出典 http://www.family.co.jp

コンビニエンスストアにまつわる様々な話題を、業界の事情に詳しいライターの日比谷新太さんが徹底分析する当シリーズ。

前回の機能性ヨーグルトに続いて、今回はサークルKサンクスとの統合を今年9月に控えているファミリーマートを取りあげます。コンビニ業界の勢力図は、この統合によりどう変わるのか。また、それに向けてにわかに浮上している問題点とは…?

合併成功のカギを握る店舗戦略

ユニーグループ・ホールディングスとの経営統合を今年9月に行う、コンビニエンスストア大手のファミリーマート

両社のコンビニチェーンは、ファミリマートブランドで一本化することになっており、ユニー傘下のコンビニチェーンとして長らく愛されたサークルKサンクスは、その姿を消します。

コンビニチェーン同士によるシェア争いですが、店舗数では現在約1万8000店を有するセブンイレブンがトップの座にあり、それをローソンとファミリーマートがそれぞれ約1万2000店で追う形でした。

ちなみに、今回統合されるサークルKとサンクスですが、あわせて約6000店存在します。今回の経営統合によってファミリーマートの店舗数は、ローソンを大きく引き離してセブンイレブンに肉薄。コンビニ業界の勢力図が大きく変わる格好となります。

いっぽうで、サークルKとサンクスのうち約1000店舗が、今回の統合にあたって整理されると発表されました。では実際に、どのエリアの店舗が整理の対象になるのでしょうか。まずは以下の表をご覧ください。

この表では、縦軸で各都道府県ごとのファミリーマートとサークルK・サンクスの店舗数を表し、横軸ではコンビニ1店舗あたりの人口が少ない都道府県を、右から順に並べています。

コンビニ1店舗あたりの人口が最も少ないのは北海道で1879人。逆に1店舗あたり人口が最も多いのが鹿児島になります。

もちろん、コンビニ以外の小売業も各地には存在するので、一概には言えませんが、横軸の左側にあるのは競争環境が厳しい都道府県で、逆に右側は競争の比較的緩やかな都道府県となります。

統廃合にあたっては、地域(エリア)ごとの出店状況・競争状況を考慮して、残す店舗・閉店する店舗が決定されます。

大雑把ですが、上の表で示された競争環境が厳しい都道府県では、サークルK・サンクスの店舗がすんなり業態変更できるのか、大いに疑問です。

コンビニはご存知の通り、多くの店舗がフランチャイズ・チェーン方式(FC方式)を取っています。今回のような統廃合が行われる際、対象となる店舗のオーナーは店舗の移転、あるいは加盟店契約を解除されることもあります。

今回の経営統合が成功するのかどうかは、合併後の店舗戦略にくわえ、FC加盟店オーナーとの交渉にもかかっているのではないでしょうか。

FC加盟店契約の見直しで何が変わる?

今回の経営統合に合わせ、ファミリーマートはFC加盟店との契約を全面的に見直すと発表しています。

報道によると、これまでのFC加盟店契約条件を変更することで、本部に支払うロイヤルティは増えるものの、水道光熱費や商品廃棄の損失の一部は本社が負担する、という内容です。

そこで今回筆者は、公開されている情報(平均日販やFC加盟時のモデルP/L)と、私自身のこれまで得て来た知見を組み合わせて、FC加盟オーナーの手取り収入が契約条件見直しでどう変わるのかを、独自にシミュレーションしてみました。

ファミリーマート本部が今回の契約条件変更で狙っているのは、廃棄ロスを本部が一部負担することで、食料品の発注が積極的になって欠品が減り、売上が伸びるということです。

荒っぽい計算をしてみますと、平均日商が600千円を超えると、加盟店オーナーの利益が増えることが分かりました。

では、サークルKやサンクスのFC加盟店が、ファミリーマートに業態転換するとどうなるのでしょうか。

それぞれのチェーンのIR情報から平均日販を確認し、同様にシミュレーションを行ってみたところ、FC加盟店オーナーの手取り金額は、年間で約▲220万円となってしまいました。

これは、サークルKやサンクスの本部ロイヤリティが、ファミリーマートとは異なることが大きな要因でした。

これまでサークルやKサンクスを経営してきたFC加盟店オーナーは、たとえファミリーマートに残れたとしても、厳しい道のりが待ち構えることとなりそうです。

文/日比谷 新太(ひびや・あらた)

日本のコンビニエンスストア事情に詳しいライター。お仕事の依頼はコチラ→のメールまで:u2_gnr_1025@yahoo.co.jp

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