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生活習慣病の中で、もっとも患者数が多いといわれる高血圧。放っておけば動脈硬化を引き起こし、脳卒中や心臓病など重大な病気につながる可能性もあります。

「食事や運動には気をつけているから自分は大丈夫」と思っている人も多いかもしれませんが、睡眠に詳しい坪田聡医師(雨晴クリニック副院長)によると、睡眠不足は高血圧になるリスクを高めるといいます。いったい、睡眠と血圧にはどのような関係があるのでしょうか?

睡眠が5時間以下だと、高血圧になるリスクは1.7倍!

「睡眠の長さによって血圧の状態は変わる」と坪田医師。睡眠を十分にとっている健常者の場合、血圧は朝目覚めてから徐々に上昇して昼間の活動が活発な時にピークを迎え、夜になるにつれて低下していきます。

夜は日中に比べて10~20%ほど血圧が下がることでスムーズな入眠ができるようになり、睡眠の質も高まるそう。では、十分に睡眠時間が確保できない場合、血圧にどんな影響があるのでしょうか。

「睡眠時間を十分に確保できないと、自律神経の1つである交感神経が優位になり、アドレナリンなど血液中の興奮物質が増加します。結果、心臓の働きが強まり、血管が収縮して血圧が上昇してしまいます。

また、睡眠時間が短くなることでストレスを受ける時間が長くなり、交感神経が刺激されやすくなって、さらに血圧が上がるという負のスパイラルも生まれてしまうのです」(坪田医師)

睡眠と血圧の関係については、海外でも研究が進んでいます。25~74歳の健常者4,810人を対象に8~10年間追跡調査したという欧米の研究によると、32~59歳の中年層で平均睡眠時間が5時間以下の人は、高血圧になりやすいという結果が出たそうです。

さらに、47~67歳の健常者5,766人を対象にした別の研究によると、睡眠時間が5時間以下の女性は、7時間睡眠の人に比べて高血圧の割合が1.7倍も多いという結果もあります。

「これらの研究からも、睡眠不足は高血圧の大きな原因として注視すべきなのは間違いないでしょう」と坪田医師。1日でも睡眠不足になると血圧はすぐに上がり、それが2~3週間ほど続くと血圧の高い状態が慢性化してしまうそう。高血圧予防のためには、とにかく睡眠時間を確保することが重要なようです。

睡眠の質を高めながら高血圧予防できる“タマネギアロマ”!

仕事で多忙な日々を過ごす人は、睡眠時間を確保するだけでもひと苦労ですよね。
そこで、坪田医師に睡眠不足でも高血圧を予防するための、睡眠の質を高めるコツを教えていただきました。

(1)週1回、30分のウォーキング

快眠のためには、脳に「睡眠物質」をためることがポイント。睡眠物質は通常、普通に活動しているだけで疲労とともに蓄積されるものですが、加齢や怠惰な生活、デスクワーク中心の生活によってパワフルに活動できなくなり、動き回る機会が減ると量が減ってしまいます。

「それを避けるためには、脳ではなく身体を適度に疲れさせることが必要です。おすすめは週2回、各30分ほどの適度な運動。会社から一駅分歩いて帰るなど、軽い運動でも大丈夫です。運動も19~21時の間に行うと、身体の深部体温が下がってスムーズな入眠につながりますよ」(坪田医師)

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(2)刻んだタマネギを寝室に置く

香りも、快眠できる環境づくりに欠かせない要素です。手軽な方法として坪田医師が教えてくれたのは、なんと、タマネギを少量刻んで小皿に盛って寝室に置くこと。

「タマネギに含まれる硫化アリルという成分には催眠効果があり、嗅いでいるうちに心地よく眠れるんです。ただし、においが強いと逆効果になるので、量には気をつけてください。リラックス効果の高いラベンダーや催眠効果のあるシダーウッドなど、好みの天然アロマオイルを使うのもよいでしょう」(坪田医師)

しっかり眠るだけで、高血圧の予防はもちろん、そこから派生する生活習慣病の予防にもつながります。食事や運動に気を配ることも大切ですが、まずは気軽に始められる快眠法から睡眠の質を見直してみてはいかがでしょう。

監修:坪田 聡医師(雨晴クリニック副院長)

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