世界中どこにでもある「いじめ」。子供だけでなく大人の世界にももちろん存在しています。いじめも虐待同様、本人がなかなか周りに言えないということから、世間での認知度数と実際に起こっている数には大きな差が出ているといってもいいでしょう。

子供がいじめにあっている場合は、親と学校が協力し合っていじめを解決しなければなりません。ところがそれがなかなか思うようにはいかないのが現状です。最悪なのは、本人が口を閉ざしているために、いじめの実態を親も学校も気付かなかったというケース。取り返しのつかない悲劇が起こって、初めて知るというニュースも度々耳にします。

毎日学校へ行くといじめられるのでは、当然登校するのも嫌になります。いじめの理由がどんなものであっても、いじめられる辛さというのは本人にしかわかりません。続けば続くほど孤独になり、自分の殻に閉じこもってしまいます。

このほど、ある一人の母親が涙ながらに息子が受けているいじめについてメディアに語りました。母親がいうには、息子(以降、A君と表記)は耳に障がいがあり、補聴器を付けているそう。それが原因で日常的に繰り返しいじめを受けるように。

数回、転校を余儀なくされた…

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A君は、転校する先々でいじめのターゲットとなり、その度に家族は解決しようとしない学校に見切りをつけて転校を余儀なくされました。現在の学校でも毎日いじめにあっているというA君。

中学生になってから始まったというA君へのいじめに対し、A君の母親は「転校しても、また息子がいじめにあうのではと思う恐怖が離れません。家族にとっても辛い」と涙ながらに心境を告白。

いじめが原因で殻に閉じこもるように…

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どこへ行っても自分はいじめられる…。A君は次第に日常化しているいじめに対して慣れのような気持も湧いてきたと話します。でも、その慣れは自分を殻に閉じ込め世間との関わりを失くすことで遮断することができるというA君は、外に出ることもせず部屋に籠るようになりました。ますます孤独感が募っていきます。

「毎日、侮辱されることは普通なんだ…」

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終わりのないいじめによって、A君の心に自己否定が自然と根付いてしまうように。侮辱され、いじめられる毎日を普通だ、これが自分の人生なんだと思うようになっているA君は、実は最初の4年間、ずっといじめに遭っていることを両親に隠していたと言います。

最初にA君のいじめを知った両親は学校に相談するも、学校側はまるで認識していませんでした。学校に行くことが億劫になり自宅のバスルームに閉じこもって隠れていたこともあったそう。

「息子はPTSDを患っています」

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高校に上がってもいじめは止むことはなく、現在でも続いているとA君のお母さんは言います。A君は長年のいじめにより「Post Traumatic Stress Disorder(心的外傷後ストレス障害-PTSD)」を患っていると話します。

PTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)は、強烈なショック体験、強い精神的ストレスが、こころのダメージとなって、時間がたってからも、その経験に対して強い恐怖を感じるものです。震災などの自然災害、火事、事故、暴力や犯罪被害などが原因になるといわれています。

突然、怖い体験を思い出す、不安や緊張が続く、めまいや頭痛がある、眠れないといった症状が出てきます。とてもつらい体験によって、誰でも眠れなくなったり食欲がなくなったりするものですが、それが何カ月も続くときは、PTSDの可能性があります。

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A君の場合、日常的に繰り返されるいじめが相当な精神的ストレスを与えていることは言うまでもありません。「慣れてしまった」感があるとはいえ、それは自己否定に繋がってしまうので心理的にマイナスな気持ちしかならず、逃げ場のない暗い穴にいるような感覚でしょう。

「一人で戦争に行かされて、見捨てられた人のよう」

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親としても我が子を救ってあげたい気持ちはもちろんあるのでしょう。でも、何をどうすれば毎日のいじめが無くなるのか、親もわからない状態に。「息子は、一人で戦争に行って、戦場で見捨てられているようなものです」と悲痛な心情を訴えるA君のお母さんの言葉に心を打たれます。

最近は学校をさぼりがちになり、ますますひきこもり生活をするようになっているというA君。少し前には自殺を図ったこともあったそうです。A君は「他の誰にも僕のような思いはしてほしくない」と言います。そのため、今回メディアで気持ちを吐き出す決心をした親子。A君とお母さんの苦悩は、いじめをしている側の人たちに伝わるでしょうか。

終わりのない社会問題

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日本では文部科学省が「いじめの認知件数」を発表しています。いじめといってもいろいろあるために人によっては「その程度はいじめとはいわない」という場合もありますが、ちょっとしたからかいや冷やかしでも本人が傷ついた場合は、いじめとして認められているようです。

こうした社会問題は、文字通り「社会」がサポートしなくてはならないこと。学校側が見て見ぬふりをしたり、気付いていなかったというのは言い訳にしかなりません。

虐待同様、人の命が係わる問題は決して無視するべきことではなく、コミュニティや教育機関、そして両親ともに団結して、いじめを社会から軽減する何らかの解決策を見つけていかなければならないのではないでしょうか。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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