記事提供:Doctors Me

医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
映画や漫画の世界で「多重人格」の登場人物をみかけることはみなさんあるかとは思いますが、実は現実世界にも「多重人格」が存在することはご存知ですか。

病名は「解離性同一性障害」と呼ばれ、精神疾患の1つとされています。実態や症状はどのようなものなのでしょうか。

そこで今回は「解離性同一性障害」をテーマに、メカニズムや解決方法、周りがすべき対応を医師に聞いていました。

「解離性同一性障害」とは何ですか?

解離性同一性障害とは、解離性障害の1つであり、2つまたはそれ以上の、はっきり他とは異なるアイデンティティーやパーソナリティーが存在し、少なくとも2つが繰り返し患者さんの行動をコントロールするものです。

アルコールや薬剤の影響下にあるものは除外されるなど他にも細かい規定がありますが、いわゆる「多重人格」などとよばれてきたもの、といえばわかりやすいかもしれません。

解離性同一性障害の原因

原因としては、日常生活上のものを含め何らかのストレスや、トラウマとなるような出来事が関与しているといわれます。

トラウマとなる出来事にはたくさんの種類が考えられ、自然災害や虐待、交通事故や暴行、レイプや戦争体験など様々なものが原因となりえます。

解離性同一性障害の症状

■明らかにその人が行ったとしか考えられない状況において、自分がやったことを否定する

■よく知っている人に対して相手を全く知らないような行動をとる

■本人の年齢やもともとのキャラクター、社会的立場などにそぐわないような立ち居振る舞いをしたりする

■リストカットや大量服薬といった自傷行為を繰り返す

解離性同一性障害の治療法

精神科において治療を行います。ある程度の時間をかけて本人に安心感を与え、トラウマをいやすために精神療法を中心とした治療を行います。

また、うつ症状や不眠や強い不安感などに対して、薬物による治療も補助的におこなう場合があります。

身近な人が「解離性同一性障害」の場合の接し方

解離性同一性障害は解離性障害の中でも最も深刻な状態と考えられ、患者さんは多くのサポートを必要とするケースが数多くあります。

まず、本人が安心感や安全と感じられるような環境をととのえ、本人の症状悪化につながる刺激やトラウマを呼び起こさせるようなものを可能な限り排除することが大切です。

また、本人の話を落ち着いて聞いてあげることも重要ですが、解離性同一性障害の原因となったと思われる出来事については、無理に聞き出したり、強制的に本人に直面化させようとすることはしてはいけません。

解離性同一性障害の治療は通常時間のかかるものですが、可能なら担当の精神科医などと連携をとりながら、本人の一時的な症状にとらわれすぎず、腰を据えて協力していくことが大切といえるでしょう。

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難しい病気ではあるけど、着実に回復していきましょう

解離性同一性障害は、難しい病気ではありますが、本人やご家族・ご友人といった周囲の方の努力、精神科のスタッフなどの協力によって症状改善、回復された方もたくさんいらっしゃいます。

少しずつでも着実に回復していけるよう、見守っていきたいですね。

(監修:Doctors Me 医師)

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