記事提供:子ある日和

これはある防音塗料のメーカーのWebサイトを作っていた時の話です。私はその時、防音素材のWebサイトを作っていました。

防音素材を作っているメーカーから、家庭で使える防音グッズを紹介したいとの要望があって、家庭の主婦にも見てもらえるよう、主婦だった私がメンバーとして選ばれました。

そのサイトには、例えば、子供の足音が下のフロアに響かないように床に敷くマットや、車の中を改造してスピーカーの聞こえを良くするシートなどを掲載することになっていました。

すると、商品の中に「吸音ボード」というものがありました。これは音の反射を減らすことができる素材でできたインテリアで飾るようなボードで、部屋の中の反響音を減らす商品です。若い女性が部屋に飾っても違和感のないデザインでした。

私は当時1歳の子供がいて、夜泣きもしていたので、「この商品なら、マンションの一室で赤ちゃんが泣いてあやしている時に、反響音を減らせていいですね。商品の紹介文に載せましょう」と言いました。

すると担当者はキッパリと「赤ちゃんの泣き声は騒音ではありません。当社の代表もそのスタンスでいますので、商品の売り込みをするときに、赤ちゃんの泣き声を騒音扱いするような表現はしません」というのです。

書いた方が売れるかもしれないのに?」と食い下がりましたが、「会社の方針です」と私の意見は却下。

担当者によると「もしも、お客様の方から、幼稚園の隣に住んでいるから、自宅の防音を対策したい、というような要望があればお答えしますが、宣伝文句には赤ちゃんや子供の声を騒音扱いするような表現は入れられない」とのこと。

また、そのサイトのメインとなるイメージには赤ちゃんが選ばれました。赤ちゃんがスヤスヤ眠っている写真をメインにして、『赤ちゃんが安心して眠れるような空間が作れるように』という意図が込められました。

担当者のお二人と、社長さんは、男性で、団塊世代より少し下の年代の方々で、その会社は一部上場の安定企業。奥様は専業主婦で、家庭のことはすべて女性が行う家が多かった時代に子育てをした人たちのはず。当然イクメンという言葉もなかったと思います。

それなのに、キッパリと「赤ちゃんの泣き声は騒音ではない」と言ってくれて、会社の方針にもなっているなんて、当時赤ちゃんを育てる母親として、本当に嬉しかったのを覚えています。

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