知ってるようで知らない、だけど気になるあの仕事をSpotlight編集部が深掘り取材するコーナー「シゴトペディア」。今回は、人や企業を調査するために飛び回る「探偵」の仕事に迫ります。

推理小説『シャーロック・ホームズ』やドラマ『探偵物語』など、昭和の時代からいつの時代もメディアを賑わせる「探偵」。

探偵という職業は、19世紀後半のイギリスが発祥。日本でもその歴史は古く、1892年に日本で最初の興信所である「商業興信所」が設立された後、1895年(明治28年)に「岩井三郎 探偵事務所」開業したことが始まりといわれています。

現実社会の探偵はどんな日常?

実際、探偵はどんなお仕事をして、どんな日常を送っているのかあまりご存じない方もいるのでは?ドラマや映画では大きな権力に依頼内容の遂行を阻まれたり、美女の依頼人と恋に落ちたり…そんなイメージもあるはず。

今回は東京都港区に事務所を構える「井原探偵事務所」の探偵・井原貴之さんにお話を伺いました!

ムービー撮影をして依頼人への証拠に

――1日のお仕事の大まかな流れを教えてください。

「依頼内容や状況によって、1日の行動パターンはさまざまですが、だいたい10時に出社して、午前中は依頼者への報告書の作成や事務作業を行います。浮気現場を証拠として写真やムービーで撮影することが多いのですが、それをプリントして文書とともに貼り付けて、報告書として提出します」

――ムービーを撮ることもあるんですね。それは今っぽい調査です。

「撮ったムービーは、依頼者のご要望があれば証拠としてお見せすることもありますね。午後からは、尾行・張り込みの調査をしていることが多いですが、だいたい終わるのは22時から深夜0時ごろになります」

深夜にまで及ぶことも多い調査。ホームページに「24時間・365日体制・全国対応」とうたわれている通り、突然の依頼にも応えられる態勢を取っているようなので、依頼のタイミングや内容によってはかなりハードな日々になるときもあるに違いありません。

80代老人からの浮気調査依頼も

――具体的な依頼内容はどんなものが多いのか教えてください。

「うちの場合は、やはり浮気調査が多く、それから社内のトラブルや取引先とのトラブルなど、企業の調査もあります。浮気調査の依頼者の年齢層は幅広く、特にこの世代のご夫婦が多いということはありませんが、最年長では80代の方からの依頼もありました」

――80代!どんな風に依頼がくるのでしょうか?

「依頼者の方は、パートナーが浮気していることにある程度確証を持ってこちらにいらっしゃることが多いです。ただ、『どんなきっかけで疑い出したのか?』といった話は、デリケートな話題でもあるので、調査に役立つことでなければ、こちらからはあまり深く追及したりはしません」

ちなみに筆者の知人も10年ほど前に、パートナーの浮気を疑って、実際に探偵事務所に依頼しようとしていました。需要の多さでいえば、いつの時代も浮気調査がダントツなのかもしれません。

体力づくりに時事ネタ収集…探偵はすべきことがたくさん

――お仕事に役立てるために日常的に意識して取り組んでいることや、工夫していることはありますか?

「私は、社会の状況や人々の関心を知るために、日ごろからテレビのニュースをよく見るようにしています。また、体を動かす仕事でもあるので、体力づくりもしていますね。それと、仕事の時は、なるべく目立たないような服装や髪型を心がけています。

これも調査内容によって異なるのですが、企業関係の調査でしたら、その場に合ったスーツ姿で行動することが多いです。逆に、繁華街での調査がおもになる場合には、街に紛れ込むカジュアルな服装で行動しています。

ただ、スタート地点がオフィス街でスーツ姿で尾行を始めたとしても、その後、調査対象者が繁華街に移動することもありますので、そのあたりは苦労します。とにかく調査内容に応じて、目立たない服装をしています」

映画やドラマなどフィクションの中の探偵は、派手なヘアスタイルだったりおしゃれなスーツを着ていたりするイメージがありますが、尾行などの調査を行う探偵にとって、なるべく目立たない服装や髪形にする、というのは基本中の基本なのかもしれません。

もっともやりがいを感じる瞬間は

井原さんは、探偵事務所や調査事務所に勤務した後、現在の「井原探偵事務所」を立ち上げました。個人・法人はもちろんのこと、多くの弁護士等の専門家による、民事、刑事事件等の証拠収集業務にも携わってらっしゃいます。

――お仕事の中で、もっともやりがいを感じるのはどんなときでしょうか?

「浮気調査がご依頼人のお役に立ったときですね。具体的に言うと、浮気現場をしっかり押さえて、証拠になる写真を撮ることができたときです。依頼者に納得してもらえる結果が出るというのは、やはり大きなやりがいを感じます」

探偵の仕事は“ひたすら待つ仕事”

――最後に、探偵のお仕事をひと言で表すならば、どんな仕事ですか?

「“ひたすら待つ仕事”です。私は、一番長いときで24時間体制で張り込みを続けたこともあります。基本的には2名体制で調査を行っているのですが、長時間にわたって張り込みを続けなければいけないときには、ほかの探偵と交代で行うこともあります。調査では、じっくり待つ心が何よりも重要なのです」

なるほど、忍耐力や観察力がものをいう仕事なのだということが分かりますね。

人から目立たぬように、それでいて鋭いアンテナを常に張り巡らせて職務に当たらないといけない「探偵」という職業。もし今後、みなさんが探偵に調査などを依頼することがあったら、何よりも依頼人の親身になって役に立とうとしてくれる探偵事務所を探してみてくださいね。

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