電車やスーパーなどで、人前で騒ぐ子どもを叱りつける親を見かけることがある。子どもの反応にビクビクしながら「シーッ!」と小声で言い聞かせていたり、あきらかにヒステリックになっていたり。さまざまな叱り方の中で、どれが正しいのだろうか?

叱るという行為は、親にとっても子どもにとってもイヤなもの。子どもにとっては傷つくこともあるし、親は叱った後に自己嫌悪に陥ったりする。しかし、その後のことを考えれば、子どもは親の期待と愛情を感じることができ、親も叱った甲斐がある。

叱ることは子育てに必要だと説いた上で、間違いのない叱り方を伝授してくれるのが、『ほめるとダメになる!子どものしかり方実例百科』(宝島社)だ。

本書では、そもそも叱ることは親として当然の務めだとし、ここ10年ほど児童書などで推薦されている“褒め育て”は間違いだと指摘している。とにかく子どもを褒める“褒め育て”で育った子どもは、失敗を恐れ、踏ん張りの利かない大人になってしまう。

社会に出たら、褒められることなどそうそうないのだ。最近のビジネスの世界に増えているという、“叱られたら謝るどころか舌打ちをする”“異常に落ち込み、しまいには人前で大声で泣きだす”…そんな大人になりかねない。

では、どう叱ったらいいのか。叱るという行為は子どものためを思ってのこと。無意識のうちに、“親である自分が恥をかきたくない”といった、親の都合で叱ってしまう人は意外に多いというが、本当に子どものことを思って出た言葉であれば、きっと子どもの心に響く。

扱いづらい子どもでも、時にはケンカ覚悟で本音をぶつければ、お互いに見えてくるものがあるはずだという。

また、叱った時に子どもが落ち込んでいるとかわいそうに思いがちだが、叱る時は毅然とした態度を貫き、叱った後に容易に謝らないことも大事だと説いている。

叱った後に毎回謝ってしまうと、“お母さん(お父さん)が間違っていたんだから、自分は悪くない”と受け取られがちだ。

しかし、親だって間違えることもあれば、子どもに当たってしまうこともある。本書では、「バカ」や「ダメな子」など、子どもの行為に対してではなく、人格を否定する叱り方はNGとした上で、もしそういった言葉で子どもを傷つけてしまったら、「本当はダメなんて思っていない」とすぐに謝るべきだと述べている。

普段から子どもに愛情をかけていれば、少々の過ちでその信頼関係が崩れることはないのだとか。

シーン別の具体的な叱り方も紹介している。たとえば、電車の中などで騒いだ時は、「電車はみんなで楽しく乗るものだから静かにしよう」と、なぜ静かにするべきなのかをまず教えること。

それができない場合は静かに電車を降り、「どうして?」と聞く子どもに「静かにできないからだよ」と言い聞かせることで、自分が悪いことをしたからだと理解させることができるという。

本書では、叱ることは、子どもをしっかりとした大人に育てるために必要だと伝えている。もし叱り方に迷った時は、目先のことばかりにとらわれず、20年後、30年後の子どもの姿を想像するとわかりやすい、としている。

勉強するのは何のためか、片付けをするのは何のためか…自分で目標を持ち、それを守った時には毎回褒めてあげる。そうして“自己肯定感(=自信)”を育むことが、打たれ強く、自立した社会人になる手助けとなる。

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