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物男――。なにやら聞き慣れない単語だが、これは自らの身体を駆使し、ベッドやイスとして働く「専用肉体労働者」の総称である。いつの間にそんな職業ができたの? 

いやいや、これは無料マンガサイト「コミカワ」にて連載中の『物男』(永田一由)に登場する、世にも奇妙な職業なのだ。

本作の主人公・関戸直樹は物男歴5年の童貞。相棒となる西村秀吉は、物男歴20年の大ベテラン。関戸は特にやりたいこともなく、西村とともに、ただひたすらラブホテルのベッドとして勤務する毎日を送っている。

けれど、ある時、西村が負傷してしまう。そして、ベッドとしての役割を果たすことができなくなった彼は、そのまま廃棄されることに。そんな現実を目の当たりにした関戸は、物男を卒業するため、転職活動を決意。

十数社の面接を経て挑んだのは、大手家具メーカー・大角家具。そこで出会った新人デザイナー・森野みどりとともに、関戸はインテリア業界に革命を起こしていく……。

と、ここまで読むと、物男として働いていた関戸の下克上物語のように聞こえるが、実際はそうではない。関戸に求められているのは、物男のプロフェッショナルになること。森野の斬新なデザインを体現するため、関戸は結局、物男を卒業することができないのだ。

しかも、物男のプロになることはそう簡単ではない。特に童貞である関戸にとっては、女性との接触が大問題。イスとして役割を求められているのに、女性に密着されると局部がどうしても反応してしまう。その結果、森野からは「気持ち悪い」との烙印を押されてしまう始末。

女性との接触に対して過敏になってしまう童貞を描いたマンガは、たくさん存在する。それらがおもしろいのは、ラッキースケベ的な状況で右往左往してしまう彼らの姿に、若かりし頃の自分を重ねてしまうからかもしれない。

しかし、本作はさらにその上をいく。なんせ関戸は物男。家具として徹することが求められている彼は、女性に座られたとしても、ムフフな展開を期待してはならないのだ。だって、あくまでも彼はイスでしかないのだから。

目の前に女性がいるのに、触りたくても触れない。まさにこれは、寸止めプレイの極みだろう。童貞にとっての過酷な状況を設定に用いた本作。男性ならば誰もが共感を覚えるはず。関戸は物男として大成するのか、そして無事童貞を卒業できるのか。

ちょっと奇妙なお仕事マンガが、ここに誕生したようだ!

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