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子供だけでなく大人であっても、歯医者へ行く時はゆううつな気分になるもの。診察台に上れば、まさにまな板の上の鯉。「できるだけ痛くありませんように」と願いながら、医師に身をゆだねるしかない。

今、口の中で何が行われているか見る事もできず、処置が適切かどうかの判断もできない。そんな不透明な状況の中で、何かしらの不正や手抜き治療が行われていても、私たちは気づかないだろう。

歯医者の99%は手抜きをする ダメな歯医者の見抜き方 いい歯医者の見分け方』(長尾周格/竹書房)では、現役歯科医の著者によって歯科業界の実態が丸裸にされている。それにしても、「歯医者の99%が手抜き」とはショッキングなタイトルだ。

私たち患者は、歯医者を信じて身を任せているのに…。しかし、99%の歯医者に悪意があるというわけではない。たとえ不本意であっても、歯科業界は手抜きせざるを得ない状況であるという。それは、日本の保険医療制度に大きな問題がある。

保険診療は、私たちからすれば安く医療が受けられるありがたい制度。その一方、歯医者にとっては保険診療による報酬はきわめて低く、利益を出すには1日30人以上の患者数が必要とされる。

30人の治療をこなすには、一人あたり15分程度しか時間をかけられない。たった15分の治療では、じっくり質の高い治療を行うことなど不可能なのだ。著者はこう指摘する。

先進諸外国と比較して異常に低い診療報酬のツケは、結局治療の質の低下として、患者が払う羽目となっているのです。

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多くの歯科医院が、採算ラインである1日来院患者30人をクリアできていないにもかかわらず、つぶれることなく営業し続けている。それはなぜなのか。普通の経営努力では成り立たなくなると、悪しき経営努力に走ることになる。

経費削減のために診療の質をギリギリまで下げるのは基本。それだけでなく、使い捨てグローブや局所麻酔のカートリッジの使いまわし、器具の消毒・減菌をきちんと行わないなど、衛生管理すら犠牲にする医院もあるらしい。

治療費を増やすために、虫歯のない歯を虫歯として歯を削ったケースも目撃したそうだ。歯医者から「虫歯がある」と言われれば、疑ってかかる患者はまずいない。削ってしまえば証拠は何も残らないのだから、やりたい放題ができてしまう。

何とも恐ろしいことである。では、一体どのような歯医者を選べばいいのだろうか。内装が豪華で、優雅な気分で治療を受けられる歯医者? それとも、歯科用マイクロスコープ、レーザー治療機器、歯科用CT撮影装置など先進医療機器がそろっている歯医者? 

あるいは、親切に定期健診のお知らせハガキをくれる歯医者? はたまた、たくさんの認定証や肩書を掲げてある歯医者? 実は、これらはどれも著者が避けた方が良いとする歯医者である。

その理由については、本書で確かめていただきたい。矯正治療やインプラントといった、難易度の高い治療を受ける際の歯科選びや注意点についても、非常に詳しく解説されているので参考になることがたくさんあるはずだ。

いい歯医者を探し求めることよりも、予防が最も大事だと著者は説く。確かに、歯に何のトラブルもなければ、削ったり詰めたり抜いたりするために歯医者に足しげく通わなくて済む。しかし、著者によると歯磨きやフッ素では虫歯も歯周病も防げないという。

歯磨きは、口臭予防のエチケット程度にしかならないばかりか、逆に歯周病を悪化させる原因にもなるそうだ。では、一体どうやって予防すればいいのか。そのヒントは、歯磨きをしなくとも虫歯にならない野生動物や先住民族に隠されている。

虫歯や歯周病の本当の原因と、本質的な予防法が広まること。そして、一人でも多くの人が健康で充実した人生を送れるようになること。それが、著者の願いである。

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