記事提供:長谷川豊 公式ブログ

この1~2週間はキー局の方々との飲みが続いていました。私の古巣、日本テレビさん、そしてテレビ朝日さん。それぞれの職場でとても頑張っている皆さんです。

もともとキー局に14年務め、その後、こうしてネットの数社と提携し、キー局以外のテレビ局で多数のレギュラーを持ちながら、自由に発信する私のような人間は少数なので、意見を聞いてみたくなられたのでしょう。

とても光栄なことですし、そういう場で奥歯に何か挟まったような言い方をしたり意見をしたりすることはとても失礼なことだと感じました。

なので、全てはっきりと申し上げておきました。

2020年あたりで、テレビのバブル時代は終了するのですよ、と。

キー局はとても多くの情報に触れることが出来ますし、私などは特にその中でも世の中のニュースに最も触れる場所におりましたが、それでも外に飛び出してみて痛感することがあります。

キー局の正社員はあまりに「居心地が良すぎる」。

世の中の頂点に立ったような錯覚をしてしまいます。高すぎる年収。高すぎる知名度。そして圧倒的な影響力。

その場にいる自分を万能とまではいわないのですが、日本を動かしているような気にすら陥るときまであります。

そして、キー局の…しかも情報の先端にいると、本当に自分たちの発信した情報によって世論が動くことも事実としてあります。

なので、どうしても感じるのです。

「俺、スゲェじゃん」って。

これらは、戦後の日本の高度経済成長期の感覚にとても似ているものです。

何をしていても経済は成長し、何をしていても前年度よりも給料が上がり、何もしなくても社会は発展していきました。

これは政治が何をしたわけではありません。国に「一度は必ず訪れる」と言われている「人口ボーナス期」に入っていただけの現象にすぎません。

誰が政治家をやっても、誰が社会人になっても、男が会社で働こうが、女が家庭に入ろうが社会に出ようが…。

どんな状態でも発展するようになっていたんです。これらは今までの私のコラムでも指摘してきましたね。

大きく分けて「国単位」が「成長する」なんて…2種類しかないのです。

一つは人口が増えること。

今まで100人しかいなかった。で、100人がテレビを買いました、と。その人口が200人になれば、200台のテレビが売れますね。それは景気が良くなります。

もう一つは発展途上の国が「経済発展する」ことです。要は、100人の人間しかいないのに、30人しかテレビを買えなかった、と。

それが経済的に成長して80人がテレビを買えるようになりました、と。そうすれば50台のテレビが売れますしね。

実は、自称「専門家」を名乗る自称「識者」とか名乗る偉そうな連中が色々と言うんですけれど、政府レベルで経済に対してできることって、本当にほとんどなくて、日本では任天堂とか、マリオがどうとか言っていますけれど、それは政府は全然関係なくて「民間」が頑張ってるだけだったりします。

でも、日本の経済は…ただの「何にもしてないけれど発展してきたバブル期だった」ということを実感できずに、自分たちが大して能力もないことを認められない老害クンやアホたちが多いので、未だに日本の上層部には、「日本の経済をさらに発展させるためにはぁ!」とか言ってる人が多いでしょ?

いやいやいやいや。

日本の経済なんて、もうほぼ絶対に発展しません。石油でも突然湧かない限り、これから緩やかな後退に入っていくんです。緩やかに衰退していくんです。

それに対抗しなきゃいけないのに、それを理解できていない老害クンが多すぎて、色々と面倒なことになっているのが今の日本です。

とかいう悪口は今日は置いときまして…。

あるキー局の、中枢で働く方がおっしゃったんですよね。

「長谷川さん、僕はね、HUT(←テレビを見ている人の総人数)の低下を何とかしたいんだ。キー局を横につないで、日テレとフジのコラボとかでもいい。何とかしてテレビ業界を盛り上げたいんだ」

素晴らしいと思います。とても素敵な思いだと思います。

が、全部間違っています。

「テレビ業界を盛り上げたい」????

いえいえ、それが完全に間違っているんです。今までのテレビってのはですね…。

すでに盛り上がり過ぎていたんです。バブルのように。

今までが実力通りに評価されていなかったのです。今まではテレビしか娯楽もなかったし、日本の労働も基本的には朝から夕方までだったので、家に帰ったらテレビをつけて…っていうライフスタイルだったからそこにはまっただけです。偶然。

今は盛り下がっているんじゃないんです。

テレビを見る人が少なくなっているのは「当然の流れ」でしかなくて「今までがおかしかった」だけなんです。

娯楽はテレビだけじゃありません。情報の入手経路はテレビ以外でもいくらでも出来るんです。

テレビ局員たちが高座に胡坐をかいている間に、攻め続けた文春さんはスクープを連発し、汗をかき続けたインターネットの世界では、夜9時に発表になった最新の情報を9時1分には記事化して配信しているんです。

テレビごときが勝てるわけないでしょうが。こんなにノロノロ動いて、守りにしか入ってないメディアが。ネットをなめすぎです。

フジと日テレがコラボしました?で?

それって、メディア内部で喜んでいるだけです。フジと日テレがコラボして、視聴者が爆笑するんですかね?大喧嘩してくれるんでしょうか?

視聴率が欲しいのであれば、もし私がプロデューサーなら以下の企画にするでしょう。

「フジテレビが猛抗議!日テレの24時間テレビは感動ポルノそのものだ!」

「日テレが猛反撃!フジの上層部の女性関係を大スクープ!局長クラスが経費で女とホテルに泊まった現場を激撮!」

このレベルじゃないと、誰も相手にしないでしょ。逆に言うと、これを出来るのが文春さんです。もしくはあれですね。

「フジと日テレが猛抗議!『SMAPをつぶしたのはあなただ!』とメリー副社長を生追及!」

これくらいの企画なら多少は見るかな。今はそれくらいでなければ話になりません。でもどうせやらないでしょ?できないでしょ?

時代はとっくに変わっているんです。テレビ業界の一部のジジイババアたちが動かして好き勝手していた時代じゃないんです。

テレビは緩やかに衰退していきます。

でも、これは日本社会と同じで「衰退」じゃないんです。

「今までが単にバブル」だっただけで、実力以上の結果が出ていただけなんです。実力以上のお給料をもらっていただけなのです。それが「適正状態に戻ろう」としているだけなのです。

そこを押さえないと話にならない。

私が大手広告代理店の方などから提供していただいた複数の資料をもとに試算する限りでは…あくまで私の予想の範囲ですが、

2020年~2022年くらいの間に…広告出稿料というんですが「各企業が宣伝広告費のために使っている金額の総額」が、テレビとネットで逆転するはずです。

要は、テレビがネットに負けるときはあと数年でやってきます。そして、一度負けてからテレビへの広告料は飛躍的に落ち込んでいく時代に入ります。

今のテレビマンたちは、それを見越して戦わなければいけないのに、その危機感が全くまだ持てていないのです。

バブルの時代が気持ちよすぎて、未だに公共事業で道路を建設していれば景気が回復する、と与太話をしているアホ政治家と同じで、業界では今までしてこなかった日テレとフジのコラボです~と言った瞬間に視聴率が25%行くと勘違いしちゃってるんです。

未だにW浅野とか、旬の過ぎたタレントを画面に出しているだけで視聴率が取れると勘違いしちゃってるんです。

痛いでしょ?

でもこれはもうどうしようもないのです。

世界の流れはもう決まってしまっています。その流れに逆らうことはできません。

テレビはもうあと何年かしたらスマートテレビのアプリの一つにしかなれない時代が来ます。ネットフリックスやアマゾンTVと並んで、日テレやフジのアプリが画面にあって、それを「選ばれる」時代にしかなりません。

広告収入は絶望的に下がることでしょう。これはもう、世界では当たり前の流れでしかないのです。

やれることと言えば「自分たちの勝手な理屈で守りに入るのではなく、視聴者が見たい、聞きたい情報は全部出すこと」以外にありません。

なぜこのご時世に、TOKYO MXの「5時に夢中」と「バラいろダンディ」は視聴率を伸ばし続けているのか。放送内容はほとんど放送事故であるにもかかわらず、ここまで支持を増やせるのか。

それは、「勝手な自主規制」を徹底的に排除しているからです。

放送は自由なのです。

それは憲法で保障されているのです。

それを問題が起きたら自分たちの出世に響くので、とあれもダメ、これもダメ、と言ってるうちはキー局の未来はありません。

私は、皆さんに東京オリンピックで始まったテレビの歴史は東京オリンピックで終焉を見る、とお伝えしておきました。

初代東京オリンピックで、テレビのバブルは始まりました。しかし、2020年、東京五輪が終われば、ネットとテレビの広告出稿費用は逆転する…つまり、テレビはネットに敗北することでしょう。

もうその未来は目の前まで来ているのです。

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