記事提供:CIRCL

あおむけに赤ちゃんを寝かせていると、どうしても後頭部が平らになってしまい、頭の形がいわゆる「絶壁」になってしまうのではないかと心配になるお父さんお母さんは多い。

「絶壁」になるのを防ぐために、赤ちゃん用品売り場では「ドーナツ枕」という枕が売られているのだが、この枕、本当に必要なのかという疑問の声が上がっている。

なぜ、赤ちゃんの頭は絶壁になるのか

実は、赤ちゃんの頭蓋骨は最初から皆さんがよく知る形の丸い形をしているわけではない。板状の何枚かの骨でできていて、産まれたときにはこれがバラバラの状態だ。脳の成長が終わると、自然にこれがくっつく仕組みだ。だから、赤ちゃんの頭の骨はとてもやわらかく、同じ姿勢で寝るだけで変形してしまうのだ(※1,2)。

日本は昔からあおむけで寝かせることが多い上、うつぶせ寝が乳幼児突然死症候群の原因にもなることから、今ではあおむけで寝ることが推奨されている。だから、余計に後頭部が絶壁になることが多くなっているのだ。

絶壁を防ぐ?「ドーナツ枕」

赤ちゃんの絶壁を防ぐために開発された商品が「ドーナツ枕」だ。名前の通り、ドーナツのような丸い形をしていて真ん中がくぼんでいる枕だ。

これを使ってあおむけで寝かせれば絶壁を防ぐことができるというわけだ。イギリスではこの枕の売り上げが上昇しているという。日本でも赤ちゃん用品売り場に行けば普通に手に入る商品だ。

ドーナツ枕、実は危険!

ところが、シドニのジョージグローバスヘルス研究所のアレクサンドラ・マルティニウク教授は、ドーナツ枕は危険だと指摘する。赤ちゃんが寝返りなどしてうつぶせの状態になったときに窒息の危険をもたらすからだ。

ドーナツ枕がいわゆる絶壁に効果があるとの証拠はないが、ドーナツ枕が赤ちゃんの寝る環境を危険なものにしているという証拠はある」と話す。赤ちゃんのベッドはシーツだけの平らの状態しておくことが窒息事故を防ぐ最も大切なことだ。

絶壁は自然に治るもの

ドーナツ枕が使えないなら絶壁になってしまうじゃないか!と、最愛のわが子の頭の形を心配するお父さんお母さんの声が聞こえてきそうだ。確かに、一時的に絶壁になる赤ちゃんもいるだろう。

しかし、赤ちゃんの頭の形は、おすわりやたっちができるようになって一日中寝ているという状態を脱すると自然と治るものだから、多くは全く心配のいらないものだ。筆者も実は2人の子どもにドーナツ枕を使っていた。

しかし、男の子の方は寝ている間にもかなり動くので枕の上に頭があることはほとんどなく、結局、しばらく絶壁の状態だった。

病気が隠れていることも

また、注意が必要な場合がある。頭の形が絶壁、もしくはいびつだという場合は病気が隠れていることがあるのだ。遺伝子が原因とされていて、こうなると、ドーナツ枕を使ったところで治らないので、やはりドーナツ枕は必要はない。

筆者も1人の親として、子どもの頭が絶壁になることはどうしても避けたいと思ってきた。しかし、そんなことよりも、本当はわが子が窒息死するかもしれない環境を自ら作っているということに気付くべきなのだ。どちらを優先すべきか。答えはすでに明らかだろうと思う。

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