出典 https://www.amazon.co.jp

風邪の時のプリンやお粥、お弁当の唐揚げや卵焼きなど、人にはそれぞれ“思い出の味”や“家庭の味”がある。そのもの自体の味に加え、何かしらの思い出やエピソードが加わることで、それはその人の“特別”になる。

近年、そういった「食事」や「料理」をテーマにエピソードが描かれる漫画やアニメが増えている。この夏のTVアニメ『甘々と稲妻』も、妻を亡くし、男手一つで娘を育てる主人公・犬塚公平と、娘のつむぎ、そして公平が副担任を務めるクラスの生徒・飯田小鳥の3人を料理が繋いでいく物語だ。

そして、本作品に出てくる料理がエピソード付きで見られるレシピ本『甘々と稲妻 つむぎと作るおうちごはん』(雨隠ギド、帯刀陽:著/講談社)も登場した。

この本に出てくる料理は、派手なわけでも特別変わっているわけでもないが、3人にとっては間違いなく特別なもの。そこで、アニメを振り返りつつ、レシピ本をもとに料理を再現してみようと思う。

3話「つむぎとおまたせのハンバーグ」(P.12~P.13)

まずは、3話「つむぎとおまたせのハンバーグ」に出てくる煮込みハンバーグ。幼稚園で、ねんどでお父さんのハンバーグを作っていたつむぎ。途中でねんどが足りなくなり友達に貰ったところ、クラスの男子に泥棒呼ばわりされて大喧嘩。

一応仲直りはしたものの、その後も元気がないつむぎ。そこで、お父さんと小鳥はハンバーグを作ることにした。2人が選んだのは、失敗の少ない煮込みハンバーグ。目玉焼きも乗っけて、見た目もばっちり! ハンバーグを食べたつむぎは、抑えていた気持ちが溢れ出て――。

このハンバーグは、いたって普通のトマトソースで煮込まれた、シンプルな煮込みハンバーグ。しかし家庭的でシンプルな味だからこそ、つむぎの心に届き、心を溶かしてくれたように思う。凝った味付けもいいが、たまにはこういう王道ハンバーグもいいものだ。

隠し味にウスターソースとケチャップを加えることでトマトの酸味が和らぎ、子どもでも食べやすい優しい味わいとなっていた。

5話「お休みの日のとくべつドーナッツ」(P.24~P.25)

続いて、5話の「お休みの日のとくべつドーナッツ」で作られていたドーナツ。友達と映画に行った帰り、つむぎと知らない男性が2人で歩いているのを見かけた小鳥。小鳥は誘拐を疑い、2人を尾行する。

そんな中、男とつむぎの会話の中で、つむぎが「ドーナッツはおやつにはむずかしいんだよ」「おなかいっぱいになっちゃうでしょ」と言っているのを耳にする。

その後犬塚先生が現れ、男が誘拐犯ではないことも分かりほっとした小鳥は、「ドーナッツ作ってみませんか?」「明日のお昼ご飯にしよう」と提案。3人でドーナツ作りに励む。

薄力粉、強力粉、ドライイースト、グラニュー糖、塩、卵、牛乳、バターで作った素朴なドーナツに、チョコレートやハニーグレイズで甘さをプラス。出来立てのドーナッツは、特別に飾らなくてもそれだけでふわっと幸せな味がする。

つむぎも、ドーナツのイメージが「むずかしいやつ」から「おとさんとおやすみのひにたべる、うれしいやつ」に変わり、大満足の様子。

7話「五平餅とだいぼうけん」(P.30~P.31)

そして最後は、7話の「五平餅とだいぼうけん」に出てくる五平餅。風邪を引いたお父さんを助けようと、1人で小鳥の家へ向かったつむぎ。一方、つむぎが家にいないことに気付いたお父さんは大慌て。着の身着のままでつむぎを探しに出る。

無事小鳥と合流して帰宅途中のつむぎは、探しに来たお父さんを見つけて走り寄ったが……「勝手に外へ出るな!!」と怒鳴られてしまった――。

号泣してお父さんを拒絶するつむぎを見かねた小鳥は、おいしいご飯を食べさせて仲直りしてもらおうとご飯を炊く。しかし2人に気を取られているうちにご飯が焦げてしまった。そこで、そのご飯を使ってみんなで五平餅に挑戦することにした。

つぶしたご飯を丸めてお箸に刺して炙り、くるみ、ごま、味噌、醤油、みりん、砂糖をすり鉢でよく混ぜたものを塗ってさらに炙れば完成。みんなで熱々を食べる頃には、すっかり仲直りしていた。熱々の五平餅にかぶりつくと、どこか懐かしい、甘くて香ばしい味噌の味が心を癒してくれる。

この『甘々と稲妻 つむぎと作るおうちごはん』には、他にもみんなを繋ぐおいしいご飯がいろいろと掲載されている。本編である漫画やアニメを観て、本書で思い返しながら作ってみては?

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス