今や、将来の夢がYouTubeに動画を投稿する「ユーチューバ―」と言う子供までいる時代になりました。セルフィーと同じく、コスメブロガーたちがメイクアップのチュートリアル動画を投稿するというのなんて珍しくもないでしょう。

現在、自身のメイクアップチュートリアル動画をYouTubeに投稿し、200万人超えの閲覧数を持つ話題のアーティストがいるのをご存知でしょうか。

マリマー・キロアさん、21歳

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マリマーさんは「のう胞性ヒグローマ」という疾患を持って生まれてきました。マリマーさんの場合、染色体異常による先天性疾患でした。胎児の8割~9割が死亡してしまうという危険率が高い疾患ですが、マリマーさんは現在21歳。気管に問題があるために呼吸や食事にはチューブを通してしかできません。

嚢(のう)胞ヒグローマとは、通常、赤ちゃんの首や頭の上に現れる異常な増殖です。この障害は、多くの場合、赤ちゃんは子宮にまだある間に発生します。しかし、ヒグローマは、出産後に現れることもあります。嚢胞性ヒグローマは、リンパ系における閉塞によって引き起こされる液体で満たされた袋です。嚢胞性ヒグローマは、流体で満たされた1つあるいはそれ以上の嚢胞から成ります。一般に、それらの嚢胞は、時間の経過とともに大きくなります。

出典 http://ja.healthline.com

マリマーさんは、言葉を話す代わりに手話でコミュニケーションをしています。メイクアップアーティストとしてはまだ数年目ですが、マリマーさんが2014年に投稿した動画が200万人以上の閲覧回数となり、たちまち「話題のVlogger(ヴロガー)」として人気に。

強烈なインスピレーションを受ける人たちが続出

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カリフォルニア州在住のマリマーさんは、生まれつき顔に大きな腫瘍があったために外に出る時はそれを隠していたこともあったそう。でも、ある日を境に「これが自分なんだ」と受け入れるようになったというマリマーさん。

自分は綺麗。自分は何だってできる。そうポジティブに思いメイクアップアーティストへの道を志しました。そして習い始めて間もない頃に投稿した動画があっという間に人気になり、更に自信がついたと言います。

ネット上に溢れる画像や動画の中で障がいを持つ人たちは、「閲覧注意」「衝撃映像」といったネガティブなアングルから捉えられるという傾向にあります。それは、私たちの中に「健常者が基本」という暗黙のルールが敷かれているからではないでしょうか。

マリマーさんのように、一見してわかる障がいを抱えていても手話でコミュニケーションをし、メイクの技法をマスターし、自らモデルとなってチュートリアル動画を投稿するということは、視聴者にとっても斬新であったに違いありません。

もちろん、ネットの世界は賛否両論が常にあります。マリマーさんの動画を見てポジティブな意見を寄せる人もあれば「猿みたい」とネガティブなコメントを寄せる人もいます。でも、マリマーさんはそんなマイノリティに屈しない強い精神力を持っています。

それは、彼女が生まれてからずっと自分の容姿と向き合ってこなければならなかったからこそ、自分を受け入れて周りの批判は聞き流すというライフテクを身につけることができるようになったのでしょう。

「ジロジロ見られても、目を逸らしたりしないわ」

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マリマーさんは、今では自分に絶対の自信を持っていると言います。その強さは、外に出る時には強い味方となってくれるのだとか。「もし、知らない誰かが私をジロジロみても、決して目を逸らしたりはしません。むしろ、その人をじっと見つめるの。」

母のマリアさんは出産時まで気付かなかった

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マリマーさんには弟と姉がいます。母親のマリアさんは出産時までマリマーさんの異常に気が付かなかったそうです。難しい思春期を辛い思いで過ごして来たマリマーさん。今日に至るまでいろんな治療をして、腫瘍が少し小さくなったと言います。聴覚障がいもあるというマリマーさんを支えてきたのは、やはり家族でした。

「娘のどんなチャレンジにもサポートしていく」

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母のマリアさんは「娘はとっても活発です。まだ若いし、あの子がやりたいことを何でもサポートしたいと思っています」と語っています。

マリマーさんは、「私にとって、美というのは自分自身を受け入れ、他人からのネガティブな意見は無視することなんです。自分がどう見られているかとかどう思われているかとかは全く関係なく、自分のイメージを受け入れることが大切」と美の定義を述べています。

ズンバクラスのインストラクターもしているマリマーさん

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メイクアップアーティストとしてだけではなく、ズンバインストラクターもしているマリマーさんからは、自分に自信をもって、これからも自分の可能性を広げていくという前向きなパワーが感じられます。

そんなマリマーさんの大ファンであるのは、やっぱりお母さんとお姉さん。小さい頃から障がいを持つ家族と一緒にいることは「大変なこと」だというお姉さん。世間は何もわからずに、見た目で評価したり批判したりする人が多いために、外に出るとそうした視線を味わわなければならず、辛い思いをしたこともあったと語っています。

でも、家族が共にサポートし合ってきたからこそマリマーさんはここまで強くなれたのではないでしょうか。障がいを持つ女性がメイクアップアーティストになってはいけないという決まり事などどこにもなく、マリマーさんの自分を受け入れた姿にインスパイアされ、美しいと思う人は決して少なくありません。

出典 YouTube

マリマーさんは、YouTubeでファンを増やしているだけではなく、Instagramにも約45,000人のフォロワーを持っています。

自分の容態が、将来どのような影響を及ぼすかはまだわからないというマリマーさんですが、いずれ結婚もしたいし子供も欲しいとメディアに語りました。メイクアップアーティストとしていろんな場所に行き、多くの人に自分の人生やメイクを伝えていきたいと。

マリマーさんを見ていると、ポジティブなパワーが漲ってくる感じがします。それだけ多くの人にいいインスピレーションを与えているのでしょう。「強い」女性というのはどんな時代でも女性の憧れであり、美しさの象徴。マリマーさんの美への定義は、この先、私たちが思っている美意識を変えてくれるかも知れませんね。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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