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将来の夢や希望を叶えたくても厳しい経済状況にいる学生に対し、進学に必要な経費を援助する目的でつくられた奨学金というシステム。

大学生の2人に1人が利用していると言われていますが、近年では、返したくても返せなくなり「自己破産」する若者が急増。

さらに、通常の自己破産とは違い、本人が自己破産しても身元保証人になった親に請求がいくこととなるため、親までも破産するケースが相次いでいます。

将来の夢を叶えるために利用した奨学金で、一体なぜそんな結末となってしまうのでしょうか…。

■そもそも奨学金とは?

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進学に必要な経費を援助する目的でつくられた奨学金。運営している組織は、国や地方公共団体による公的団体と、学校独自や民間の団体などが行うものとに大きく分けられています。

受け取る奨学金は、そのままもらえて返さなくてもいい「給付型」と、卒業後に返さなくてはいけない貸与型があり、貸与型の場合は借りた金額だけを返す無利子タイプと、借りた金額に利息をつけて返さなくてはならない有利子タイプがあります。

支払が滞ってしまうと、利子に加えて延滞金まで上乗せされてしまい、元金を大きく上回ってしまうこととなります。

■奨学金のために苦境に陥ることも…

約600万円の奨学金を借りましたが、就職したのは非正規の保育士の仕事。給与は平均で月14万円で、家賃や食費、光熱費を支払うと月5万円の奨学金を返済する余裕はほとんどありません。結婚を考えていた恋人もいましたが、お金のことで迷惑をかけたくないと婚約を解消。

出典NHK「クローズアップ現代+」より

600万円という大きな負担に対して、非正規雇用の低賃金。婚約も解消し、彼女に残された道は「自己破産」しかありませんでした。

夫の奨学金が負担でたまりません。初めて本気で離婚したいと思ってしまいました。奨学金は約500万です。中小なので手取りは20万そこそこ、42歳まで毎月3万円を支払わなければなりません。その月3万円が、今の私にはとても重いです。

出典 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

こちらの女性は第一子を妊娠して夫の奨学金が大きな負担となり、離婚を考えているそうですが、「結婚に踏み切れない」「結婚を断られた」「相手の親が許してくれない」など、奨学金が足かせとなっているケースが多く見られます。

卒業後、無事に就職が決まり、月々2万2000円の返済が始まった。しかし最初は払えていたものの徐々に滞納。奨学金の窓口に減額などを求めても認められず、矢のような返済の催促が来る。病院代なども滞り、消費者金融にお金を借りた。

出典フジテレビ「ノンストップ!」より

こちらの女性はその後、身体を壊して4年で退職。2年以上奨学金を滞納することとなり、司法書士に相談して自己破産の道を選択しました。矢のような返済の催促が来るなんて、まだ20代前半の女の子からしたら恐怖でしかありません。

■「日本学生支援機構」が回収を強化した背景が…

出典 https://ja.wikipedia.org

最も広く知られているのは、国の独立行政法人である「日本学生支援機構」の奨学金で、多くの人が大学、短大、専門学校等への進学にあたり利用しています。

国からの予算と、利用した卒業生の返還金によって運営されている日本学生支援機構ですが、若者の自己破産が増えている原因の一つに、この組織が奨学金の回収を強化したことが挙げられます。

「回収が厳しくなったというよりは、通常の金融の枠組みで仕事をするようになったとご理解いただければ。一番苦しいのは日本学生支援機構なんです。若者の給与水準の低下の中から回収していって次の世代の貸与原資をひねりださなければいけない」

出典NHK「クローズアップ現代+」より

日本学生支援機構の遠藤勝裕理事長は、回収が強化された背景について、通常の金融機関と同じ枠組みとなったためと回答。

この組織は、返還期限の猶予や減額制度、返還免除の救済手段を設けてはいますが、利用条件が厳しいことや、周知が不十分で、利用できる人も利用していないのが実状です。

■4人に1人が500万円以上の借金を抱える現状

出典 http://www.gettyimages.co.jp

全国大学院生協議会から、大学院生の半数が奨学金を借入し、その4人に1人が500万円以上の、10人に1人が700万円以上の借金を抱えているという調査結果が発表されました。

そして、日本学生支援機構の発表では、平成27年1月時点で奨学金を返済している人は約329万人、それに対して1日以上の延滞者は約32万人、3か月以上延滞している人は約17万人にも上ります。

裁判所から督促を求められたケースは年間8400件で、この10年で40倍にも増えているのが現状です。

■滞納している人への督促の仕組み

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滞納者への催促。まずは返済予定日を過ぎると5%の延滞金が上乗せされます(※奨学金のタイプや返還期日によって2.5%〜10%のレンジがあります)。

そのまま延滞が3ヶ月続くと個人信用情報機関に登録。いわゆるブラックリストに登録されるので、数年間はローンを組んだりカードを作ることは出来ません。

それでも返済できずにいると、債権を回収する専門会社が会社や自宅に来たり、執拗な取り立てをされるようになります。

最終的には裁判所から一括返済を求める督促通知が届くことに…。

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裁判所から督促が届いても一括返済なんて出来るわけがなく、ブラックリストに登録されていますので他社から借りて返済することも出来ません。

返済のために風俗店でバイトをする女子学生が増加している現状で、最終的には「自己破産」するしか選択肢がないのです。

学生に対し、通常の金融機関のようにブラックリストへの登録や、たった9ヶ月で裁判まで進んでしまうというのは厳しすぎる気がします…。

■さらに本人が自己破産しても、次は家族に請求が…

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奨学金を借りる際には連帯保証人と保証人が必要となり、借りた本人が自己破産を選択しても「連帯保証人→保証人」の順に請求が行くために、親や親戚が払っていかなければならなくなります。

次男が850万円の奨学金を返済できず、自己破産。連帯保証人だった父親に一括請求されましたが、父親自身もそんな余裕はありません。民事再生という方法で200万ほどに減額し、分割で払うことにしました。払えなかった残りの600万円は、保証人となっている別れた母親の元に請求が行きます。

出典NHK「クローズアップ現代+」より

このケースでは連帯保証人の父親が払えない分は、保証人である母親へ請求されることとなりましたが、専業主婦である母親も到底払えず、ご家族までも自己破産を選択するしか道はありません。

次のケースはもっと最悪です。

わずかな年金で暮らす釧路市のAさん(80歳)夫妻は昨年3月、日本学生支援機構から265万円の支払いを求める法的手続きを起こされて驚愕した。10年前に病死した息子の「奨学金」だった。支援機構から長年連絡はなく、寝耳に水だった。265万円の内訳は、残元本が107万、それに150万円もの延滞金が加算されていた。

出典 http://www.mynewsjapan.com

日本学生支援機構には死亡免除規程がありますが、手続きがされていないこと、延滞した場合は適用できないことなどの理由で、亡くなって10年後に突然の請求。Aさん夫妻には絶望しかありませんでした。

■ネットの声

日本文化を学びたくて大学に進学し、奨学金という名の借金は実に1000万円、アルバイト3つ掛け持ちしている。働き過ぎで体調を崩し大学に通えなくなるが大学中退したら何のために奨学金を受けたのか分からないし、退学しても奨学金という名の借金は残る。今の夢は「卒業」だという

出典 https://twitter.com

奨学金は借金ということを理解して借りないといけません。将来の夢があったはずなのに「卒業」となるのも切ないですね。

確かに美術系行くなら奨学金借りるの大不可避なんどけど、身近なケースとして美術系出で8桁奨学金借りてる若手教員の方がいて、その方の収入と奨学金返済の固定支出と休みの量を考えると控えめに言って地獄なんだけど正直それを踏まえると奨学金借りるの心底怖い

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1000万円以上借りている知人の収入と支出を考えると、控えめに言っても地獄とは…。20代そこそこでそれだけの借金を抱えてしまうのはやはり恐ろしいことです。

とりあえず今は勉強だけど奨学金の事が凄く怖い。給付型じゃなくて貸与型だから返さなくちゃいけないけど、本当に返せるのかなって思っちゃう。不安しかない

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勉強に集中したいけど、奨学金を返せるかが不安…。

大学進学しないと就職に不利→奨学金で入学→生活と奨学金返済のためバイト→バイトたくさん入れないと生活困難→留年または退学。学びたい人が学べて、学んだことが社会に活用できるそんな世の中にならないかしら。

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学びたい人が学んで、学んだことを社会に活用するために利用する奨学金なのに、それでは本末転倒です。

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高額な学費や両親からの仕送り減額、低賃金での非正規雇用の広がりや賃金上昇も望めないないなどの雇用情勢の悪化。奨学金破産は、様々な問題が絡んでいます。

救済措置の簡易化や、学費の引き下げ、返還の必要のない給付型の奨学金を増やすことなども求められます。

奨学金制度が、進路を選択するときの足かせとなってはいけませんし、若者の未来を、日本社会の構造的問題の犠牲にしてはならないと、強く思います。

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