今年で“ピチピチの16歳”を迎えた「二千円札」

出典 https://twitter.com

さかのぼること16年前の2000年(平成12年)7月19日、西暦2000年を迎えたミレニアム記念の意味などを込めて発行された新紙幣「二千円札」。

筆者も初めて見た際にはそのデザイン性に感動したことを覚えています。封筒に入れて取っておいた記憶はあるのに、いつの間にか使ってしまっていたようですが。

発行当初は当然、大きな話題になりましたね!でも…

現役JK「二千円札?なにそれ、昔あった古札?」

Licensed by gettyimages ®

いいえ、発行は2000年ですから平成生まれの一番フレッシュなお札です。現役JKと同い年です。

現在も絶賛流通中の筈なのですが、目にする機会が激減したのも周知の事実。気がつけばお財布に入っていることもなくなり、その存在自体を忘れかけていました。

「二千円札」はなぜ消えた?

Licensed by gettyimages ®

二千円札が消えた理由をサーチしたところ「使いにくい」「支払機の対応にコストがかかる」といった理由が大きいみたいです。

普段から使い慣れている千円札、五千円札、一万円札は感覚的に区別がつきますが、二千円札って支払うときもお釣りを渡すときも、注意しないとうっかり間違えてしまいそうな気がしませんか?

実際に筆者は五千円札と間違えて渡したこともありました。二千円札で支払ったら、店員さんが五千円札と間違えて余分にお釣りを出して来たことも。みんな上手く使いこなせていなかったような…

さらに欧米諸国とは違い、日本は「2」を単位とするお金にこれまで馴染みがなかったことも理由で、ATMや券売機に2千円札未対応の機種が多かったことから、「使いにくい」と感じる方が多く、徐々に敬遠されていったというのがリアルなようです。

「二千円札よ、お前はどこにいってしまったんだい?」なんて思っていたのですが…

二千円札が最も集約されている土地はココ!

出典 http://www.irasutoya.com

全都道府県の最南端に位置する“沖縄県”

Licensed by gettyimages ®

沖縄県民の財布には「2千円札」が常備されているらしい

Licensed by gettyimages ®

・普通にお釣りで二千円札出してきた時は驚いた

・毎日のように二千円札を使用している沖縄県民は私

これは筆者が沖縄に行った際に現地在住の沖縄県民の友人に確認したのですが、確かに彼のお財布には二千札が常備されてました。

また沖縄のお店のレジキャッシャーには、2千円札用のスペースがあり、お札用スペースは計4つ設けられているのがスタンダードなんだそうですよ。

ATMでは二千円札を優先した取引ができる

出典筆者撮影

沖縄に旅行に行った際、銀行のATMに立ち寄ってお金を下ろそうとしたときのこと、右上に見慣れない文字表示「二千円札優先」というものがありました。

お取引金額1万円でこの優先ボタンを押すと、二千円札☓5枚で引き出すことが出来るんです。

二千円札がお財布に5枚も入ってる状況なんて、紙幣が発行されたばかりの2000年当時でもなかったことなので、何だか不思議な感覚になりました(笑)

・沖縄で9千円引き出すとこーなります

それにしても、なぜ沖縄県ではこうも“二千円札LOVE(高普及率)”なのでしょうか?その背景にあるのは…

・2000年開催の「九州・沖縄サミット」

出典 http://amview.japan.usembassy.gov

日本で初めての地方開催となった九州・沖縄サミット首脳会合は、2000年7月21日から三日間に渡り、沖縄本島名護市部瀬名の万国津梁館で開幕しました。

サミットには、議長国の森首相(日本)を始め、クリントン大統領(アメリカ)、シラク大統領(フランス)、プーチン大統領(ロシア)、クレティエン首相(カナダ)、ブレア首相(イギリス)、シュレーダー首相(ドイツ)、アマート首相(イタリア)、プローディ委員長(EU)が参加。

サミットでは、「一層の繁栄」、「心の安寧」及び「世界の安定」がキーワードとなり、紛争予防をはじめ、IT革命、重債務貧困国救済、感染症対策、貿易問題、国際犯罪や薬物対策、生命科学及び環境問題などの重要な討議が行われ、その成果は最終日に「G8コミュニケ・沖縄2000」として採択され、世界に発信されました。

出典 http://www.archives.pref.okinawa.jp

イメージソングを歌ったのは、沖縄県出身の歌手・安室奈美恵さん

出典 YouTube

「サミットってイメージソングとかあるの?」と驚く方もいらっしゃるかもしれませんが、『NEVER END』は、当時の内閣総理大臣である故・小渕恵三氏が、九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)のイメージソングを作曲してほしいと、音楽プロデューサーの小室哲哉さんに働きかけたことがきっかけで誕生。

安室奈美恵さんは2016年現在も、日本の音楽シーンに君臨する国民的シンガーの一人ですが、2000年当時はまさに絶頂期。そんな沖縄の大スターである彼女に、ぜひ歌って欲しいと首相直々のご指名だったそうです。

沖縄が輩出した歌姫が世界各国の首脳陣の集まるサミットでイメージソングを歌う…沖縄に住む人達にとって、九州・沖縄サミットが非常に大きな意義を持つイベントであったかは想像に難くないでしょう。

・二千円札には、沖縄の文化財「守礼門」が描かれている

出典 http://oki-park.jp

出典 http://www.ryugin.co.jp

二千円札は現行の紙幣で唯一、表に人物が描かれていません。表面には沖縄を代表する建造物である首里城「守礼の門」をデザインに採用。

琉球国 尚清王(在位1527~55年)の時代に創建されたもので、「守礼の門」は、透かしの中にも使われています。また、表面の印刷された「守礼門」と、透かしの「守礼門」は、それぞれ別の角度から見た図柄になっています。

出典 http://www.ryugin.co.jp

紙幣左側には、「源氏物語絵巻」(平安時代後期=12世紀)第38帖「鈴虫」の絵と詞書が描かれています。

紙幣右側下部の図柄は、「紫式部日記絵巻」(鎌倉時代前期=13世紀)に描かれた「源氏物語」作者の紫式部となっています。

沖縄をモチーフとされた紙幣が作られたのは史上初、さらにはサミットを記念して作られた記念紙幣ということもあり、沖縄県民にとって思い入れ、ゆかりが非常に強いというワケなのですね。

・もはや沖縄のソウルマネー!県を挙げて活用促進PRを展開

Licensed by gettyimages ®

沖縄では県をあげて2千円札利用拡散に力を入れています。たとえば琉球銀行では、給料日には役職員一人一人が二千円札へ両替し使用するなど、利用促進に積極的に取り組んでいます。

平成17年8月には当行役職員約1,300名が「二千円札大使」に認定されました。これにより、当行役職員一人一人が二千円札流通に向け、積極的に県内外にPRしています。

出典 http://www.ryugin.co.jp

「二千円札大使」なるものが千人以上もいるとは驚きです。都内ではすっかり息を潜め幻と化した感のある二千円札ですが、沖縄ではごく自然に使われ、日々の生活に溶け込んでいるのです。

二千円札拡散へのPRを強化し、地域活性化につなげていこうと県を挙げて取り組み続けている沖縄県。これなら普及率が高いのも納得というもの。

でも結局のところ、二千札って全国的には普及してないんじゃ…

沖縄県民は「二千円札が全国で普及してる」と思っている

Licensed by gettyimages ®

ある番組での意識調査では、二千円札の全国的な普及率がとても低い件について知らなかったという声も多く、その事実にショックを受ける県民の方も見られました。

たしかに都内などでは、二千円札は銀行などに赴いて要求しないかぎりは手に入れることも難しいですよね。ごく自然に二千円札に出くわしたら、まず驚いてしまうレベルです。

ちなみに二千円札って、“最新の偽造防止技術”が詰まったお札です

Licensed by gettyimages ®

お札を傾けると、表面左下には「2000」、裏面右上には「NIPPON」の文字が浮かび上がります。

表面右上の料額の文字「2000」は、角度を変えると青緑色から紫色に変わります。お札を傾けると、左右の余白部にピンク色のパール光沢のある半透明な模様が浮かび上がります。

目の不自由な方が識別できるように、ざらつき感のある点字の「に」をデザイン化しマークしています。表の印章(日本銀行総裁印)に紫外線をあてると、オレンジ色に光ります。

出典 http://www.ryugin.co.jp

偽造対策として講じられた最新のセキュリティ技術も、当時大きく取り上げられていました。「こんな試みがされていたとは知らなんだ…」という方は、改めて確認してみてはいかがでしょうか。

沖縄旅行のお土産に「二千円札」なんてのも面白いかも?

Licensed by gettyimages ®

二千円札を見たことがない世代には「なにコレ初めて見た!」、新紙幣発行の瞬間に立ち会った世代からすれば「懐かしい…!」となることは請け合い。

沖縄にお立ち寄りの際は、定番のお土産『ちんすこう』『泡盛』『沖縄そば』などもいいのですが、二千円札を贈ってみるのも面白いかも。いい話のネタになるかもしれません。

・2千円札もらった♥素敵

・美しい沖縄の守礼門、紫式部の和歌。一番大好きなお札

・デザインは2千円札が1番すきよ!

・お札は最高の広告なのです

毎日使うものなのにまじまじと見る機会もない紙幣ですが、ある意味、その国を象徴するモノでもありますよね。

「そういえば二千円札なんてあったな、使いづらいだけだった」という過去で終わらせずに、沖縄の人たちの生活に根付き、流通していったように「メイド・イン・ジャパンのお札は素晴らしい」と思い、思われるには、使う私たちが改めて感じ、考え直していくことってあるのかなと…

数年ぶりに二千円札と対面し、そんなことを感じた沖縄の一日でした。

この記事を書いたユーザー

hiraku このユーザーの他の記事を見る

ヘタクソながら執筆してます。読み手の発見、驚き、笑顔につながるような内容を心がけています。

得意ジャンル
  • インテリア
  • マネー
  • 動物
  • 海外旅行
  • 国内旅行
  • おでかけ
  • グルメ
  • 料理
  • テレビ
  • 恋愛
  • 美容、健康
  • ファッション
  • キャリア
  • おもしろ
  • ニュース
  • 音楽
  • 話題
  • 社会問題
  • スポーツ
  • インターネット
  • ライフハック
  • 広告
  • 育児
  • 暮らし
  • ゲーム
  • カルチャー
  • エンタメ
  • 感動
  • コラム

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス