・この広告を見て何を連想するか

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皆さんはこの広告を見て何を連想されますか。
文章はイタリア語で書かれているので読めないかもしれませんが、女性は右手に砂時計を、左手はお腹に添えています。何のことだか想像がつきましたでしょうか。

文章は「美しさに年齢はない。でも生殖にはある」と書かれていました。

・これに多くの女性が怒り、大炎上

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砂時計の砂が全て零れ落ちる前に早く子供を産みなさいと、そして砂がこぼれ切ったあなたはもう美しくないと言われているようなこの広告、これがイタリアで大炎上する結果となりました。

「女性には賞味期限があるということ?」「子供を産みたいのに産めない人たちへの侮辱」「仮に自分が産める体でも、経済的理由によって産めないという事もある」さまざまな批判的な意見がSNSに寄せられています。

・男性バージョンもあります

「そんな熱くなるなよ」「本当のことだろ」と女性のことだからといって他人事に思っている男性の方、この広告には男性バージョンもあるようです。

バナナの皮が捨てられており「男性の生殖能力は 想像以上に ダメになりやすい」と書かれた広告です。どうでしょう、一番上のポスターを見た女性の気持ちがわかりましたでしょうか。

・実は「子作りの日(#fertilityday)」のための広告だった

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「子作りの日ってなんやねん。」と恥ずかしくなりますが、ここはラテンの国イタリアといったところでしょうか。

イタリアは日本同様に出生率が低い国です。9月22日を「子作りの日(#fertilityday)」とし、国を挙げて少子化対策に取り組んでいました。
イタリアは2014年時点で女性1人が産む子どもの数は平均1.37人、日本は同年で1.42人(2015年は1.45人)でイタリアは日本よりも子供を産む率が少ないのです。これはEU平均の1.58よりも低くヨーロッパ諸国の中でも低い水準にあるということがわかります。

しかし、少し方向性を間違えてしまったのか多くの国民から非難の声を浴びる結果となってしまいました。

・同じ日が誕生日の人気作家は…

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「すべてのひとへの侮辱だ。子どもが産めない人、産みたいけど仕事がない人。22日。私の誕生日は台無しだ」

こちらはイタリアの人気作家ロベルト・サビアーノさんです。彼は男性ですが、自分の誕生日と同じ日が「子作りの日」でこんな広告が張り出されることになったショックが隠せない様子です。

・注目を浴びた広告以外にも12種類用意

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今回制作された広告は全部で12種類あるようです。

左上「急げ!コウノトリを待つな」
右上「若い親たち。クリエイティブになる一番の方法」
左下「生殖は公共財産です」
中央下「未来のためにゆりかごを準備しましょう」
右下「憲法は、責任ある家族計画を保護します」

・「私たちに『フェミニズムは不要』と言っているという事でいいかな?」

これらの広告に、フェミニズムの思想はこの国にはいらないということでよいのかと疑問を問いかけている方がいらっしゃいました。

・フェミニズムとは

フェミニズム(英: feminism)とは、性差別を廃止し、抑圧されていた女性の権利を拡張しようとする思想・運動、性差別に反対し女性の解放を主張する思想・運動などの総称。男女同権運動との関わりが深い。

出典 https://ja.wikipedia.org

女性を子供を産む道具としてとらえているようにみえるこの広告は女性への差別にも受け取れる内容だということです。

・1920年代かよ

「違いがわかるかな」とのツイートをされる方。これはイタリアのムッソリーニ政権時代を思わせる比較です。この頃は「ファシズム」という思想の元、右のポスターのように女性は子供をたくさん産むように推奨していました。
まるで昔の独裁国家に戻ったようだ、と皮肉っているのです。

・ファシズムとは

ファシズム(結束主義、伊: fascismo 英: fascism)とは、イタリアのベニート・ムッソリーニと彼が率いた国家ファシスト党が提唱した思想や政治運動、および1922年から1943年までの政権時に行った実践や体制の総称である。
「ファシズム」という用語は、単なる全体主義や軍国主義の意味で使われたり、特に社会主義の立場からの政治的なレッテル貼りにも多く使われた。

出典 https://ja.wikipedia.org

・広告制作よりももっと現実に向き合って!

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国民はただやみくもに怒っているのではありません。こんな広告を作っている暇があったらもっと現実と向き合って対策を立てるべきだという声が聞こえてきます。

・「子供をサポートする政策はない、安定した仕事がない、お金がない。子供を作れというのなら海外の例を見習ってよ」

女性や男性の年齢よりも、もっと別のことが原因で出生率が下がっていることに目を向けるべきだと主張される方がいました。
イタリアは失業率が高く、2015年5月時点で25歳以下の若者の約3分の1が仕事につけていない状況です。(EUの中で最も失業率が高いのはギリシャで50.4%、次にスペインで43.9%、そしてイタリアの36.9%となっています。)

そんな状況で産めと強制させられる国民の気持ちを理解できないのでしょうか。

・「私の雇用契約より、妊娠期間は、長く続く」

出典 https://www.facebook.com

遂にはこんな皮肉ったパロディ―広告まで制作する方が現れました。このポスターを紹介し「いじめだ」「女性が消費期限付きの商品のよう」「偽善だ」と批判するFacebookの投稿にも注目が集まっています。

・妊娠検査薬の結果

「海外へ行って仕事を探そう」
こんなイヤミを含んだイラストも登場しました。

まずは安定した仕事をとれるようにして、子供を安心して産める環境にすることがイタリアにとっての最大の課題だということが国民の声からひしひしと伝わってきますね。

・ちょっと日本のことみたい

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このイタリアのニュースを聞いて、少し日本と重なるなと思いませんでしょうか。止まらない少子化、やみくもに子供を産めと言われても産めない社会環境、たまに女性を産む道具として見ているような失言があったり…日本もイタリアと似たような状況にあるということです。
そして、日本も少子化の対策がまだまだうまくうてていないように感じますね。日本の未来、子供たちの未来のためにも私たちが出来ること、そして国にしてほしいことを改めて考えさせられる出来事でした。

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