記事提供:AbemaTIMES

絶滅が危惧される太平洋クロマグロの資源管理について話し合う国際会議が、2日、閉幕した。

先月29日から福岡で開催されていた「中西部太平洋まぐろ類委員会」には、日本や中国、アメリカなど10の国と地域が参加。会議では、クロマグロの資源量が大幅に減った場合に発動する、緊急の漁獲規制について話し合われた。

太平洋クロマグロは、高級すしネタとして人気で幼魚の乱獲などにより資源が激減。親の魚の資源量はピークだった1961年のおよそ16万トンから、2014年には、およそ1万7千トンと1割程度まで減った。

日本は、1歳未満のクロマグロの量が3年続けて低水準だった場合、緊急の漁獲規制を、2年間実施することを提案。

しかし、アメリカが「規制を発動するまでの基準や期間などについて科学的根拠がない」と反論し、提案は見送られた。そしてアメリカが提案した長期目標の設定には、日本が難色を示し、何も決まらないまま会議は閉幕した。

AbemaTVの報道番組「AbemaPrime」では、スタジオに専門家を招き、さらに詳しく話を聞いた。

元・水産庁の参事官で、各国との漁業交渉の経験を持つ小松正之氏は、今の状態はすでに「禁漁すべき状態」だと語る。

そして、「(親マグロの量が)現在は全体の2.6%、これが20%に到達するまでは禁漁にしないといけない」と語り、今回の日本の提案は「資源保護を謳ったようで、ごまかし、まやかしです。アメリカは分かっているから、もっと常識的な提案をしなさいとしている」と、日本の提案に問題があると指摘する。

漁業資源のあり方などについて消費者に情報発信を続けている、マグロ仲卸・鈴与の生田與克氏も「日本では産卵魚を、“まき網”で獲っている。産卵魚の漁獲を止めないといけないのに、それを20年も平気でやっている」と、マグロ漁には様々な問題があることを明かす。

危険な状態が続くのはなぜか?との質問には、小松氏が「役人は、2~3年で変わる。『自分がいなくなった後に、なんとかやってくれ』という人が多い」と漏らした。

規制がかかることでマグロが食べられなくなるのが困るとの声に、生田氏は「(規制をかけることで)10年後も20年後も食べられるということ。自分の子供、孫が喜んでマグロを食べられる状態にするためには、自分たちが我慢しなければならない」と、考え方の転換を示唆。

生田氏によると、マグロは大きくなることによって価値があがるため、成長するのを待つ方が、最終的に漁獲金額があがるとのこと。

しかし、小さいマグロは価格が安いため「安く食べたいお客さんがいることで、小さいのを獲るという選択肢になっている」という。

「海外はきっちりと規制をかけて、大きいマグロしか獲らないというのをやっている。日本だけ“ひとり負け”」と、日本の漁業が異常であると訴えた。

無料 ニュースも音楽もアニメも24時間放送中! AbemaTV

この記事を書いたユーザー

AbemaTIMES このユーザーの他の記事を見る

AbemaTIMESは「見たい!」がみつかる情報ニュースサイトです。無料でみれるインターネットTV局『AbemaTV』の番組を中心に、ニュース映像や面白動画の紹介、著名人コラムやインタビューなど、選りすぐりの情報をお届けします。

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス