出典Shutterstock

10万人に達するとも言われる介護離職者ゼロを目指し、「介護休業制度」が改正、2017年1月から施行予定となりました。

無料メルマガ『採用から退社まで! 正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ』では、すべての介護問題を抱える方の救いとなるこの制度の詳しい内容と、改正法施行に伴い企業に求められる改善策が詳しく解説されています。

御社の就業規則には、介護者の残業免除の定めがありますか?

8月11日の読売新聞の記事によると、来年1月から、家族の介護をしている労働者の残業を免除する制度を企業に義務付けるそうです。これは、「介護離職ゼロ」を目指す働き方改革の一環です。

現在でも、法律で介護休業制度が定められていて、93日までの介護休業が取れることになっています。今回の残業免除の制度は、正社員だけでなく、パートさんなどでも利用することができます。それも、介護対象家族が亡くなったり、症状が回復して介護が必要なくなるまで利用が可能です。

介護は、平均で5年間続くといわれています。仕事と介護の両立ができなくて、やむを得ず離職する人も増えています。その介護離職を減らすための制度です。

よっ! さすが、厚労省! いい仕事してるねェ。

ただし、この制度を利用していく上で、御社が考えなければならないことが2つあります。

企業が改善すべき2つの「問題点」とは?

1つ目は、残された従業員の負担が増えること。当然、従業員の一人が残業を行わなければ、同じ部署の残った人たちに、その負担が回ってきます。彼らの不満をどう解消するかは、大きな問題です。

また、そのような中で、この制度を利用することに引け目を感じたり、あるいは、いじめや差別の対象となってしまい、結局は離職することになる可能性もあります。

そうならないために、この機会に御社でも、全社的な労働時間削減に取り組んでみては如何でしょうか? 全部署で「残業ゼロ」を目指して、業務の一からの見直しを行ってみてはどうでしょう?

問題の2つ目は、残業を行わないことによって、人事考課や評価で低く査定されてしまうことです。キャリアアップをあきらめざるを得なくなることです。

家族の介護を行う従業員の多くは「中高年」です。高い役職についている人も多いでしょう。制度を利用することによって、彼らが降格やこれからの昇進をあきらめなければならない事態になれば、結局、制度利用も進みません。

ここで、御社にご提案です。御社の評価基準を、期間ではなく「時間あたりの業績(成果)」に変更しませんか?

今まで、1ヶ月間の業績、半年や1年間の業績で評価していたと思います。そのような期間あたりの評価では、どうしても、遅くまで残業した人間が有利になります。そうではなく、時間あたりの業績、要は「生産性」の高い人間を評価する制度に変更してください。

たとえ、短時間勤務であっても、時間あたりの業績が高ければ、高い評価を与える制度に変えてください。

きちんと見直せば会社にとってもこれだけのメリットが!

1つ目、2つ目の見直しをセットで行うことによって、御社の全従業員の「ワークライフバランス」が実現します。さらに、従業員のこころと体の健康、御社への愛社精神の向上に役立ちます。

当然、介護者だけでなく、育児中の女性にも喜ばれます。女性の活躍推進にもつながります。是非この機会に、「残業ゼロ」を本気で目指す業務の見直しと、評価制度の「生産性」に着目した基準への変更を考えてみてはいかがでしょうか?

なお、この「介護者の残業免除制度」については、就業規則への明記が求められますので、合わせて、就業規則の変更も行う必要があります。

以上を踏まえて、あらためてお聞きします。「御社の就業規則には、介護者の残業免除の定めがありますか?」

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス