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亀山敬司(かめやま・けいし) 1961年、石川県加賀市生まれ。株式会社DMM.com取締役会長。石川県でレンタルビデオ店を開業後、アダルトビデオの制作・販売、ゲームに3Dプリンター、英会話、FX、太陽光発電と多岐にわたる事業を展開している。(撮影=森カズシゲ)

ネット通販やアダルト、ゲームから英会話、証券、果ては除草用のヤギのレンタルまで、多種多様なサービスを展開する「DMM.com」。最近では新規事業でアフリカに進出するなどマーケット拡大を視野に入れる。

会長の亀山敬司氏は、10代で上京し、露天商やレンタルビデオ店の開業、アダルトビデオの制作・販売を経て、インターネット黎明期にはネット配信事業に進出し、成功を収めた人物である。そんな亀山氏に、若手ビジネスマンへのアドバイスをもらった。

●「賢明な答え」なんてない…熱い思いがすべて

亀山氏は、若手ビジネスマンのキャリアについて、「転職するべきかどうかはさておき、とにかくこれからは動かないと生き残れない」と話す。

「高度成長期だったら、普通に真面目に働いてればやっていけたけどさ、いまってそれだけじゃだんだん落ちていくよね。

他のアジアの国に仕事を取られるか、ロボットに取られるか、まあ二択かな。だから自分で考えて、自分で動いていくようにしておかないと毎年悪くなっていくね」

ただ、残念ながらすべての人が亀山氏のような才覚に恵まれているわけではない。多くの人は、起業や転職など“動く”際に、後悔するのでは…と二の足を踏んでしまうだろう。そんなときはどう考えればよいのだろう?

「だいたい仕事っていうのはさ、結婚と同じで『賢明な答え』なんてなくて、何かしら後悔しちゃうものなんだよね。結婚相手の経済力とか計算して決めても、計算通りいくかどうかなんてわからない。

となると、そのときの“熱い思い”が自分を救ってくれる。俺がカミさんと危なくなるときも、結婚したときの『好きだ~!』っていう“熱い思い”を思い出すことだけで耐えてるわけよ(笑)。

でも、熱くならないまま電卓叩いて結婚しちゃうとさ、うまくいかなくなって過去の記憶をさかのぼってみても、やっぱり損か得かって話になっちゃう。だからさ、土壇場で大事なのは結局パッションよ」

●子供の頃の夢を見るまで 旅に出て「日常を抜く」

亀山氏はいわゆる“顔出しNG”。その理由は「旅に出たとき誘拐されないように」だとか…

亀山氏のいう“パッション”が必要だとわかってはいるものの、どうやってそんな熱い思いを手に入れれば…?

「イマドキ熱くなるって結構難しいよね。仕事も『これじゃなきゃ嫌だ!』なんていうのもないじゃない。それほどやりたいことが見つからない時代だよね。

それなら、旅に出るといいよ。旅出るととりあえず自分の会社とか世間、いわゆる日常から離れて、『そもそも自分が何をしたいか』を考えられるよね」

自身も20代の頃から現在にいたるまで、数年に一度、単身バックパッカーとして旅をしているそうだ。

「場所はどこでもいいんだよ。海外じゃなくても、山にこもるとか。でもいまって便利だから、日本だとどこに行ってもテレビがあるじゃない?

 俺も前に四国のお遍路に行ったんだけど、どこでもテレビが見られちゃう。スマホも使えるし、日常が抜けないんだよね。だから、しいていえば電波も言葉も通じないところがいいんじゃないかな」

ちなみに、旅の期間は「寝ているときに日常生活の夢を見なくなるまで」。

「“日常”を抜くのに、1カ月以上はかかるよ。日常から切り離されたような、子供の頃に見たような、空を飛ぶ夢を見始められるようになったら最高かな。

俺も旅に出るときは『このまま行方をくらましちゃおうかな』って思うんだけど、やっぱり退屈だなぁと思うよね。だんだん仕事に戻りたくもなる。あと、日頃不満を感じてる部下の存在もありがたく思えるし、カミさんにも会いたくなるんだよね(笑)。

原点に戻れるってことなんだと思うよ。その頃には、自分が何をやりたかったのかが見えてくるんじゃないかな」

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