記事提供:TOCANA

今年6月、米テキサス州ブラゾリア郡ロシャロンで、近くを流れるブラゾス川が決壊した影響で大規模な洪水が発生。数千世帯が避難を余儀なくされていた。

ほぼ全ての家に浸水被害がでたが、その中に1軒だけ全く浸水しなかった家があるという。海外メディアは、洪水から家族と動物を救った聖書の物語になぞられて、リアル「ノアの方舟」が出現したと報じている。

■巨大な土嚢で家を囲う

洪水発生前、軍用車やエアボートが住民の避難を急ぐ中、ランディ・ワグナー氏は自宅を守るために大胆な行動に出た。なんと、自宅への浸水を防ぐために全長121mもの巨大な土嚢で家を囲ったというのだ。

この土嚢は「アクアダム」という製品で、二重のチューブの中にポンプで液体を充満させることにより、巨大な土嚢として使用することができるそうだ。主に河川や湖など大規模な護岸工事のためのものだが、洪水に対しても有効とのこと。

地元行政機関が今回の洪水は過去数十年に1度の大洪水になると発表していたため、ワグナー氏はインターネット上で偶然見つけた「アクアダム」の購入に踏み切ったそうだ。

避難勧告が出るなか、ワグナー氏はルイジアナまで車を飛ばし、同製品を購入。

店員から設置方法のレクチャーを受け、男性2人の協力のもと大急ぎで家の周囲に「アクアダム」をとりつけたという。その際、避難を急ぐ近隣住民から嘲笑の眼差しを向けられたとワグナー氏は語っている。

「水位がどこまで上昇するか未知数でしたから、誰もみたことないような対策をする必要がありました」(ワグナー氏)

「私の頭がどうかしてしまったと思ったのでしょう。みんな私のことを笑いものにしていましたよ」(ワグナー氏)

「でも、家を失ってどこか他の土地に移り住むという考えは私には耐え難い苦痛でした」(ワグナー氏)

その後、ワグナー氏と家族は、「アクアダム」に囲まれた自宅に留まり事の成り行きを見守ったという。水位は一時70cm近くまで上昇したが、高さ76cmの「アクアダム」を越えてくることはなかった。

ワグナー氏の奇策を嘲笑していた住民もこの成功を目の当たりにし、すっかり感嘆。次の洪水に備えて「アクアダム」の購入を検討している家庭もあるそうだ。

しかし、これほど巨大な製品だ。値段の方も約83万円(8300米ドル)と、個人で購入するには結構な金額。しかしワグナー氏は、家が浸水した場合の修理費(約1500万円)に比べれば「安い投資」だったと満足気な様子だ。

ところで、我が国にもワグナー氏と同じく大胆な判断が災害から身を守った例が複数ある。岩手県普代村では、過去の津波の教訓から昭和40~50年代にかけて当時の村長が周囲の反対を押し切って高さ15.5メートルの防波堤を設置。

この堤防が津波を遮り、東日本大震災では死者数がゼロだったそうだ。

また、宮城県東松島市では、佐藤善文さんが退職金をつぎ込み10年がかりで30メートルの岩山を避難所に造りかえ、東日本大震災では70人もの命を救った。

佐藤さんも近隣住民から半ば笑われていたそうだが、結果的に佐藤さんの先見の明に感謝することになった。

気候変動や環境破壊により、今後さらに大規模な自然災害が各地で起こると多くの科学者が警鐘を鳴らしている。ワグナー氏、普代村村長、佐藤さんの、嘲笑をものともしない勇気ある行動を教訓にして、日頃から万全の対策を怠らないようにしたい。

出典:Disclose TV
出典:Daily Mail

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