそこまで時間を要しないのは意外。ですが、一度出動してしまえば、ほとんど休憩はないのだそう。

「樽交換や体調が悪くなった時は基地に戻りますが、それ以外の試合終了までの約3時間(西武プリンスドームの場合、高校生は20時30分まで)は、ずっと観客席を歩き回ってビールを売り続けます。延長戦が長引けば、22時を過ぎることもあるんです」

「またこのコから買いたい」と思わせる努力を惜しまない

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“ひたすら歩いてビールを売る”ということで、仕事内容としては単純なようですが、ちょっとした工夫が売上に大きく響くそう。

「私みたいな1年目の新人もベテランさんも仕事内容はそんなには変わらないんですけど、やっぱり売り子歴の長い方は仕事に取り組む姿勢がスゴイです。お客さんに自分から話しかけに行ったり、お客さんの情報をしっかり覚えていたり、『またこのコから買いたいな』って思わせる努力を惜しみません」

彩ちゃん自身も、大きく手を上げたり元気よく声を出したり、たくさんいる売り子さんの中で目立つための努力していました。また、客さんそれぞれの特徴やいつもどのあたりに座っているかなどをノートにメモしているそうです。他にも、声をかけてもらえるようにその日登板する選手のグッズを身につけるなど、ファンの方に仲間意識を持ってもらう様々な工夫がなされていました。

そういった細かい取り組みによって、バイト歴に関係なく売れっ子の仲間入りができるのがこの仕事の面白いところ。

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――1試合でどのくらい売れますか?

「バドワイザーの樽には16杯分のビールが入ってるんですが、早いときは20~30分で空になって樽交換のために基地に戻ります。売れてるベテランさんは、1日10回以上も樽交換してますよ」

ひとりで数百杯の売上…なんてことも少なくないそうで、いかにお客さんが試合を観戦しながらのビールを求めているかがわかります。

また、気になる給料体系は、球場やメーカーによって異なりますが、

時給(or基本給)+歩合制

というシステムにしているところが多いようで、売れば売るだけ給料がアップするのもモチベーションにつながることでしょう。

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お札はこのように二つ折りにして中指に挟んで持ち歩きます。外側に高額紙幣を挟む売り子さんが多いようです。おつりを渡しやすいという他にも、「自分は売れています」とお客さんにアピールすることで、信頼を得られるという側面も…!?

背中の樽が重くて転倒することも…

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――でも、もちろん辛いこともあるのでは?

「もちろんです!樽は13~14kgあるんで、ものすごく重いです。減って軽くなってきたと思っても樽交換をすればまた重くなりますし(笑)。これで階段を上ったり下りたりを繰り返していると、夏のデーゲームは本当に暑いです。体力勝負な部分もあるので大変です。そういえば、雨に濡れた地面に足を滑らせて、豪快に転んじゃったこともありました(笑)」

お客さんの目の前で転倒するという赤っ恥体験を経験する売り子さんも少なくないようです。やはり女性にとって、重い樽を持って売り歩くというのは簡単なことではないのでしょう。他の売り子さんを見渡しても、膝に絆創膏やサポーターをつけているコもいて、華やかさの裏にある大変さを想像させられます。

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「でも、お客さんが私のビールをおいしそうに飲んでくれるのは嬉しいですし、楽しんで野球を観戦する手助けができてると思うとやりがいを感じます。一番大事なのは自分も楽しむこと。お客さんと一緒に西武ライオンズの応援することがいつも楽しみで、そういう気持ちや愛嬌が売り子さんには一番大事だと思います!」

うん、その笑顔……思わず「一杯ください!」と叫びたくなります。このような素敵な笑顔は、西武プリンスドームのそこかしこに咲いています。

西武プリンスドームの“売れっ子売り子さん”大集合!

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貫井奈美子さん/身長161cm/メーカー:エビス/好きな選手:浅村栄斗選手

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片桐梨来さん/19歳/売り子歴3年目/身長160cm/メーカー:アサヒ/好きな選手:森友哉選手

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中島愛花さん/22歳/売り子歴5年目/身長158cm/メーカー:キリン/好きな選手:永江恭平選手

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もにかさん/19歳/売り子歴2年目/身長164cm/メーカー:サントリー/好きな選手:呉念庭選手

どの売り子さんも、売れっ子なのが納得の笑顔と愛嬌です!撮影がてら、これまで売り子をしていて印象に残っているエピソードを聞いてみました。

奈美子2008年に日本一になったことがやっぱり記憶に残ってますね。お客さんと一緒になって喜びました。あとは売り上げコンテストで1位になって表彰していただいたこと!

梨来:私はファールボールが肩に直撃して、おっきなアザができちゃったことかな…(笑)

愛花:超イタそ~。私のところにもファールボールが飛んできたことがあったけど、お客さんが自分から当たりに行って守ってくれたことがあったな。

もにか:ライオンズファン、さすがです!そういえば、ライオンズ側の外野スタンドに審判の格好をした人もいるよね。西武ファンは面白い人が多い(笑)。

一同:確かに!

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メーカーは違えど、売り子さん同士で会話をする機会は少なくないということで、みなさん和気あいあいな雰囲気。仲のいい同僚たちと切磋琢磨しているからこそ、お客さんが満足できる接客サービスができるのでしょう。

ちなみに9月9日、西武プリンスドームで開催される千葉ロッテマリーンズ戦は「生ビール&チケット半額デー」。彼女たちの笑顔とビールに酔いしれたい方は、ぜひ来場して彼女たちの頑張りを生で見てみるのもいいのではないでしょうか?

<取材協力/埼玉西武ライオンズ>

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