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現在放送中のドラマ『そして、誰もいなくなった』(日本テレビ系)で“ふつう”のヒロイン役を演じている二階堂ふみ。ここ最近、山崎賢人との共演でヒットした映画『オオカミ少女と黒王子』での少女漫画ヒロイン役や『何者』での就活学生役、

『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)でのバラエティレギュラー出演など、それまでのエキセントリックで尖がった役どころを演じることが多かったポジションから、一般向けのメジャー路線へシフトチェンジしたかのようにも見える。

個性派ポジションを確立した後にメジャー路線にシフトチェンジ

二階堂ふみと言えば、映画『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴りやまないっ』『ヒミズ』『地獄でなぜ悪い』などで独特の雰囲気を醸しだして個性的なキャラを熱演。

とくに『ヒミズ』での若くして見せた情念あふれる怪演は、ヴェネツィア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)を受賞するなど、海外でも高く評価されている。

日本では、童顔系のルックスながら、出演する作品も演じる役柄もクセが強いものが多く、王道を行く若手女優たちとは一線を画す、個性派、本格派女優として評価を受けてきた。

映画をメインの活躍の場にしながら、同世代のなかでも稀有なそのポジションをしっかりと築き上げてきている。

そのスタンスに変化が見え始めたのが今年初め。『ぐるぐるナインティナイン』の人気企画「グルメチキンレース・ゴチになります!」に、ゲストではなく新メンバーとして加入してからだ。

これには当初、「このコ、バラエティにレギュラー出演するキャラだっけ?」と首をひねる視聴者も多かった。しかし今では、芸人とは異なるポジションながら、笑いを生み出す場でしっかりと存在感を示し、自然に現場になじんでいる。

「意外とバラエティでもハマってる!」という好評価に変わっているのだ。

「本人は『ぐるナイ』のレギュラーになった理由について、『知名度を広めたいと思いまして……』と話していましたが、その目論見は見事に成功したと言っていいでしょう。

同世代の若手女優さんたちが、わりと“正統派”路線でアイドル的人気を博しているなかで、二階堂さんはデビュー当初からメディアへの露出を抑え、個性派女優としてミステリアスな雰囲気に包まれていました。

そうした差別化も功を奏して、若手女優という枠のなかに“埋没”することなく、存在感をアピールしていたのです。それがバラエティに進出し、意外に気さくでおもしろい部分があることも視聴者に伝わり、知名度はもちろん好感度も上がってきました。

『オオカミ少女~』の黒王子こと山崎賢人さんとのやり取りにしても、実にふつうの女子高生っぽくて、見る側も自然に感情移入できる。

今度はこれまでのイメージがあるだけに、意外ととっつきやすい、共感できるキャラとしてのギャップまで手に入れたわけです」(ドラマ制作会社スタッフ)

大衆化で埋没しない確かな技量とカラーが“セルアウト”感を出さない

当初は個性を強く打ち出すことでライバルとの差別化を図り、イメージが定着すると今度は広範囲な一般向けにシフトチェンジする。

これは女優に限らず、映画監督やアーティストなどジャンルを超えてあてはまる動きだが、エンタテインメントシーンにおいてメジャーになる、スターになるためのひとつの流れであり、ある意味、当たり前のこととも言える。

ただ、そこで失敗してシーンから消えていくという道を辿っているものが多いのも事実だ。「確かにエキセントリックさなどの個性をウリにすると、コアなファンからの熱烈な支持を受けたりします。

ただ、そこから抜け出して大衆に広く“売れる”ようになるのは容易ではありません。安易に大衆にすり寄ったりすれば、『アイツはセルアウトした』などとコアなファンからは総スカンを食らいますし、大衆にもそれほど響かないことが多い。

売れるための転向という見方をされると、なかなか受け入れられなくなりますから」(前出・スタッフ)

そんななかで、もともとの個性が一般層にもそのまま受け入れられる、一般向けのシフトチェンジによって個性に磨きがかかる芸能人もいる。

例えば、三池崇史監督はかつてはハードコアなバイオレンス系映画を中心に活動していたが、今では売れっ子若手俳優が主演する大作映画を量産。“おもしろくて売れる”ちょっとハードな描写もいけるアクション映画の腕利き監督との評価を定着させている。

また、ほとんど映画にしか出演しない浅野忠信は、邦画メジャー作品から独立系の小規模公開作品のほか、規模に関わらず海外の作品にも参加。

今やその人気ぶりは、ドラマに数多く出演する同年代俳優を凌ぐほどで、国内外から高い評価を受ける俳優として誰もが知る存在になっている。

この両者などは、コア、エキセントリック路線から大衆化に成功した2大巨頭と言ってもいいかもしれないが、それまでに培ってきた確かな技量やカラーがあるからこそ、大衆に埋没することなく、他とは違うオーラを放っているのである。

二階堂のシフトチェンジの背景には、所属事務所の意向や時代的に求められるニーズなどがあるのだろう。そんななかで、いまのところ二階堂の評価は上々のようだ。エッジの効いた残り香がありつつ、一般向けの役柄にしっかりと溶け込んでいる。

そこにはセルアウト感がなく、演じるキャラクターごとに彼女のオーラがにじむ。二階堂の持つ“女優純度”は高い。一般向け路線のなかでもその“個性”は埋没することなく、輝き続けている。

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