記事提供:AbemaTIMES

稲田朋美防衛大臣がかつて頻繁に海賊が登場したソマリアの隣国・ジブチを訪れ、当地で活動を行う自衛隊の視察を行うとともに、P3C哨戒機に搭乗し、洋上の状況を確認した。

ソマリア半島に面したアデン湾は、日本の船が年間1600隻航行するエリアである。

海上自衛隊は2009年から海賊対策に乗り出し、同年217件だった海賊事案はそれから2010年に219件、2011年は237件と横ばい状況に。2012年には75件に減少し、2013年は15件、2014年は11件で2015年には0件となるなど成果をあげている。

25日、この海賊について、AbemaTVの報道番組『AbemaPrime』に元海上自衛隊特別警備隊員の伊藤祐靖氏が出演して詳しく解説した。伊藤氏によると海賊の定義は「海の上で、武力をもって物を盗ろうとしている人」だという。

海賊に対しては海上自衛隊を含め、各国の海軍が対応しているが、果たして海賊は陸に逃げた場合はどうなるのか。

これについて、東海大学海洋学部教授の山田吉彦氏は、ソマリア自体が無政府状態の国なだけに、陸に逃げたらもはや捕まえようがないと説明。

しかも、海賊の拠点の周囲に村があり、海賊が盗んだ物資やカネを使って生活を成り立たせている面もあると解説した。そして山田氏はこう続ける。

「海賊は身代金を取るんですよ。船員や乗組員、乗船客を人質にとり、だいたい3億円から14億円取りました。ソマリア海賊に対しては、中東の戦争からカラシニコフとかが流れ、ロケットランチャーも持っている。

カラシニコフは100ドルしないほどなんです。村ごと海賊を逮捕できないか?についてですが、結局誰がやったかは分からないし、さすがに各国が他国(ソマリアの国内)に攻め入ることはできない。

今、同国はようやく統一し、国家を作ろうと暫定政権を作ろうとはしていますが、ソマリアは民族対立が多い。落ちつきかけると、戦争を始める不安定な状況が続いていました」

こうした厄介な相手にどのように対峙すべきなのか。伊藤氏はそれはさほど難しいことではないと語る。

「特別な訓練は必要はないです。海上自衛隊に限らず、海軍はバックに国家があります。国家が武器を調達する。国家というものは、他国の訓練している人とのドンパチを想定しています。

海賊は漁船なりを使って弱いモノいじめをしている人。海賊と海軍の差は、いわば自転車で万引きを繰り返す少年と、白バイに乗っている警官みたいなもの。海軍や自衛隊はプロフェッショナルなものを相手している。

海賊を見くびることはいいことではないですが、どうやっても海賊が敵うわけがない。そこらへんのニイチャンが武器持ってプロに勝てるわけがない」

山田氏によると、これまでの海事の活動で最も効果があったのは、P3Cによる監視活動だ。空を飛び、怪しい船がいたら情報発信をする。すると、どこの国の警備船も怪しい船がいる現場に向かえられるようにしてきた。

さらに、このエリアを航行する船会社側も色々対策は練っており、海賊が来たら船内に逃げ込む場所を作るなどしている。そこには通信機器も水も食料もあり、籠城が可能。そこに立てこもっている間に警備船が来て海賊を退治するのだ。

さらに、最近ではイスラム国の動きもあり、ペルシャ湾は各国警備船が配備されているため海賊もなかなか動きが取れない状況にある。こうした件が重なって2015年には発生件数が0件となった。

このエリアの警備の重要性は、その水運にある。

ヨーロッパから来る場合、スエズ運河を通ってこのエリアを通過するが、もしここを使えなかったら南アフリカの喜望峰周りでアフリカの東側に出る航路となるため大幅な距離の増加となる。

まさにヨーロッパにとってもアジアにとっても生命線となるような重要な海域なのである。

海賊の収入が現在閉ざされた状況にあるが、山田氏によるともともと海賊は漁師だったそうだ。先進国が魚を乱獲したり、中国がトロール船で魚を獲っていったため魚資源が減り、周囲の船を襲うようになった経緯がある。

そうした状況を見越したシンジケートが海賊に武器を渡し外国船を襲ってきた。そして、身代金交渉はロンドンでやっていた時期もあった。

しかし、現在は海賊が現場で動けなくなっていることから末端の海賊はシンジケートからも切られ、漁師に戻っているとのこと。

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