最初に就職してから、定年退職時まで一つの職場でずっと働き続けるという人を、あなたは身近に知っているかもしれません。あなたのお父さんだったり、お母さんだったり、もしくは今の自分だったり…。「嫌なら止める」という軽い気持ちで仕事に就く人がいる中で、コツコツと真面目に何十年も勤務するということはそれだけで尊敬に値するものではないでしょうか。

どんな職種でも、同じ職場で長年働くということはそれだけの忍耐が必要。また、キャリアを積む一方で、様々な人間関係や会社の組織への不満など、多くの問題を抱えていくことになることでしょう。

仕事があるだけでも幸運だという現実をつい忘れがちの私たちは、時に「もう辞めてしまいたい」と思ったことがある人も決して少なくはないでしょう。

32年間、ずっと同じ職場で懸命に働いてきた一人の女性が、このほど52歳で退職を迎えました。彼女の名は、フリーア・ディヴィッドさん。米マサチューセッツ州ニーダムのマクドナルドで勤務していました。

勤務先では、退職祝いのパーティーが行われた

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8月29日、フリーアさんの退職祝いを記念して長年の勤務先だったマクドナルドでパーティーが催されました。総勢100人以上の人が駆け付け、フリーアさんを祝いました。

勤務し始めた頃のフリーアさん

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この時、フリーアさんは20歳でした。週に5日間、11時~2時までの3時間でしたが一度も休むことなく、遅刻もせずに32年間勤めました。

家族や友人、そして近所の人たちやこの店の常連客という大勢に「お疲れさま」の言葉を投げかけられたフリーアさん。フリーアさんが勤めた32年の間に、店のスタッフもマネジャーもいろいろ代わりました。この日は、過去のスタッフもみんなお祝いに駆け付けて来てくれたそう。

「彼女はただのファストフード店を、それ以上の店にしてくれた」とフリーアさんの同僚がコメント。「彼女は、いつも明るくて笑顔で、みんなに愛されていたよ。誰もがフリーアをリスペクトしていたんだ。」ダウン症だからというのではなく、フリーアさんの人となりを受け入れて、スタッフもお客さんも接して来たのでしょう。

「もうこの店からいなくなるなんて寂しくなるね」というみんなの声に嬉しさを感じながらも、フリーアさんは「退職した後の生活も楽しみ。ゆっくりテレビを見たりリラックスしたい」と語っているそうです。

ダウン症の人はどんな仕事をするの?

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筆者の住むイギリスでは、重度のダウン症でない限りみんなと同じ学校の同じクラスで学びます。学習のスピードが健常者よりもゆっくりになりがちなので、個人授業を受けさせる学校もあるようですが、「できるだけ他の子供との関わりを持たせたい」という親や学校側の配慮により、様子を見ながらみんなと一緒に勉強させている学校がほとんどです。

そして、ダウン症の人が仕事に就ける機会も多くなってきています。これは日本でもそうだと言えるのではないでしょうか。個人のレベルもありますが、パン作りやグループで何かを作るという行う簡単な作業をするケースや、フリーアさんのようにファストフード店などのサービス業で働いたり、事務職に就いている人もいます。

最近では、社会がダウン症の人を受け入れる機会が増えたことで彼らにも仕事のチャンスが広がっている様子。ただ、仕事が与えられても、フリーアさんのように長年同じ場所で働き続けるというケースは、実際には少ないかも知れません。

個人の理由や雇側の事情により、いくつか職を変わらなければならなかったりすることは、誰にだって起こり得ることでしょう。だからこそ一店舗で長年勤め続けたフリーアさんは、周りにとてもリスペクトされていたのでしょうね。

彼女自身の熱意と忍耐力、そして笑顔で務めた32年間という年月。どんなことでも「続けていくこと」が人生の糧となり美徳なのだとフリーアさんから学んだ気がします。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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